「助けてって、言えてますか。」
フロアの誰よりも早く出勤して、誰よりも遅く帰る。
利用者さんのことも、スタッフのことも、
ぜんぶ自分が何とかしなきゃいけない。
そうやって気づいたら、あなただけが孤独に燃え続けている。
このブログはそんなリーダーに、そっと書きました。
はじめに|ひとりで抱えすぎていませんか
あなたに、少し聞かせてください。
今日、誰かに「しんどい」と言えましたか。
フロアでスタッフが愚痴を言い合っているとき、
あなたはどこかで「リーダーの私がそんなこと言えない」と、
ひとり飲み込んでいませんでしたか。
私は今、介護の講師をしています。
これまでたくさんの介護士と話してきましたが、
現場のリーダーや主任の方たちには、
決まってある共通点があることに気づきました。
「自分のしんどさ」を、いちばん後回しにしている。
スタッフの不満は受け止める。
利用者さんのケアは最優先。
上の人には「なんとかやれています」と報告する。
そのくり返しの中で、気づいたときには
話せる相手がフロアにひとりもいない、
そんな状況になっているリーダーが、本当に多いんです。
あるとき、研修でこんな言葉を聞きました。
「リーダーって、孤独なのがふつうなんですか。」
研修を終えたあと、駐車場でこっそりそう話してくれたのは、
入職4年目でフロアリーダーになったばかりの女性でした。
ふつうじゃないです。でも、多い。
私はそのとき、そう答えることしかできませんでした。
でも、その夜からずっと考えていました。
「孤独なのがふつう」と思ってしまっているリーダーが、
こんなにたくさんいるなら、
私が伝えられることがあるんじゃないか、と。
このブログで、あなたに伝えたいことは
このブログは、
「もっと強くなれ」とか「意識を変えろ」という話ではありません。
そういうことを言いたいんじゃないんです。
伝えたいのは、たったひとつ。
「ひとりで抱えすぎることが、いちばんケアの質を下げている」
ということ。
あなたが倒れたら、誰が現場を守るのか。
あなたが笑えなくなったら、スタッフは誰を見て育つのか。
リーダーのあなたが、
自分自身を大切にすることは、
利用者さんへの最高のケアにつながっています。
これは、きれいごとじゃなくて、現場で見てきた事実です。
こんな方に読んでほしいです
◆フロアリーダー・主任として、毎日誰かの相談を受けている方
◆「人が足りない」「忙しい」という言葉がフロアに蔓延していて、危機感を感じている方
◆かつて感じていた「介護っておもしろい」という気持ちを、最近どこかに置いてきてしまった方
◆弱音を吐けるような相手が、今の職場にいないと感じている方
ひとりで抱えすぎているあなたへ、
講師として、そして現場をずっと見てきた人間として、
精いっぱい書きました。
第1章|「できるリーダー」ほど、孤独になる理由
なぜ、まじめな人ほど誰にも言えなくなるのか
突然ですが、思い出してみてください。
あなたが最後に、誰かに「しんどい」と言ったのは、いつでしたか。
スタッフの前では言えない。
上の人には心配かけたくない。
家に帰っても、なんか違う。
気づいたら、誰にも言えないまま、また朝になっている。
そんな夜、過ごしていませんか。
「私がやらなきゃ」という思考のくせ
正直に言います。
私がこれまで出会ってきたリーダーの中で、
孤独を抱えている人には、
ほぼ全員に共通する「思考のくせ」がありました。
それが、「私がやらなきゃ、誰がやるんだ」という感覚です。
これ、一見するとすごく頼もしいリーダー像に聞こえますよね。
責任感があって、チームのために動ける人。それは本当のことです。
でも、この思考のくせには、恐ろしい落とし穴があります。
「私がやらなきゃ」が続くと、気づかないうちに
「私以外は任せられない」に変わっていきます。
そうなると、どうなるか。
スタッフに仕事を振るのが怖くなる。
誰かに相談することが「甘え」に感じられる。
自分がしんどいと認めることが、リーダー失格のような気がしてくる。
こうして、どんどん自分の中に閉じこもっていくんです。
ここで少し立ち止まって、考えてみてください。
利用者さんのケアで、私たちが大切にしていることは何でしたか。
「できないことを代わりにやってあげる」ことではなく、
「その人がもっている力を引き出す」ことでしたよね。
なのに、自分自身には「全部ひとりでやること」を課している。
これ、すごくもったいないことだと思いませんか。
