自分でできる!強迫性障害への行動療法

記事
学び
1人が購入しています
user
心理オフィスあのね
1人が購入しています
こちらの記事では、強迫性障害への具体的な治療法をお伝えします。
当記事でご紹介するのは、人の手を借りずに、一人で取り組める治療法です。

ただ、強迫行為のもとになっている強迫観念(不安)が自分ではわからなかったり、一人だと治療を習慣化するのが難しいこともあります。

記事を読んで、一人では難しいと感じられたら、下記サービスをご利用ください。やりとりを重ねながら強迫観念の内容を同定したり、利用者様の症状に合わせた対応を一緒に考えることができます。


さて、これから ”一人でできる、強迫性障害への治療法”と、どうしてそれが治療的に作用するのかという 治療メカニズムについてお伝えするわけですが、

理解していただきやすいように、一人の患者さんとのカウンセリングの様子をお見せする形で、実際の治療についてご説明します。
(私がこれまでお会いした強迫性障害の患者さん 数名をもとに作り上げた、架空事例です)





ある日私のもとに、強迫性障害に苦しんでいる一人の患者さんが来ました。
仮に優さん(25歳・男性)としまししょう。

優さんは、以下のような強迫行為を持っていました。
・長時間の手洗い
・施錠の確認
・火の元の確認
・歩いている人にぶつかっていないか、確認しに来た道を戻る
・持ち物を忘れていないか、鞄の中を何度も確認する

…優さんは、これらの様々な強迫行為によって、日常生活がままならない状態でした。
このような行為を一日中、何度も何度も繰り返さなければ安心できない世界…
私は想像するだけで息が詰まりそうになりました。
そして絞り出すように、「それは…とても疲れるでしょうね。」と伝えました。

すると優さんは、複雑な表情を浮かべて言いました。
「疲れます。でも、確認しないと不安でたまらない。症状を手放すことが、怖いんです。」

はたから見れば優さんの状況は、不安と症状に支配されているようで、「早くそこから抜け出せばいいのに」「少しの不安、放っておけばいいのに」と思われるものでしょう。

しかし、強迫性障害の当事者は、
[強迫行為に疲弊しうんざりする気持ち] と [強迫行為にしがみつきたい気持ち]の両方を必ず持っています
そのため、いくら周りから「気にするな」と言われても、気にしないようにできるものではありません。

「気にしない方がいいことなんてわかってる。でもどうしてもやめられないんだよ!」というのが本音です。
むしろ「気にするな」と言われるたびに、後者の[強迫行為にしがみつきたい気持ち]が否定されたように感じ、自分を責める気持ちが大きくなり、孤独感が深まっていきます。

よって、治療の際には、
[強迫行為に疲弊しうんざりする気持ち] と [強迫行為にしがみつきたい気持ち] のどちらも否定しない態度が重要になります。
もちろんこれは、ご自身で治療に取り組む際にも大切な態度です。

もう少しだけ 種明かしをすると、当記事でお伝えする方法は、2つの気持ちのうち 前者の [強迫行為に疲弊しうんざりする気持ち] を、自然に育てていく方法を取ります。

ポイントはこの、”自然に”育ててくというところ。

一見何でもないような行動を取り入れるだけで、いつの間にか [強迫行為に疲弊しうんざりする気持ち] が大きくなり、不安や強迫行為と自分との間に、距離が生まれます。
そして”自然に”育てていくので、治療に取り組む際の 精神的な負担が少なく、結果として習慣化しやすく、治療からドロップアウトしてしまう可能性を最小限に抑えられます。

[強迫行為にしがみつきたい] 自分を否定せずに、”自然に”強迫行為から離れていけるように、生活の中に違和感なく取り入れられる方法。
これがこの治療の本質です。

心理療法の中でも 行動療法という、科学的理論に基づいた方法で
実際に医療機関で実践され、多くの患者さんが回復しています。

画像1.png



私は、優さんの強迫行為が、どのような不安・心配を打ち消すために行っているものであるのか、不安・心配の内容を聞き取りました。
そして、その不安がどのようなメカニズムで大きくなっているのか?
不安を小さくするにはどうしたらいいのか?
どんな姿(ゴール)を目指して治療を進めればよいのかを説明しました。

以下は、優さんにお伝えした内容です。
これを読んでいるあたなも、自分に照らし合わせながら考えてみてください。



この続きは購入すると読めるようになります。
残り:2,885文字 / 画像16枚
自分でできる!強迫性障害への行動療法 記事
学び
5,000円 1人が購入しています
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す