◆無料◆「会社選びに迷ったとき読む基礎の基礎」 ~実践! 会社選びの絶対法則~ Part.1

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ビジネス・マーケティング
はしがき

数多くの企業の中から、自分にピッタリ合う転職先を見つけるのは、実に大変な作業だ。しかし、やっと苦労して見つけた転職先が、残念ながら必ずしもフィットしなかったという声をよく聞く。多くの情報を吟味したはずなのに、なぜだろう?それは「本当に必要な情報」が、充分でなかったのが一因である。では「本当に必要な情報」とは何か?事業内容、資本金、売上げ高、etc・・・。ざっと挙げてみただけで、これくらいの項目は出てくるものだ。しかし、これらは実は「企業情報(=オモテの顔)」にしか過ぎない。売上げでなく実際の利益はどうか?、どんなビジョンで今後の事業展開を図るのか?、従業員を取り囲む社風・企業文化はどんなものか?、etc・・・。本当に知るべきは、こういった「企業の実態(=本当の顔)」なのである。
このシリーズでは、「企業の本当の顔」をいかに知るべきか?、その具体的な方法をお届けしていこう。


★★これが「会社のホンネ」だ!★★

まず第一回目の今回は、転職者に対する企業のニーズについてご説明しよう。
ここ数年の市場の大きな変化は企業だけでなく、そこで働く社員にも対応を迫っている。当然ながら、これは転職者にも求められることだ。ここで今一度、企業が思い描く「組織と従業員の関係」について考えて見る必要がある。

●「前向きな姿勢」と「積極的な姿勢」の意味するもの

最近よく耳にするのが、「前向きな姿勢」「積極的な姿勢」といったフレーズだ。これは言われてみれば、当たり前のことである。しかしこれらの言葉には、実に重大な意味が隠されていることにお気付きだろうか?
これからどのように舵取りをしていったらよいのか、常に企業はそんな厳しい状況に置かれている。つまり変化の時代にあって、いかにそれに対応できるかが、企業のテーマであるということだ。これは言い換えれば、そこで働く社員にも変化への対応を迫っているということである。変化への対応には、消極的な守りの姿勢ではムリだ。つまり「前向き」や「積極的」というのは、これから企業や人材に必要とされるキーワードに他ならないのだ。これまで言われてきたような、単なる一般的な言い回しではない。この時代にあって、もっと具体的に切実な意味を持ったフレーズとなったのである。

●組織(会社)と人(社員)は「ギブ・アンド・テイク」

企業の最大の目的は「生き残ること」である。極論すれば、唯一の目的とさえ言えるかもしれない。これこそまさしく企業のホンネなのだ。そのために事業計画も大変更すれば、大掛かりなリストラも行うのが、企業というものだ。その点を決して忘れてはならない。ところで最近は、成果給や年俸制を採用する企業が徐々に増えている。これは実は、企業の切実な決意をあらわしていると言える。これらは「ドンドン稼いでください」と同時に「稼がない人には給料はあげません」という、企業からの最終メッセージなのである。これからは、いわゆる分相応でいきましょうということだ。互いにどれだけのメリットがあるのか?これこそまさに「ギブ・アンド・テイク」の発想だ。企業は社員に対し、それに対する気付きと理解を求めているのだ。「あなた(社員)はどれだけの働きをして、こちら(企業)からどれくらいの見返り(給料)を欲しいのですか?」と問いかけられていることを、常に自覚しなくてはならない時代が来たということだ。

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とても大変な時代になったものだと思う。しかしこれは働く側に限ったことではない。企業も実にツライ思いをしているということだ。この時代を乗り切るため、企業が発信するメッセージがお分かりになったであろうか?まずはこれを理解するのが、企業を知るための第一歩なのである。

★ ★気になるあの会社はどんな会社?★★

ところで皆さんは求人情報をいくら読み込んでも、企業の本当の姿はなかなか見えないとあきらめてはいないだろうか?しかし求人情報の中には、やはり会社の実態を見極めるポイントがあるものなのだ。そこで今回は、転職サイトにおける企業情報の見方について考えてみよう。

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●「正直な表現」ってなに?

求人募集のキャッチコピーや本文記事を見て「?」と感じるのは、不自然なほどにカタカナ用語の連発が多い企業だ。その業界・業種の人間でさえ、すぐには理解しかねるような表現(職種名・役職名etc)が、実に多く見受けられる。ここで気をつけなければいけないのは、例え言い廻しが変わっても仕事の内容に変わりはないということだ。例えば「マネジャー」という呼称は、れっきとした役職としての意味があり、実務的にも管理職としてのポジションと考えてよいだろう。ところが「コンサルタント」などは、必ずしも役割分担として明確な意味があるとは限らないのが現状だ。「コンサルティング的な頑張りをしてください」という意味での「営業職」であったりすることも、多々ある。企業によっては「営業」という言葉を使いたくないがために、こういった意図的なことをする場合があるのだ。似たような例として「販売職」を「アドバイザー」と改称したら応募者が増えたというのは、よく耳にする話である。もちろんこれは必ずしも否定されるべきことではない。要はこの便利なカタカナ用語により、実態が隠されてしまうこともあるということだ。こういったカタカナ用語(新たな造語)は何か目新しく聞こえたりもするものだが、そうそう新たな職種などあるワケもない。アピール方法に限界を感じた企業が、求職者の関心を煽るためにこういった手法に頼る傾向が見られる。こういった企業は得てして、人の出入りが激しいものだ。カタカナ用語が乱用される掲載情報なら、そこを日本語に置き換えて読んでみるべきである。そこから、その企業の誠意が読み取れるものだ。その表現が「ウソ」でなくとも、「正直」でなかったら要注意だ。

●人材募集への熱意はココで判断

企業が人材募集に対し、どれだけ本気かというのは気になるところだ。求職する側も、やはり求人熱意の強い企業に応募したいものだ。この目安としては、企業がどれだけの「コスト」と「手間」をかけているかが1つのポイントとなる。コスト面から言えば、多くの媒体に露出しているかどうか、ということになるだろう。掲載する媒体毎に読者層も異なるワケであり、また同じ媒体ばかり使い続けるよりは、何種類か時期を変えて使い分けるほうがいい。こういった使い分けをしているのは「企業の熱意」と考えることができる。しかし、これは企業規模(予算規模)の問題もあり、必ずしも企業の熱意とイコールと断言するわけにもいかない。そこでもう1つのポイントである「手間」に注目してみたい。これは同一サイト内で、どの程度の露出があるかということだ。もちろんこれは、多くの検索項目にヒットするかという、単純な問題ではない。サイト内の様々な構成要素(項目、システムetc)に対し、いかに有機的に結びついているかということだ。サイト内には単なる一方的な企業情報の掲示だけでなく、例えばメーリングサービスやスカウトサービスのように、企業側からの積極的なアピールのしくみがある。これらをどれだけ活用しているかを、企業の熱意と置き換えるのも基準の1つだろう。

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結局のところ「どんな会社?」とは、掲載情報のウラ側にある企業の姿勢が、大切なポイントであるということだ。表面的なデータでにとらわれず、その企業の「人格」を見極めることである。次回「人が集る会社の見分け方」では、これをさらに踏み込んで解説していこう。

「人が集る会社の見分け方」

転職者にとっては、少しでも良い会社を選びたいものだ。皆がそう考え「集る会社」こそ、おのずと「良い会社」となるに違いない。しかしこれは、企業規模の大小には必ずしも関係はない。また一見活気があるように見えて、実態は人の出入りが激しいだけということもある。人が集る会社、果たしてその実体は何であろうか?

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●人が集るのは「理念を持つ会社」

ある程度の期間、求人情報を眺めてみると、センセーショナルな謳い文句で、常に求人広告を出し続ける会社を見かけるものだ。しかし、そんな会社に限って社員の定着率が悪かったりすることも多いという。内情に何か問題があるから、退職者が多いのだろう。しかしそれならば、なぜ次から次へと応募者が、引きも切らないのだろうか?もちろんこれは買い手市場の現状も、大きく影響しているに違いない。しかし、それだけではないだろう。やはり、そこには応募者の会社選びの基準の問題があるはずだ。
昨今の転職シーンにおいて特長的な点が1つある。それは、デキる転職者ほど「企業理念」を重視するという傾向だ。会社選びとなると、とかく待遇・福利厚生などを検討項目の筆頭に挙げてしまいがちだ。しかしその一方で、必ずしもそれらに囚われないビジネスパーソンが増えているのである。この意味するものは何か?現在のビジネスシーンにおいて、もはや「安泰」は死語になった。つまり、このながれの中で自分と企業のつながりを、より真摯に考える人間が増えたということなのだ。
同時に、この理念というものを強烈にふりまく経営者もいる。これはある中堅企業オーナーの、企業買収にまつわるエピソードだ。友好的に話のまとまりかけた段階で、このオーナーは幹部への挨拶のため、その買収先に赴いた。ところがそのビルのトイレの汚さに、即座に買収計画を白紙撤回したのである。オーナーいわく「ココ(トイレ)こそ、真の姿が現われる場所だ」。じつに寓話的だが、これはまさしく実話である。
理念を「持つ者(企業)」と「求める者(社員)」、この両者が引き合い噛み合ってこそ、そこに強い求心力が生まれる。これこそが人がを集る企業の魅力なのだ。

