教養としての近代思想⑨:功利主義とプラグマティズム
功利主義:快楽を求める存在である人間にとって、快楽は幸福、苦痛は不幸であり、より多くの快楽をもたらす行為がよい行為だと考え、社会的な利益を最大にすることを重視しました。
アダム=スミス:経済学者、古典派経済学の祖、『道徳感情論』『諸国民の富』。先天的に備わる道徳感情によって、善悪を知ることができると考えました。そして、人間には利己心と同時に共感の感情があり、共感が利己的行為を是正する原理となるとし、利己心と社会全体の幸福を調和させました。また、国家の干渉を批判し、個人が自らの利益を追求することが社会全体の繁栄につながると主張しました。
共感(シンパシー):道徳の原理となるのは共感であり、自己利益を追求する行為は、公平な第三者の視点から共感が得られる範囲内で是認されるとしました。
見えざる手:市場原理。『諸国民の富』で、個人の利益追求が「見えざる手」に導かれて、社会全体の繁栄をもたらすとされました。
自由放任(レッセ=フェール):国家は経済活動への干渉を避けるべきだという考え。
ベンサム:イギリスの功利主義者、快楽の量を重視する量的功利主義。「最大多数の最大幸福」を道徳の原理としました。功利主義の立場から、社会契約説はフィクションにすぎないと批判しました。
最大多数の最大幸福:社会は個人を全て合わせたものという社会観から、より多くの人々が利益を追求すれば社会全体も豊かになると考えました。
快楽計算:幸福の計算において、各人を等しく一人として数えなければならず、特権などによるいかなる加算も加えられてはならないという考えは、普通選挙を求める「一人一票」の原則につながりました。
J・S
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