「弱いリーダーだと思われたくない」という見えないプレッシャー
もう一つ、孤独なリーダーがほぼ必ず抱えているものがあります。
それは、「弱く見られたくない」という、
じわじわと心を締め付けてくるプレッシャーです。
フロアに立てば、スタッフはあなたを見ています。
「今日リーダーはどんな状態か」を、言葉なく読み取っている。
だから、疲れた顔を見せたくない。
愚痴を言ったら、引かれる気がする。
「こんなこともできないの」と思われたくない。
このプレッシャーは、誰かに言われたものではありません。
あなた自身が、自分に課しているものです。
私はこれを「見えない鎧」と呼んでいます。
鎧は確かに、あなたをまもってくれます。
でも、毎日着たまま過ごしていたら、どうなりますか。
重くて、疲れますよね。
しかも、この鎧の怖いところは、
長く着ていると「鎧を着ていること」自体に気づかなくなることです。
重いのがふつうになってしまう。
疲れているのに疲れていないと思い込む。
しんどいのにしんどくないと言い聞かせる。
そうやって、どこかでぷつりと糸が切れるまで、走り続けてしまうんです。
気づいたら相談できる人が、フロアにひとりもいなかった話
以前、研修でお会いした主任の方から、こんな話を聞かせてもらいました。
その方は、入職してから10年以上、
ずっとそのフロアで働いてきた、とても経験豊富な方でした。
「最近、なんか毎朝出勤するのがつらくて。でも理由がよくわからなくて。」
そう話してくれたとき、私は少し時間をとって、
一緒に整理してみることにしました。
話を聞いていくうちに、見えてきたことがあります。
その方のフロアには、愚痴を言い合えるスタッフはたくさんいた。
でも、その方自身が「ちょっと聞いてほしいんだけど」と
声をかけられる相手が、ひとりもいなかったんです。
なぜか。
スタッフには立場上、弱みを見せにくい。
上の管理者には、うまくやれていないと思われたくない。
同期は他の施設に移っていた。
家族には心配をかけたくない。
こうして気づいたら、「話せる場所」がどこにもなくなっていたんです。
これは、その方が特別だったわけではありません。
むしろ、まじめで責任感が強い人ほど、
気づかないうちにこの状況に追い込まれていきます。
「誰かに頼る前に自分でなんとかする」が積み重なった先に、
「もう誰にも頼れない場所」ができあがっていく。
これが、できるリーダーが孤独になっていく、本当の理由です。
第2章|孤独なリーダーが現場にもたらす、静かな悲劇
燃え尽きたリーダーの背中を、スタッフはちゃんと見ている
少し、怖い話をします。
でも、これは脅かしたいわけじゃないんです。
あなたに、ちゃんと知っておいてほしいから、書きます。
リーダーの疲弊は、じわじわケアの質を下げていく
疲れているとき、人はどうなりますか。
判断が遅くなる。
余裕がなくなる。
目の前のことをこなすだけで精いっぱいになる。
これは、意志の弱さじゃないです。人間として、当たり前の反応です。
問題は、リーダーがその状態になったとき、
影響を受けるのが「自分ひとり」では済まないということです。
たとえば、こんな場面を想像してみてください。
朝の申し送り。リーダーのあなたが、
疲弊した顔で淡々と情報を伝えるだけで終わる。
スタッフは、それを見ています。
「今日のリーダー、余裕なさそうだな」と感じた瞬間、
スタッフはどうするか。
いつもなら「ちょっといいですか」と声をかけられることを、
飲み込むようになります。
気になることがあっても、「今日は聞かないでおこう」と判断する。
そうやって、小さな確認が省かれていく。
小さな気づきが報告されなくなっていく。
これが積み重なると、何が起きるか。
利用者さんの「いつもと少し違う」が、見過ごされていく。
ケアの質が下がるというのは、
何か大きな失敗が起きることだけじゃありません。
こういう、小さな見過ごしが積み重なっていくことでも、
確実に起きていきます。
リーダーの疲弊は、本人だけの問題じゃないんです。
「この人に相談したら悪い」と思わせてしまう空気の正体
もう一つ、孤独なリーダーが知らないうちに
作り出してしまうものがあります。
それは、「相談しにくい空気」です。
あなたに悪意はない。むしろ、必死に頑張っている。
でも、スタッフの目には、こう映っていることがあります。
「リーダーはいつもギリギリで動いている。
これ以上負担をかけたら申し訳ない。」
