青の教室 「色が見つかる場所」 第9章 そらの根源──“静けさ”が光になる
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第9章 そらの根源──“静けさ”が光になる
その日の青の教室は、
雨上がりの空気がしっとりと漂っていた。
中村そらは、
窓の外の濡れた校庭を見つめながら、
胸の奥に小さなざわめきを感じていた。
(今日……ちゃんと声、出せるかな)
昨日の授業で、
また意見を言えなかった。
「そらさんはどう思う?」
その一言で、
胸がぎゅっと縮まり、
声が喉の奥で固まってしまった。
(私……どうしてこんなに怖いんだろう)
■ 青の教室での“静かな変化”
青の教室に入ると、
ひなたとりくがすでに来ていた。
「そら、今日も来たんだ」
ひなたが明るく手を振る。
「うん……」
そらは小さく返事をした。
りくがプリントを見ながら言った。
「そら、なんか前より落ち着いてるよな」
そらは驚いた。
「え……そう?」
「うん。なんか……
静かだけど、強い感じ」
ひなたも頷いた。
「わかる!
そらって、静かだけど、
なんか安心するんだよね」
そらの胸の奥が、
ふわっと温かくなった。
(私の静けさ……
誰かの役に立ってるの?)
■ そらの“揺れ”が言葉になる
プリントを解いている途中、
そらはふと手を止めた。
「先生……」
友彦がそっと近づく。
「うん?」
「私……
声を出すのが怖いんです」
その言葉は、
そらが初めて自分の“揺れ”を
言葉にした瞬間だった。
友彦は、
そらの目をまっすぐ見て言った。
「そらちゃんの声はね……
静かだけど、遠くまで届く声なんだよ」
そらは目を丸くした。
「遠くまで……?」
「うん。
静けさの中にある声は、
人の心にまっすぐ届くんだ」
そらの胸の奥が、
じんわり熱くなった。
■ そらの“初めての光”
そのとき、
ひなたがプリントを持ってそらのところへ来た。
「そら、この問題さ……
なんかよくわかんなくて」
そらは驚いた。
(ひなたが……私に?)
ひなたは笑った。
「そらって、説明うまいんだよね。
なんか落ち着くっていうか」
そらは、
胸の奥がふわっと明るくなるのを感じた。
「えっと……
ここはね、こう考えるといいよ」
そらは、
ゆっくり、丁寧に説明した。
ひなたは目を輝かせた。
「そら、すごい!
めっちゃわかりやすい!」
りくも近づいてきた。
「そら、俺にも教えてくれよ」
そらは、
自分の声が自然に出ていることに気づいた。
(私……
ちゃんと話せてる)
その瞬間、
そらの“静けさ”が光に変わった。
■ そらの根源が立ち上がる
帰り際、
そらはドアの前で立ち止まった。
「先生……」
「うん?」
「私……
静かなままでいいんですね」
友彦は静かにうなずいた。
「うん。
そらちゃんの静けさは、
誰かを照らす光だからね」
そらは、
胸の奥がふわっと軽くなるのを感じた。
――私の静けさは、
弱さじゃない。
その気づきが、
そらの色をそっと立ち上げた。