私は今、沖縄のコミュニティFM「FMコザ」で毎週金曜15時から1時間のレギュラー番組を担当しています。
番組名は「東京よりビジネスをこめて」です。
出版業界の方々や、これまでご一緒した著者、そして電子書籍プロデュースのクライアントの皆さままで、多彩なゲストをお招きしながら進めている番組です。
昨日のゲストは、出版コーディネーター・小山睦夫さん。
この名前をご存じの方なら「日本一の出版プロデューサー」というフレーズを思い浮かべるかもしれません。
実際、小山さんは 24年間で750冊以上の商業出版を実現 した、“日本一”の実績を持つ人物です。
著者累計35万部超のベストセラー『瞬読』も、小山さんがプロデュースした代表作のひとつ。出版業界に詳しい人なら、彼の名前を一度は耳にしているはずです。
しかし驚くべきなのは、派手な広告や露骨な「権威づくり」で存在感を出すプロデューサーが多い中、小山さんはまったく逆のスタイル を貫いてきたという事実です。
50歳目前で会社をクビ。ゼロからの再出発
現在70歳の小山さんは、「今抱えている案件をすべて終えたら引退する」と宣言しています。
ただ、その“引退前”である今が、なんと最も忙しく、オファー数が人生で一番多いというのです。
この状況だけでも小山さんの価値が伝わりますが、もっと重要なのは彼のスタート地点です。
小山さんが出版コーディネーターとして歩み始めたのは46歳の頃。
当時勤めていた出版社の営業職を突然クビになり、途方に暮れるところからの再出発でした。
出版コーディネートの仕事を始めても、最初の数年はまったく成果が出ません。
企画を持ち込んでも、編集者からは見向きもされない。
それでも小山さんは諦めず、毎日のように出版社を回り、編集者と会い、企画を持参し続けました。
「小山さんが持ってくる企画なら話を聞きますよ」
出版業界ではよくあることですが、編集者は知らない外部の人間から持ち込まれた企画書に基本的に目を通しません。
ましてやいきなりメールで送りつけられた企画書など、ほぼ確実にスルーされます。
しかし、小山さんはこの“出版のリアル”を痛いほど理解していました。
だからこそ24年間、愚直なまでに編集者一人ひとりと向き合い続けたのです。
無理に売り込むのではなく、
偉そうに振る舞うのではなく、
「編集者が本当に求めているもの」を一緒に考えながら企画を作る。
そんな姿勢を続けているうちに、
編集者たちの間で、こんな声が増えていきました。
「小山さんが持ってきた企画なら、とりあえず話を聞きますよ」
派手さとは無縁の、地道な信頼の積み重ね。
これこそが、オファーが“指数関数的に増え始めた”理由です。
私自身、小山さんと出会った当初からその姿勢に何度も驚かされてきました。
信頼は、盛れない。実績は、誤魔化せない
出版プロデューサーの世界には、正直なところ「盛りすぎた経歴」や「派手なブランディング」が目立つ人もいます。
しかし、どれだけ宣伝が派手でも、出版社の編集者に信頼されなければ長くは続きません。
化粧を重ねても、化けの皮はいずれ剥がれます。
出版業界は特に、そのスピードが早い。
だからこそ小山さんのように、
24年間コツコツと信頼を積み上げてきた人物は、本当に稀です。
そして、その「信用の蓄積」が、今もなお数多くの著者から相談が殺到する理由なのです。
24年間の“積み上げ”が証明したこと
私は今回の番組出演を通して、小山さんの24年間が示した結論を改めて感じました。
出版の世界で生き残るのは、
派手さでも、権威性でもなく、
「信頼を積み上げられる人間」だということ。
そしてそれは商業出版だけでなく、電子書籍の分野でもまったく同じです。
小山さんの歩みは、これから出版を目指す人、出版に関わる人にとって、非常に大きなヒントになるはずです。