こう思われてしまうと、スタッフは自分で判断して動くようになります。
一見すると、自立しているように見えますよね。
でも、よく考えてみてください。
経験の浅いスタッフが、確認なしに自己判断で動く。
これは、現場にとってとても危うい状態です。
「リーダーに聞くのが怖い」ではなく、
「リーダーに聞いたら悪い」と思わせてしまう。
この違い、わかりますか。
前者は、リーダーへの恐怖です。
後者は、リーダーへの気遣いから生まれます。
気遣われているなら、まだいいんじゃないかと思いますか。
違うんです。
気遣いから生まれた「報告しない」も、
恐怖から生まれた「報告しない」も、現場に起きることは同じです。
情報が届かなくなる。判断が遅れる。ケアに穴が開く。
リーダーが孤独を抱えることで、フロア全体が少しずつ、
静かに、機能しなくなっていくんです。
孤独なリーダーが作り出す「作業するだけの介護」の連鎖
これが、私がいちばん伝えたいことかもしれません。
介護の本当のおもしろさは、
利用者さんの「できることを引き出す」ことにあります。
その人らしさを守りながら、自分でできることを一緒に増やしていく。
でも、フロアに余裕がなくなると、どうなるか。
「とにかく時間内に終わらせること」が最優先になっていきます。
おむつ交換を終わらせる。
食事介助を終わらせる。
入浴を終わらせる。
これ自体は、悪いことじゃない。
でも、「終わらせること」だけになってしまったとき、
介護は「作業」に変わります。
そして怖いのは、これが連鎖することです。
リーダーに余裕がない。
スタッフも余裕を持てなくなる。
利用者さんと向き合う時間が削られていく。
「作業するだけの介護」がフロアのふつうになっていく。
こうなってくると、スタッフは少しずつ、介護の意味を見失っていきます。
「なんでこの仕事してるんだっけ」という感覚が、じわじわと広がっていく。
離職の理由として「給料が安い」「体がきつい」がよく挙げられますが、
私が現場で聞いてきた本音の中に、こんな言葉が何度も出てきました。
「やりがいを感じられなくなった、というのが正直なところです。」
やりがいは、誰かが与えてくれるものじゃありません。
日々のケアの中で、利用者さんの小さな変化に気づいて、
喜べる瞬間の積み重ねから生まれます。
その瞬間を一緒に喜べるリーダーがいるかどうか。
これが、スタッフがやりがいを感じ続けられるかどうかに、
じつは深くつながっているんです。
第3章|「頼ること」は、弱さじゃなくて専門性だ
介護のプロが本当に持つべき技術のひとつ
少し、視点を変えてみましょう。
「頼る」という言葉を聞いたとき、あなたはどんなイメージを持ちますか。
甘え。
逃げ。
できないことの言い訳。
そう感じてしまう方、正直に言うと、多いんです。
でも今日、その感覚を少しだけ、ほぐさせてください。
利用者さんに「できることを引き出す」なら、自分自身にもできる
介護の仕事で、私たちがいちばん大切にしていることを思い出してください。
それは、「その人にできることを、代わりにやってあげること」
ではありませんでした。
「その人がもっている力を信じて、引き出すこと」でしたよね。
たとえば、歩ける力がまだ残っている利用者さんに、
全介助で車椅子に乗せ続けることはしません。
たとえ時間がかかっても、一緒に歩く。転ばないように隣で支える。
それが、自立を引き出すケアです。
では、あなた自身はどうでしょうか。
「助けを求める力」は、あなたの中にちゃんとあります。
でも、「私がやらなきゃ」という思考のくせが、
その力を使わせないようにしている。
利用者さんに対しては「できることを引き出す」と言いながら、
自分自身には「全部ひとりでやること」を強いている。
これ、気づいてみると、少し矛盾していると思いませんか。
頼ることは、あなたの弱さじゃないです。
頼れる状況をつくることも、リーダーとしての大切な仕事のひとつです。
「助けを求める」ことを、チームに見せることの意味
ここで、少し意外に思うかもしれない話をします。
リーダーが「助けてほしい」と言える姿を見せることは、
チームにとって、とても大きな意味を持ちます。
なぜか。
スタッフは、リーダーの行動を見て、
「このフロアでの正解」を学んでいるからです。
リーダーが何でもひとりで抱え込んでいると、
スタッフは無意識にこう学びます。
「困ったことがあっても、自分でなんとかするのがここのやり方なんだ」と。
