功利主義:快楽を求める存在である人間にとって、快楽は幸福、苦痛は不幸であり、より多くの快楽をもたらす行為がよい行為だと考え、社会的な利益を最大にすることを重視しました。
アダム=スミス:経済学者、古典派経済学の祖、『道徳感情論』『諸国民の富』。先天的に備わる道徳感情によって、善悪を知ることができると考えました。そして、人間には利己心と同時に共感の感情があり、共感が利己的行為を是正する原理となるとし、利己心と社会全体の幸福を調和させました。また、国家の干渉を批判し、個人が自らの利益を追求することが社会全体の繁栄につながると主張しました。
共感(シンパシー):道徳の原理となるのは共感であり、自己利益を追求する行為は、公平な第三者の視点から共感が得られる範囲内で是認されるとしました。
見えざる手:市場原理。『諸国民の富』で、個人の利益追求が「見えざる手」に導かれて、社会全体の繁栄をもたらすとされました。
自由放任(レッセ=フェール):国家は経済活動への干渉を避けるべきだという考え。
ベンサム:イギリスの功利主義者、快楽の量を重視する量的功利主義。「最大多数の最大幸福」を道徳の原理としました。功利主義の立場から、社会契約説はフィクションにすぎないと批判しました。
最大多数の最大幸福:社会は個人を全て合わせたものという社会観から、より多くの人々が利益を追求すれば社会全体も豊かになると考えました。
快楽計算:幸福の計算において、各人を等しく一人として数えなければならず、特権などによるいかなる加算も加えられてはならないという考えは、普通選挙を求める「一人一票」の原則につながりました。
J・S・ミル:『正義論』、快楽に質的な差異を認める質的功利主義。感覚的な快楽(低級な快楽)より精神的な快楽(高級な快楽)を求めるべきとしました。
精神的快楽:幸福は量的なものに単純に還元することができず、むしろ精神的快楽の質の方が重要な要素であるとしました。また、幸福は社会貢献など幸福以外の何かを目的として打ち込む時に、副産物として与えられるものであると考えました。
「満足した豚であるよりも不満足な人間の方がよく、満足した愚か者であるよりは不満足なソクラテスである方がよい。」
自由論:各自の個性を伸ばすことが社会の進歩にもつながるとし、そのためには個人の自由を最大限に尊重することが必要と考えました。
危害原則(他者被害の原則):他人に害を与えない限り、自由を制限してはならないという考え。
正義論:ミルはトクヴィルの『アメリカのデモクラシー』の影響を受け、で画一的な世論が反対意見を封殺する「多数派の専制」について論じました。
プラグマティズム:真理の判定基準は認識と実在との一致に求められるのではなく、生きる上での課題の解決へと行動を導く点にある、とする思考法。概念や思想の真理性をそれが導く行動(ギリシア語で「プラグマ」)やそのもたらす結果によって検証しようとする立場。
ジェームズ:アメリカのプラグマティズムの哲学者・心理学者。真理の有用性・相対性に注目し、プラグマティズムを普及させました。真理、善、美などは、それが人間の生活において有用であるか否かによって決まり、具体的な状況における実践の結果に左右されるので、普遍的でも絶対的でもないとしました。
真理の有用性:「真理であるから有用」「有用であるから真理」と表されます。
デューイ:プラグマティズムの大成者。人間の知性は環境に適応するための道具であり、この創造的知性によって人間性を改善し、理想的な民主主義社会を作り上げねばならないとしました。そして、知性によって個人と社会が調和し、多様な価値が認められる民主主義社会が実現することを理想として、教育が既成の価値観の単なる伝達となることを批判し、問題解決学習の重要性を説きました。
道具主義:道具を用いて環境を改善していく人間にとって、自らの知性もまた個別の問題を解決して、社会を進歩させるための道具であるとする考え方。
創造的知性(実験的知性):問題解決能力。知性は社会の様々な対立や摩擦を解決する力になるとされました。