キャリアの進め方|学問という、灯

キャリアの進め方|学問という、灯

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学び
おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「学問という、灯」についてです。

AIに質問をすると、驚くほど的確な答えが返ってくることがあります。何年もかけて学ぶような専門知識も、一瞬で要約して見せてくれる。私自身、その速さと正確さに、素直に驚かされることがあります。そんな時代に、私たちは、何のために、時間をかけて学び、経験を積んでいるのでしょうか。

二つの理論

この問いを考える手がかりになりそうな、二つの理論があります。

まずは、哲学者マイケル・ポランニーは、1966年の著書『暗黙知の次元』の中で、「人は、語ることができる以上のことを知っている」(原文:we can know more than we can tell)と述べています。言葉で説明しきれない知識や技能は、実際に経験を積む中でしか、身につかないと言われています。

また、教育学者デイビッド・コルブは、1984年の著書『Experiential Learning』の中で、人が学ぶ過程を、具体的経験・内省的観察・抽象的概念化・能動的実験という、四つの段階の繰り返しとして説明しました。経験を、内省を通して体系立った知識に変え、また実際の場面で試す。この繰り返しの中で、理解が深まっていくという考え方です。

螺旋階段を、降りていく

この二つの理論を踏まえると、AIと人間の違いが、少し見えてくる気がします。

AIは、膨大な人間の経験から得られた知識をもとに、まるで経験したことがあるかのように、暗黙知について語ることがあります。けれど、コルブの経験学習モデルが示すように、経験は、それ単体では終わりません。経験したことを内省し、概念化し、また新しい場面で試してみる。このサイクルを、自分自身の人生の中で回し続けられるのは、今を生きている人間です。AIは、過去の経験を膨大に知ることはできても、今この瞬間に、自ら経験することはできません。

私自身のこれまでを振り返っても、実務の経験を積んでから、それを体系立てたいとキャリアコンサルタントの資格を取り、取得後はまた実践で確かめる。そうして気づけば、次は経験したことのない、社会福祉や精神保健といった未知の領域へと向かっていました。まるで螺旋階段を下っていくように、同じことを繰り返しているようで、実は少しずつ、知らない場所へと降りていく感覚です。暗闇の奥に何があるのかは、降りてみるまで分かりません。それでも不安を感じないのは、学問という灯が、足元を照らしてくれているからだと思います。学び続けるという選択を、自分自身がし続ける限り、その灯が消えることはありません。

おわりに

AIは、私にとって、学びを深めるうえで、もはやなくてはならない存在です。けれど、その知識を実際の場で試し、確かめ、答え合わせをできるのは、今を生きている人間だけだと思います。学問が練習だとすれば、経験や実践は、試合のようなものです。練習だけでは、試合の感覚は分かりません。実際に試合に出て、失敗し、修正しながら、初めて自分のものになっていく。何のために、時間をかけて学び、経験を積んでいるのか。その答えは、誰かに評価されるためでも、AIに勝つためでもなく、自分自身の人生を、自分の手で、善き方向へ満たしていくためなのかもしれません。


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