反対に、リーダーが「これ、ちょっと一緒に考えてもらえますか」と
自然に言えていると、スタッフはこう学びます。
「困ったときに声を出していい場所なんだ」と。
どちらのフロアが、安全に機能するか。
言うまでもないですよね。
リーダーが頼る姿を見せることは、
「助けを求めていい文化」をフロアに根づかせることです。
これは、弱さの露出じゃありません。
チームを育てる、立派なリーダーシップのひとつです。
あなたが「助けてほしい」と言えた瞬間、
フロア全体の空気が少しずつ変わっていきます。
リーダーが頼ることで、スタッフが育つという話
もう一つ、大事なことをお伝えします。
「頼られたスタッフ」は、育ちます。
これ、当たり前のように聞こえるかもしれませんが、
実感として持てている方は意外と少ないんです。
考えてみてください。
あなたが新人だったころ、
先輩や上司から「ちょっとお願いしていい?」と声をかけてもらったとき、
どんな気持ちでしたか。
緊張しながらも、少し誇らしかったんじゃないかと思います。
「自分が頼りにされている」という感覚は、人を育てる力を持っています。
リーダーがすべてをひとりで抱えていると、
スタッフには「自分が必要とされている」という
感覚が生まれにくくなります。
それどころか、
「リーダーがいれば自分たちはいなくてもいいのかも」という、
静かな無力感が広がることさえあります。
でも、リーダーが
「ここはあなたに任せたい」
「一緒に考えてほしい」と言えると、スタッフの中に
「自分がこのフロアを支えている」という感覚が生まれていきます。
これが、やりがいの芽です。
そしてやがてそのスタッフは、
後輩に同じように声をかけられる人になっていく。
リーダーが頼ることは、フロア全体に、
育ちの連鎖を生み出すことでもあるんです。
では、「頼る」って具体的にどういうことか
ここまで読んで、
「頼ることが大事なのはわかった。でも、何をどう頼ればいいのか」
と思った方もいるかもしれません。
難しく考えなくていいです。
最初の一歩は、たったこれだけです。
「ちょっと聞いてもいいですか」と、声に出すこと。
答えを求めなくていいです。解決しなくていいです。
「最近フロアのことで少し悩んでいて、誰かに話したかった」
それだけでいい。
人は、話すことで整理されます。
そして話を聞いてもらった経験が、
「自分も誰かの話を聞こう」という気持ちにつながっていきます。
頼ることは、連鎖します。いい方向に。
あなたが最初の一歩を踏み出すことで、
フロア全体に、その連鎖が広がっていきます。
第4章|明日から始める「孤独を手放す」小さな一歩
完璧にやろうとしなくていい。今日、たった一つだけ
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
第1章から第3章まで、少し重たい話が続きましたよね。
でも、この章だけは違います。
ここからは、明日のあなたが少しだけ楽になるための、具体的な話をします。
難しいことは、何もありません。
「よし、全部変えよう」じゃなくていいです。
今日、たったひとつだけ。それだけでいいです。
「これ一緒に考えてほしい」という魔法の一言
まず、これだけ覚えて帰ってください。
「これ、一緒に考えてもらえますか。」
たったこれだけです。
答えを求めなくていい。解決しなくていい。
ただ、声に出すだけでいいんです。
私がこの言葉を「魔法の一言」と呼ぶのには、理由があります。
この一言には、三つのことが同時に起きるからです。
一つ目。
あなたの中にあったモヤモヤが、言葉になって外に出ます。
頭の中でぐるぐるしていたものが、少しだけ整理されます。
二つ目。
声をかけられたスタッフは、「頼りにされている」と感じます。
第3章でお伝えしたように、これがスタッフの育ちにつながっていきます。
三つ目。
フロアに「困ったことを口にしていい空気」が生まれます。
リーダーが言えたなら、自分も言っていいんだ、と。
たった一言が、これだけのことを動かします。
明日の朝、申し送りのあとでもいいです。休憩室でもいいです。
「ちょっといいですか、これ一緒に考えてほしくて。」
まず、これだけやってみてください。
週に一度、自分の気持ちを10点満点で採点する習慣
次に、これをやってみてほしいです。
週に一度、たった一問だけ、自分に聞いてみること。
「今週の自分、10点満点で何点だったか。」
