キャリアの歩み方|手順書は、考えないためにあるのではない

キャリアの歩み方|手順書は、考えないためにあるのではない

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おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「手順書は、考えないためにあるのではない」についてです。

AIエージェントの活用が広がる中で、こんな指摘を目にしました。AWSが公開した、業務を自動化するAIエージェントの構築ノウハウについての記事です。そこでは、成功のカギは技術そのものよりも、「業務プロセスをどれだけ正確に理解し、設計し直せるか」にあるとされていました。具体的には、判断が必要な処理にはAIを使い、ルールがはっきり決まっている処理には、決まった手順を組み合わせる。この仕分けこそ、これからの時代に求められる仕事の設計なのだと思います。この話を聞いて、私は自分自身が採用業務で作ってきた手順書のことを思い出しました。

手順書は、人が変わっても情報をつなぐもの

私にとって手順書とは、単なるマニュアルではありません。メールテンプレートも、その一つです。採用業務は、一人で完結しません。応募受付、採用担当、現場、面接担当、上長、応募者、入社手続きの担当と、人から人へ情報が渡っていきます。そこで起こりやすいのが、「伝えたつもりだった」「そこまでは聞いていない」「前の担当者はやってくれていた」といった、コミュニケーションのすれ違いです。人が変わること自体が、問題なのではないのだと思います。人が変わると、コミュニケーションにはズレが生じる可能性があります。ただ、そのときに、情報が正しく受け渡される仕組みがないことの方が、問題なのだと思います。

だから私は、メールを一つ送るときも、そのメールを決められたタイミングで、決められた相手に送ったら、次に誰が、いつ、何をするのかまで、あらかじめ決めておくようにしています。メールは、ただの情報伝達ではなく、次のアクションを発生させるきっかけでもあります。そうしておけば、手順書を見るだけで、次に誰へ渡せばいいのかが分かります。そして、もしどこかで止まってしまったときも、どの工程で止まったのかを、後から追跡することができます。

そして、迷いが生じづらくなる

さらに、私は、エラーやバグを防ぐことだけが、手順書の目的だとは思っていません。手順を明確にしておくことで、私自身、採用業務において迷いが生じづらくなっている、という実感があります。人は、判断を一つ下すたびに、少しずつ気力を使っていくものだと思います。手順として決めておける部分を、あらかじめ決めておく。そうすることで、本当に迷うべき場面、つまり、その場の状況を読んで判断しなければならない場面のために、自分の判断力を残しておくことができるのだと思います。

手順化するというのは、考えなくていい部分を増やすことではなく、どこで本気で考えるべきかを、はっきりさせることなのかもしれません。

AIの話とも、つながっている

私が採用業務の手順書で実現しようとしていたことは、AIが登場するより前から実践してきた、判断と作業の仕分けだったのかもしれません。AIに何を任せるのかを判断するためにも、まず人間が、その仕事の型を理解している必要があります。型を知らないままAIに任せることは、守を飛ばして離に進もうとすることに似ているのかもしれません。

先ほどのAIエージェントの設計についての考え方を聞いて、私は、仕事を受け継ぐときに大切にしている「守破離」にも通じるものを感じました。私にとっての「守破離」は、まず教えられた型を実直に守り続けることです。その姿勢を続けていると、いつか上司や師匠が、その仕事ぶりを認めてくれる。そして、上司や師匠自らが「破り」、やがて「離れていく」。それでも、本人は守ることをやめないのだと思います。受け継いだものを、次の人へ渡せるところまで、実直に守り続けるのです。

おわりに

人が変わると、コミュニケーションにはズレが生じる可能性があります。だから私は、個人の注意力だけに頼るのではなく、人が変わっても情報がつながる仕組みを作ることを、大切にしてきました。手順は、決まりきったことを、機械的にこなすためのものではないのだと思います。どこまでを仕組みとして任せ、どこからを人の判断として残すのか。その線引きを、あらかじめ自分の中に持っておくこと。そうして仕組みを整えたうえで、それでも判断が必要なところには、人がいる。それが、私にとっての手順書の役割であり、これからのAI時代の働き方にも、そのまま通じる考え方なのだと思います。

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