教養としての近代思想③:モラリスト

記事
学び
モラリスト:人間の生き方を探求・反省し、人間の能力や本性を謙虚にとらえる立場。宗教改革によりプロテスタントとカトリックの対立は激化し、ヨーロッパ各地で悲惨な宗教戦争が起こり、隣人愛を説くキリスト教徒同士の戦争を目の当たりにして、人間を深く観察し、生き方を探求・反省したモンテーニュやパスカル、ラ=ロシュフーコーなどのモラリストが登場しました。

モンテーニュ:フランスのモラリスト、『エセー(随想録)』。懐疑主義の立場から人間の生き方を探求し、自己の認識を常に疑う批判精神の重要性と寛容の精神の大切さを説きました。『エセー』は随筆(エッセイ)という文学ジャンルの原型となりましたが、日本ではモンテーニュの500年前に清少納言が『枕草子』を著しており、日本における「三大随筆」の第一に置かれています。ちなみに第二は鴨長明『方丈記』、第三は吉田兼好『徒然草』で、特に吉田兼好は「日本のモンテーニュ」と呼ばれることがあります。

「ク・セ・ジュ(私は何を知るか)」:モンテーニュは、独断を差し控えて謙虚に生きることを説きました。これは古代懐疑学派の祖、ギリシアのピュロンの判断中止による絶対的懐疑ではなく、対立と矛盾に満ちた現実からより確実な認識、判断を導くために判断を留保する積極的懐疑であり、後にデカルトの方法的懐疑として、真理を探究するための1つの方法にまで高められます。

パスカル:フランスのモラリスト、『パンセ(瞑想録)』。人間のあり方や事柄の本質を捉え、近代科学がもたらした不安から救われるためには、幾何学的精神だけでなく、繊細の精神が必要であると考えました。また、偉大さと悲惨さの間を揺れ動く、中間者としての人間の不安定なあり方を直視しつつ、神の愛の下に生きることの大切さを説きました。

幾何学的精神:推理や論証を行う能力。原理を基に推論して論証的認識に向かう精神。理性の眼。

繊細の精神:直観的に物事を把握する能力。人生の複雑な意味を明証的に直観し、原理をとらえる精神。感情を含むしなやかな心。心情の眼。

「この宇宙の沈黙は私を震撼させる。」「人間は考える葦(あし)である。」
(『パンセ』):パスカルは考えることに人間の尊厳を見出しました。

ラ=ロシュフーコー:フランスのモラリスト、『箴言集(しんげんしゅう)』。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら