【コミュニケーション・スキル⑨】相手のプラス反応に敏感になろう
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③自分の全てを出してはいけない
ここで注意しないといけないことは、「自分の全てを出してはいけない」ということです。「あれ、何でも腹蔵なく話せるっていうのがむしろいいんじゃないの?」と思うところですが、「自分の持っているもの」を全て出してしまうと、文字通り「カラッポ」になってしまうのです。大体、何から何まで全部しゃべってしまうのは、「自分の全てを分かってほしい」という思いがあるからで、そうではなくて、「自分の全てを分かってもらう必要はない」と割り切ることです。これは「諦める」悟りの一種と考えましょう。
例えば10枚のカード(内容)を持っているとして、一度に10枚全部を出してしまえば、自分の底を最初からさらけ出してしまうのと一緒ですが、1枚ずつ要所要所、節目節目で切っていけば、「あれ、こんなことも出来るの?」「えっ、こんなことまで知ってんの!」となり、「一体、何枚カードを持っているわけ?まだあるの、もっと続くの?」と自然に思ってしまうのです。
大体、「自分はすごいんだぞ!」とか思っているような人の話を聞きたいと思います?聞きたくないですよね。「勝手に一人でやってれば」と思うのが自然です。ところが、普通の人だと思って何気なく聞いただけなのに、「え、ウソ、何この人?この知識、何?」というような答が返ってくると、思わず「じゃ、これは?これはどうなの?」と思わず聞いてしまいます。「期待」がいい意味で裏切られる時、そして、その差が激しければ激しいほど、人の心は惹き付けられてしまうのです。逆に期待度がすごく高いと、実際にその期待を大きく上回るものが感じられないと、落胆が大きくなってしまいます。
いわゆるスーパー・モデルや売れっ子歌手が映画やドラマに出た時、「声がそんなにかわいくない」とか「演技がヘタ」とかボロくそに言われやすいのはこのためです。実際に実力やレベルがひどいのではなく、期待が元々高すぎるために失望感が生まれてしまうのです。「低い期待」に対して、「それをはるかに上回る結果」を出して「意外感」を与えるのが人間関係のコツでもあります。
ところで、中には「間」が耐えられないという人もいます。こういう人は沈黙を恐れるあまり、「何かしゃべらなきゃ!」という強迫観念にかられて、頭に浮かんでくること、知識として持っていることなどをべらべらと1から10までしゃべってしまいます。自分の話していることに意識が行き過ぎて、相手が言っていることに意識が行かないことすらあります。ところが、お笑いの大御所達が強調するのがまさにこの「間」なのです。「間」があるからこそ、相手がイマジネーションを働かせる時間が取れ、期待感が高まってくるので、それをわざとズラしたりして、笑いに変えることができるわけです。
何から何までしゃべりすぎると、相手の想像の余地が無くなってしまい、さらには相手の話している最中にも割り込んで、「話の腰を折る」といったこともしばしば起こってきます。ここは一般的にはよく、「一拍待て」「0.8倍速で」と言われるところです。