キャリアの進め方|「書けない」の奥にあるもの

キャリアの進め方|「書けない」の奥にあるもの

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おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「『書けない』の奥にあるもの」についてです。

就職活動をしている皆さんの中に、こんな経験をした方はいらっしゃいますでしょうか。エントリーシートを前にして、「自己PRを書いてください」と言われても、何を書けばいいか分からず、手が止まってしまう。

学生が最初に持ってくるのは、具体的な困りごと

パーソルキャリア株式会社が、就職活動中の大学生を対象に行った調査によると、大学のキャリアセンターを利用する学生の目的として最も多かったのは「履歴書や面接のアドバイス」(38.4%)で、次に多かったのは「就活やインターンシップの相談」(33.3%)だったそうです。つまり、学生がキャリアセンターに相談するとき、最初に持ってくるのは、「自分を見つめ直したい」という思いよりも、「目の前にある、書類や面接をなんとかしたい」という、具体的な困りごとであることが多いのだと思います。

これは、とても自然なことだと思います。困っているのは「書けない」という、目の前の現実であって、「どうして書けないのか」まで、自分から考えが及ぶ人は少ないのだと思います。

「書けない」の奥には、たいてい別の理由がある

私がこれまで見てきた中で感じているのは、「書けない」という状態の奥には、たいてい「何を書けばいいか、材料が自分の中で整理されていない」という理由があるということです。自己PRが書けない理由は、文章力だけにあるとは限りません。自分がどんな経験をして、そこで何を感じ、何を大切にしてきたのかが、まだ自分の中で言葉になっていないことも、その理由の一つなのだと思います。

愛媛大学社会共創学部の学生ゼミが行った調査でも、興味深い結果がありました。キャリアコンサルティングを受講した学生を対象に、受講前後の変化を調べたものです。学生が就職活動前に感じていた不安は、「やり方が分からない」「情報の集め方が分からない」といった、いわば手順に関するものが中心でした。ところが、実際にキャリアコンサルティングを受けた後、最も改善が見られたのは、「自分の興味関心が分からない」「自分の能力や適性がよく分からない」という、自己理解に関する不安だったそうです。

つまり、学生自身は「情報が足りないから不安だ」と思って相談に来ても、キャリアコンサルティングを受ける中で、自己理解に関する不安が改善していくことがあるようです。そこには、学生自身が最初には気づいていなかった、「自分を理解する」という根本的な課題が隠れている可能性が高いのです。

だからこそ、キャリアコンサルタントという職業が存在している

私は、ここにこそ、キャリアコンサルタントを頼る意味があると思っています。――「書けない」という悩みを持ってきてくださったとき、私たちは、いきなり「あなたは本当は何がしたいのですか」とは聞きません。まずは、「書けない」というその困りごとに、きちんと向き合います。そして、一緒に話を重ねていく中で、その奥にある、まだ言葉になっていない経験や思いを、少しずつ一緒に掘り起こしていきます。

キャリアコンサルタントは、答えを教える人ではなく、自分の中にある答えを一緒に見つけていく専門職です。自分一人で書こうとすると、堂々巡りになってしまうことも、対話を重ねることで、思わぬところから言葉が出てくることがあります。それは、キャリアコンサルタントが答えを教えてくれるからではなく、対話そのものが、自分の中に眠っている材料を引き出す手助けになるからなのだと思います。

おわりに

「書けない」というのは、能力が足りないからではなく、まだ自分の中の材料が、言葉になっていない可能性が高いのです。大きな決断をする前だけでなく、エントリーシートが一枚書けない、というその瞬間から、キャリアコンサルタントを頼っていただいて大丈夫です。目の前の「書けない」に、一緒に向き合う。その先に、きっと、自分でも気づいていなかった言葉が見えてくると思います。

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