キャリアの見つめ方|「経歴」ではなく「継歴」で振り返る

キャリアの見つめ方|「経歴」ではなく「継歴」で振り返る

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おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「『経歴』ではなく『継歴』で振り返る」についてです。

履歴書や職務経歴書に書く「経歴」は、いつ、どこで、何をしてきたのかを、時系列に並べたものです。会社名、在籍期間、担当業務。そうやって並べてみると、たしかに自分が歩いてきた道が見えてきます。

でも、そこには書ききれないものも、たくさんあります。あの経験が、なぜ次のあの選択につながったのか。あのとき感じた違和感が、今の自分の、どこに息づいているのか。あの失敗から、何を学んだのか。そして、なぜ今も、それを大切にしているのか。経歴は、起きた出来事を並べることはできても、その出来事と出来事の間にあるものまでは、なかなか書ききれません。

「大したことではない」と決めているのは、誰なのか

自分の歩みを振り返ろうとすると、こんな言葉が浮かぶことがあります。「大した仕事じゃない」「誰でもできること」「もう昔の経験だから」。私自身も、そう思ってしまうことはあります。

でも、それは本当に、事実なのでしょうか。それとも、自分自身に対する、一つの評価に過ぎないのでしょうか。

長く続けてきたことほど、自分にとっては当たり前になっています。毎日のようにやっていることだから、特別なことだと思わなくなる。でも、それを何年も続けてきたという事実まで、なくなるわけではありません。むしろ、当たり前になるまで続けてきたことの中に、その人らしさが隠れていることもあるのだと思います。

うまくいった100回より、失敗した1回のほうが、記憶に強く残ることもあります。では、その失敗は、単に自分を責めるために残っているのでしょうか。もしかすると、「なぜ、うまくいかなかったんだろう」「次は、どうすればいいんだろう」と、無意識のうちに検証を続けているからこそ、記憶に残っているのかもしれません。

「自分はだめだった」で終わらせるのか。それとも、「自分は、ここまで挑戦した」と捉えて、「じゃ〜どうする?®」と、次の問いを自分に返してみるのか。同じ一つの出来事でも、その先に続く問いは、選び直すことができるのだと思います。

真の自分の価値に気づくということ

資格や肩書きのように、数字や証明書になるものは分かりやすいものです。一方で、人を育ててきたこと。誰かのために先回りしてきたこと。何度も失敗しながら、それでも続けてきたこと。自分では当たり前だと思っているけれど、実は誰にでもできることではないもの。こうしたものは、なかなか形になりません。

だから私たちは、ときどき、「私って、結局どうなんだろう」と思うのかもしれません。そして、誰かに話してみたくなる。誰かに「それって、すごいことですよ」と言ってもらうことで、初めて自分の価値に気づくこともあります。それも、もちろん大切なことだと思います。

さらに、少し立ち止まって考えてみましょうか。「私ってどうなの」というその問いに、本当に一番深く答えたいのは、いったい誰だと思いますか。

過去の点と点を繋ぎ直し、それを未来へと継ぐ

私は、経験を点として並べるだけではなく、その点と点をつなぎ直していくことを、「継歴」と呼んでいます。経歴ではなく、継歴。――これは、私が勝手につくった言葉です。過去をただ振り返るのではなく、そこで見えてきたものを、これからの自分へ、そしていつか、次の世代へとつないでいく。そういう意味も込めています。

「あのとき、私は何を感じていたんだろう」「なぜ、あの選択をしたんだろう」「今の私に、あの経験はどうつながっているんだろう」。そんなふうに、一つひとつの経験を辿り直してみる。すると、バラバラだと思っていた出来事が、少しずつつながってくることがあります。「ああ、だから私は、今これを大切にしているのか」。そんな発見が生まれることもあります。

それは、欠けているものを探す反省会だけではありません。「私は、いったい何者なんだろう」と、自分の歩いてきた道を、少し面白がりながら眺めてみる時間でもあります。

誰よりも一番、自分のことをわかりたい存在の正体

そうやって自分の歩みを辿り直していくと、ふと気がつくことがあります。誰かに認めてもらう前に、自分自身のことを、一番知りたい、わかりたいと思っているのは、自分自身だったのかもしれない、ということに。

だからこそ、自分を知る時間は、何かが足りないから行うものでなくてもいいのだと思います。もっと頑張るためでも、もっと成長するためでもなくていい。ここまで歩いてきた自分に、「ちょっと、あなたの話を聞かせて」と、時間を渡してあげる。それは、自分自身への、ご褒美の時間なのかもしれません。

おわりに

私は、キャリアコンサルタントという仕事を、そんな時間を過ごすための場所の一つでありたいと思っています。過去を思い起こす。経験をつなぎ直す。これまでの歩みを辿り知る。そして、自分では見過ごしていた「頑張ってきたこと」を、一緒に見つける。

履歴書にも、職務経歴書にも、きっと収まりきらない。あなたが歩いてきた道の中には、あなたにしかない「継歴」が、きっとあります。その継歴を、一番知りたいと思っているのは、もしかすると、誰よりも、あなた自身なのかもしれません。

20260913_footer_これは私が勝手につくった言葉です.png


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