【コミュニケーション・スキル⑩】一撃必殺のコトバ術

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学び
①ハッとさせる一言で相手の心をつかむ練習をしよう
 ある日のことです。ある男性が同僚の女性とその友達を車に乗せて駅まで運んであげました。男性が運転しながら自己紹介をすると、同僚の女性の友達さんは「キクチと言います。今日は本当にありがとうございます」とお礼を言いました。男性は「へー、キクチさんは水ですか、土ですか」と言うと、キクチさんは「土です」、男性は「ああ、そうですか。実はボクの身内もそうなんですよ~。奇遇ですねー」と答え、初対面なのに妙に盛り上がっています。ところが、同僚の女性さんはチンプンカンプン、一体何の会話がなされているのかサッパリ分かりませんでした。皆さんには分かりますか?
 「水」とか「土」っていうから、西洋占星術のエレメントかなとか、気学の一白水星とか二黒土星とか、ああいう占いかな?とか思うかもしれませんが、それは考えすぎです。男性はキクチさんに「菊地」ですか、それとも「菊池」ですかと聞いたのです。キクチさんは今までに何度も「地」なのか「池」なのかという質問に出会ってきていますから、男性の話を聞いた瞬間、意味が分かったので、「菊地の方です」と答えたのです。すると、男性は自分の身内もそうだと言うわけですから、「同じ一族じゃん!」みたいな親しみが出たわけですね。
 「土」だの「水」だの言っているだけですから、別にこれ自体、何ということのない会話ですが、このキクチさんは初対面であるにもかかわらず、この男性に対して好印象を持つでしょう。「この人は何か違うな」と一目置くわけです。この男性は特別、「自分はこういう仕事をしていて、こういう人間で・・・」とか一切言っていないのにです。実は「人の心をつかむ人」というのは決して「話し上手」な人ではなく、「ハッとさせる一言を放つ人」なのです。
 ちなみに人の心を「つかむ」上で欠かせない「言葉」ともなり得るのが「名前」です。「名前」はその人を端的に表わすものであり、一番簡単な「アイデンティティ」と言ってもよく、「自分の名前を覚えてもらった」ということは、「相手の心・意識・記憶の中に自分が入った」「自分を受け入れてもらった」ことを意味するので、実に大きな意味を持つのです。
 例えば、教育実習にいった先生の卵達は、受け持ったクラスの名前を覚えるのに躍起になりますが、大体「顔」と「名前」が一致するのに2週間ぐらいかかるのが普通です。昔はこれで実習期間が終わっていました。しかし、賢明な人は「最初が肝心」だと分かっていますから、前日までに写真と名簿を使って全ての生徒の名前をフルネームで覚えるのです。そして、第一日目の出席簿を読み上げる時に、1人1人フルネームで呼んで顔と名前を必死で一致させます。そして、一巡した後に、もう一度1人1人の顔を見ながら、ゆっくりフルネームを呼んでいくのです。すると、クラス全員を呼び終えた時、生徒はびっくりして「今、名前を呼んでいるうちに全部覚えたのか!」とその教育実習生に一目置くようになるのです。「この先生は何か違う」と。少なくともこの人が実習期間中にナメられるなどといったことは一切起きなくなるでしょう。
 あるいは大学の合同サークル合宿などで、初めてのメンバーが30人も40人も集まる場合の進行役の人が使う方法で、「自己紹介ゲーム」といったものもあります。これは一番最初に行うもので、皆に輪になって座ってもらい、1人1人名前をフルネームで言った上で自己紹介をしてもらうのですが、2人目の人は「織田信長さんの隣の豊臣秀吉です」といった風に紹介をするのがポイントです。3人目の人は「織田君の隣の豊臣君の隣の徳川家康です」という風に続きます(いずれも本名でやるんですよ、ここでは例で出しているだけです)。こうして10人くらいになると、皆、覚えきれなくなって、指で何度も手になぞったり、いろいろな努力をしてきますが、ここで進行さんが「ハイ、徳川家康君だよー!みんな、覚えたー?」とか「織田君の隣の、豊臣君の隣の、徳川君の隣のォ…」とか大きな声でサポートしてあげます。そして、30人なら30人、40人なら40人(これくらいが限度でしょう)、全員が一巡してやっと最後まで終わったら、最後の1人である進行さんが、「では自分の番ですね」と言って、「織田信長君の隣の、豊臣秀吉君の隣の、徳川家康君の隣の、・・・・○○です!」と全員の名前をフルネームで呼び上げて、最後に自己紹介をするのです。この瞬間、全員が「この自己紹介の間に全員の名前をフルネームで覚えたのか!」とビックリします。もう、この合宿期間中、進行さんの言うことを聞かない人は1人もいないでしょう。「この人は何か違う」と最初に思うからです。何のことはない、進行さんのやったことは前の日に名簿を手に入れて、必死に覚えただけなんですね。「名前を覚えただけ」で、何の特殊な技術も使っていません。簡単なことですが、まとめ役をする人にとってはありがたい、そして効果絶大の方法なのです。
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