現代社会読本⑥~少子高齢化、多様化、ユニバーサル化、情報化、グローバル化など、急激に変化する現代社会について、基本的な理解と知見を持つことは重要です。

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6、グローバル社会(Global Society)

(1)グローバリゼーション(globalization)
 グローバリゼーションとは人間の諸活動が時間的空間的制約を超えて全地球規模になりつつある現象・感覚を指します。特に「冷戦」(the Cold War)終結後、市場経済が世界的に拡大して「生産の国際化」
(internationalization of production)が進み、資金・人・資源・技術などの「生産要素」(factor of production)が国境を超えて移動するようになり、各国経済の開放体制と世界経済の統合化が大きく進むこととなりました。しかし、グローバリゼーションが「人類の統一」という「コスモポリタニズム」(cosmopolitanism 世界市民主義)の夢を実現するとは必ずしも限らないということが、次第に明らかになりつつあります。大量のヒト・カネ・モノ・情報の流通が新たな摩擦や緊張、経済格差を引き起こしてきたからです。
 こうしたグローバリゼーションに対して、地域単位での統合や協力を進める政策を「地域主義」(regionalism)と言い、EU(ヨーロッパ連合)、NAFTA(北米自由貿易協定)、APEC(アジア太平洋経済協力会議)などがそれに当たりますが、経済分野での動きが顕著です。また、「グローバル」と「ローカル」を合わせた「グローカル」という言葉も生み出されました。
オリエンタリズム:パレスチナの文芸評論家サイードが名づけた、西洋中心主義的で浅薄な東洋観のこと。
ステレオタイプ:固定観念に囚われたイメージや態度。偏見や差別を生み出す原因となりますので、異文化と接する際にステレオタイプに当てはめて相手を判断しないように心がける必要があります。
カルチャー・ショック:自分が慣れ親しんだ文化とは異なった文化に出会った時に、心に生じる違和感や衝撃。
エスノセントリズム(自民族中心主義・自文化中心主義):自民族や自国の文化を優位とし、他の民族や文化を価値の低いものと見なす態度のこと。
文化相対主義:自民族や自文化の価値観を絶対視せず、他の民族や文化にも積極的な価値を認め、互いに尊重し合おうとする考え方。
多文化主義(マルチ・カルチュラリズム):様々な人種,民族,階層がそれぞれの独自性を保ちながら,他者のそれも積極的に容認し共存していこうという考え方、立場。「人種のるつぼ」的な同化主義に対抗する考え方。

(2)マルチラテラリズム(multilateralism 多国間協調主義)
 マルチラテラリズムとは一定のルールに基づいて、3カ国以上の関係を調整する枠組みを言います。多様な連合形成と多数派形成能力が意思決定の重要な要素となるため、中小国にも外交力を発揮する場が与えられます。「国家間の平等」を基本原理として持っており、大国が機構全体を支配することへの抑制が働きます。EUやNATO(北大西洋条約機構)などもコンセンサス方式を取っており、マルチラテラリズム的な機構となっています。これに対して、通常の外交や通商関係の一般的な形態は「バイラテラリズム」(bilateralism 二国間主義)であり、安全保障では「同盟」(alliance)の形となります。さらに同盟や国際機関の力を借りず、独力で政策目標を達成しようとする政策志向を「ユニラテラリズム」(unilateralism 単独行動主義)と言います。例えば、アメリカ合衆国のブッシュ政権は国際的な枠組みよりも「国益優先」を掲げ、京都議定書からの離脱、国際刑事裁判所条約の反対など、ユニラテラリズム的傾向を示してきましたが、特にイラク戦争において欧州諸国の支持するマルチラレラリズムと鋭く対立することとなりました。

(3)文明の衝突(the Clash of Civilization)
 「文明の衝突」とは、アメリカの政治学者ハンチントンが1993年に「フォーリン・アフェアーズ」誌に寄稿した論文をきっかけに一般化した言葉です。論文では、冷戦の終焉でイデオロギー対立が意味を失った後の国際政治では文化的相違、特に宗教を根底に持つ諸文明間の対立が重要となる可能性が指摘され、世界的に論争を引き起こしました。ハンチントンは主要文明を西洋(欧米)、中華(儒教)、日本、イスラームなど8つに分類し、文明間の融合や接近の可能性を否定しており、文明同士がぶつかる断層上で多くの民族紛争が起きるのであり、文明圏の割拠による共存が平和への道であると説いています。とりわけ西洋文明に対して、イスラームと中華文明の挑戦が冷戦後の国際政治の基本的対立軸であると指摘していますが、これに反発したイランのハタミ大統領は国連総会で「文明の対話」を呼びかけました。

(4)NGO(Non Governmental Organization 民間開発協力団体)
 NGOとは非政府団体、非政府機関、民間援助団体、民間自発団体(PVO)とも言い、市民の海外協力団体を指します。元々は国連の場で経済社会理事会と協力関係を持つ国際民間団体のことでしたが、地球的な問題が重要になるにつれ、軍縮、人権、開発など様々な分野で各国NGOが国連諸機関や政府と協調したり、あるいは独自に活動を展開するようになりました。最近では市民社会組織(civil society organization)とも言われます。世界的なNGOの代表的なものとしては、アメリカのケアー(戦後の復興支援機関としてスタート)、スペインのフォスタープラン(スペイン内戦で被害を受けた子供の支援を機に設立)、フランスの国境なき医師団(医療関係者が集まって設立、ノーベル平和賞受賞)などがあります。欧米のNGOの特色は規模と財政基盤の大きさにあり、1団体で数千〜数万人の専属スタッフを抱え、数千億〜数兆円規模の予算を動かすものもあり、国連機関や政府と対等なパートナーシップを結んでいます。

(5)NPO(Non Profit Organization 民間非営利団体)
 NPOは、福祉、環境、教育など社会貢献活動を目的とする民間非営利組織です。行政のように職員を抱えて公共的活動に従事しますが、行政とは一線を画し、民間企業とは異なって事業収益は追求せず、運営は多数のボランティアが資金や人手を提供することでまかなわれます。その特徴は、「組織性」「民間性」「利益の不配分」「自律性」「自発性」の5つにあるとされます。
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