本当に苦しいことは、最初の言葉には出てこない

本当に苦しいことは、最初の言葉には出てこない

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コラム
長い休みは、心を休ませてくれる時間でもあります。



でも、人によっては、
考えなくてもいいことまで考えてしまう時間になることもあります。



特に営業の仕事をしていて、
思うような結果が出ていないとき。

仕事から離れているはずなのに、

「このままで大丈夫かな」
「なんで私はできないんだろう」
「もっと頑張らなきゃ」

そんなふうに、自分を責める時間になってしまうことがあります。



休み明け、ひとりの部下から

「ちょっとテンションが下がっていて……話を聞いてほしいです」

と相談がありました。



彼女はいろんなことを話してくれました。

仕事のこと。
自分のこと。
これまでのこと。

話はあちこちに飛びます。

私は聞きながら、

この人は今、何を一番伝えたいんだろう。
何かを解決してほしいのかな。
それとも、ただ聞いてほしいのかな。

そんなことを考えていました。

でも、途中で答えを出そうとせず、
とにかく最後まで聞いてみることにしました。

そして、いろんな話をしたあと、
彼女の口から出てきたのが、この言葉でした。


「私、自分のことが嫌いなんです」



「でも、自分を好きになった方がいいっていうことも、なんとなくわかっているんです」

「だけど、どうしたらいいのかわからないんです」

ああ。
ここだったんだな、と思いました。

仕事がうまくいかないことだけが、
彼女を苦しめていたわけではなかったんです。



そのあと、これまでどんなふうに生きてきたのか、
どんなことを感じながら育ってきたのか、
少しずつ聞いていきました。

話を聞いていると、
彼女は何度も自分を責めます。

「私がダメだから」
「私ができないから」
「もっとちゃんとしないと」

きっと本人にとっては、
あまりにも当たり前になっていて、
自分を責めていることにすら気づいていない。

それくらい長い間、
繰り返してきた思考の癖なのだと思います。



でも私は、こういう「癖」を
悪いものだとは思っていません。

もしかすると子どもの頃の彼女には、
そう考えることで自分を守る必要があったのかもしれない。

そのときの自分にとっては、
必要だったものなのかもしれません。

だから、

「こんな考え方をする私はダメ」

と、また自分を責めなくていい。

今まで自分を守ってくれたその癖に、

「今までありがとう」

と伝えて、

今の自分にはもう必要がないのなら、
少しずつ違う考え方に書き換えていけばいい。

そんな話をしながら、
彼女の根っこにありそうな思い癖を言葉にして伝えました。

彼女の目から、
ポロポロと涙がこぼれました。

きっと、それくらい長い間、
その考え方と一緒に生きてきたのだと思います。

一度話したからといって、
長年の思考の癖がすぐに変わるわけではありません。

だから彼女には、

「また定期的に話そう」

と伝えました。



私は、相談されたとき、
すぐに正しい答えを渡すことが大切だとは思っていません。

本人にもまだわからない、
心の奥にある言葉。

話がまとまっていなくてもいい。

何を相談したいのか、自分でもわからなくてもいい。

安心して話しているうちに、
自分の中からポロッと本当の気持ちが出てくることがあります。

「私、自分のことが嫌いなんです」

今日の彼女にとっては、
そこに気づけたことが、
小さくても大切な一歩だったのではないかと思います。



もし今、

「なんだか苦しい。でも何が苦しいのかわからない」
「話したいけど、何から話せばいいかわからない」

そんな状態だったとしても、大丈夫です。

きれいにまとめてから相談しなくていいんです。

あなたのペースで話してください。

私は、答えを急がず、
一緒にその気持ちを整理していきたいと思っています。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





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