点数はなんでもいいです。正解もないです。
大事なのは、点数そのものじゃなくて、
その後に自分に聞く「なぜその点数なのか」という問いです。
7点だったなら、何が足りなかったのか。逆に、何がよかったのか。
3点だったなら、何がそんなにしんどかったのか。
この問いに答えるとき、
人は初めて「自分が今どういう状態にあるか」に気づきます。
毎日走り続けているリーダーは、
自分のコンディションを確認する時間をほとんど持てていません。
でも、自分の状態に気づかないまま走り続けることは、
メーターを見ないまま車を運転するようなものです。
ガス欠になって初めて、「あ、限界だったんだ」と気づく。
そうなる前に、週に一度だけ立ち止まる習慣を持ってほしいんです。
ノートに書かなくていいです。誰かに報告しなくていいです。
お風呂の中でも、通勤の電車の中でも、
ふと思い出したときに「今週、何点だったかな」と自分に聞いてみる。
それだけでいいです。
自分の状態を知ることが、孤独を手放す最初の入り口になります。
フロアに「話せる空気」を作るために、リーダーにできること
最後に、少し先の話をします。
自分が孤独を手放すだけじゃなくて、
フロア全体に「話せる空気」を根づかせるために、
リーダーにできることがあります。
それは、「先に話すこと」です。
相談しやすい人と、相談しにくい人。
この違いはどこから来るか、考えたことはありますか。
能力の差でも、経験の差でもありません。
「先に話してくれるかどうか」の差です。
「最近フロアのことで、こういうことが気になっていて」と
リーダーが先に話してくれると、スタッフは
「あ、この人には話していいんだ」と感じます。
反対に、いつも凛として完璧に見えるリーダーには、
「こんな小さなこと相談したら迷惑かな」と思ってしまいます。
先に話すことは、「私はあなたの話を受け取れますよ」という
サインを送ることです。
難しい話じゃなくていいです。
「今日、申し送りのとき頭が回ってなかったな。昨日ちょっと寝れなくて。」
これだけでいいんです。
完璧じゃないリーダーの姿を、少しだけ見せること。
それが、フロアの空気をじわじわと変えていきます。
おわりに|あなたが倒れたら、誰が現場を守るのか
最後まで読んでくれて、本当にありがとうございます。
少し、正直な話をさせてください。
私は、あなたに「もっと頑張れ」と言いたいわけじゃないです。
むしろ逆です。
頑張りすぎているあなたに、
「少しだけ荷物を下ろしていいよ」と伝えたかった。
介護の現場は、確かに大変です。
人が足りない。時間が足りない。それは本当のことです。
でも、その中でも「利用者さんのその人らしさを引き出したい」と
思い続けているリーダーが、今日もどこかのフロアに立っている。
あなたのような人がいるから、
この仕事はまだ、本物でいられると思っています。
だからこそ、お願いがあります。
あなた自身を、大切にしてください。
疲れたと言える場所を、ひとつだけ作ってください。
完璧じゃなくていいです。弱くていいです。
それがフロアを守ることに、ちゃんとつながっています。
あなたが倒れたら、誰が現場を守るのか。
その問いの答えは、あなたを追い詰めるためにあるんじゃないです。
あなたが倒れないために、自分をまもる理由として、
持っておいてほしいんです。
今日も、お疲れさまでした。
おさらいと、明日から使えるTODOリスト
この記事で伝えたかったことを、最後にまとめます。
まじめで責任感の強いリーダーほど、孤独を抱えやすい構造がある。
その孤独は、フロア全体の空気とケアの質に、じわじわと影響を与えていく。
頼ることは弱さじゃない。チームを育てる、専門性のひとつだ。
孤独を手放すのに、大きな変化は必要ない。小さな一歩の積み重ねでいい。
明日から、ひとつだけやってみてください。
□ 「これ一緒に考えてもらえますか」を、明日フロアで一度だけ声に出してみる
□ 今週の自分を10点満点で採点して、なぜその点数なのかを30秒だけ考えてみる
□ 申し送りや休憩のとき、自分の小さな本音をひとつだけスタッフに話してみる
□ 「しんどい」と言える相手が今いるか、頭の中で一人だけ思い浮かべてみる
□ わたしにでもいいから、ちょっとでも相談や「聞いて。」を言ってみる。
完璧にやろうとしなくていいです。
チェックがひとつだけでも、それで十分です。
あなたの明日が、今日より少しだけ軽くなりますように。