●「理念を持つ会社」を探し出せ

実際の会社探しは、何も求人している会社だけを対象とすることはない。「求人していない会社」も候補に挙げればよい。これが果たして通用するのか?そう疑問に思う方もおられるはずだ。しかし、例えばコネや人脈で仕事が決まるケースがある。こういった企業は、たいていは求人広告を出していないものだ。つまりこれは「何らかのネットワークで、いい人材が採れた」ということであり、人材獲得に対する企業のモチベーションの高さにつながることである。また経営者へ直接アタックするのも一手だ。経営者にとって企業理念は、その分身といえる。これなら、その大元にあなた自身を直接、投影することができるのだ。とにかく先ずは積極的に自分を売り込むことである。こういったアプローチ方法は、当然ながら応募のセオリーに沿ったものではない。それだけに、いっそう応募者の熱意・志向といったものが、相手に伝わり易いものだ。そして、それに対する企業からの反応は、実に正直な場合が圧倒的だ。履歴書には現われ切れない「熱意=真の姿」をアピールし、企業データに現われない「理念=真の姿」をいかに引きずり出すか、そんな貪欲な姿勢を持って転職に臨むことだ。

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人が集る会社こそ、魅力的な会社だろう。しかし人が集るには、相応の理由がある。その最たるものが「理念」だ。それに魅了され、人々は引き寄せられるのだ。企業は生きている。漏らさずその息遣いを聴き取る心構えが大切だ。

■■■「本当のヤリガイ」はどこにある?■■■

「ヤリガイ」とはよく聞く言葉だが、それを実感してる人はそう多くはないかもしれない。「ヤリガイ」とは人それぞれなはず。業務の達成感だと言う人もいれば、給料明細を開いた時にしみじみ感じる人もいるだろう。「ヤリガイ」と1つの価値観にまとめるのは難しいのかもしれない。しかしいずれにしろ、このヤリガイが毎日の仕事におけるモチベーション作りに、大きな意味をもっているのは確かなようだ。

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●ヤリガイは会社にはない!?●

そもそも「ヤリガイのある仕事」や「ヤリガイのある会社」なんてものは、その辺に転がっているものでもないだろう。それが見つけられたら、すべては解決するのだが・・・。転職コーディネーターの佐藤幸治にお話を伺ってみた。
「”ヤリガイ”のある仕事や会社ですか?(笑)。まあいずれにしても、それは外側から見て判るものではないでしょう。実際にそこで働いてみて、初めて判ることでしょうね」そう言われてしまうと、身もふたもないのだが、結局はその結果を願うしかないということか?
「しかし転職において、最善の準備をする事はできます。それはあくまで自分が何をしたいのかをハッキリさせるということです。会社の存在はそれをバックアップするもの、という程度に考えるべきです」

★ケーススタディ.Aさん(28歳)営業職の場合

「成約後まもなく、お客様のお宅に招待され、鍋料理をごちそうになり、更には泊めて頂きました」笑顔でそう語るAさんは、転職2年目の分譲マンションの営業マンだ。ちなみに彼の前職は区役所勤めだ。安定した仕事だが「何かが足りない」と転職を考え、この営業職を選んだのだった。しかし、最初は不安だらけのスタートだったという。「どこか気持ちのなかに、お金を稼ぐことへの抵抗感がありました。それまで営業とは無縁の仕事でしたし・・・」そう語るAさんだが、これには兄弟の存在も大きかったようだ。「兄は独立して、小さいながらもお店を開いています。私は充実した毎日を過ごす兄を見ながら、焦っていたように思います」しかしAさんは徐々に、営業活動の面白さを感じるようになっていく。「最初は成約件数しか頭になかったのですが、しだいにお客様とのやりとりに夢中になっていく自分に気が付きました」

「このAさんのケースでは、当初の自分のしたい事が、そのままヤリガイになったのではありません。しかし兄の影響もあり、ヤリガイというものを無意識のうちに求め続けていたのだと思います(佐藤氏)」
最終的にAさんは、お客様とのコミュンケーションに営業職としての醍醐味を見つけたのだ。ちなみに分譲マンションの購入は、お客様の一生にかかわる大きな買い物である。買い手と売り手の間に信頼関係がなくては、とても契約などできるものではない。「先ず自分を買ってもらう」とは、営業でよく引き合いに出される言葉だ。Aさんは今、その意味をかみ締めているようだ。

●「ヤリガイ」は自分になかにある?●

ヤリガイは自分のなかにある。こう言ってしまえば結論になる。しかし先のAさんのケースが、それを物語っている。「お客様とのコミュニケーションづくり」を求めらるのは、不動産会社だけではない。また仕事仲間が、皆すべてAさんのようなヤリガイを感じているとも限らない。つまりこれはAさんだから獲得したヤリガイともいえる。「ヤリガイはどこにある?」ではなく、どのように「ヤリガイを作っていくか?」ということなのだ。

まさに「ヤリガイは自分のなか」にこそあると言える。


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