昨日の朝、詩人・谷川俊太郎さんが亡くなられたという知らせを目にしました。
彼の名前を知らない人は、日本にはほとんどいないのではないでしょうか。
小学校の国語の教科書『スイミー』の翻訳や詩『生きる』に触れたことがある方も多いはずです。
私自身、『生きる』を初めて読んだのは小学5年生の国語の授業でした。
同じようなリズムで繰り返される表現が印象的で、本読みの時間には「それはヨハン・シュトラウス」のくだりで、つい突っ込みたくなる衝動を抑えきれずにいました。(まだ序盤だったのですが…)
そんな谷川俊太郎さんの多くの作品の中で、私が特に好きなのが絵本『なおみ』です。
学生時代に紀伊國屋書店で出会ったこの作品は、衝撃的でした。
松谷みよ子さんの『わたしのいもうと』と並んで置いてあり、どちらも強烈な印象を残している作品です。
特に『なおみ』は表紙からしてインパクト大。
そして最後のどんでん返しには驚かされました🫢
あまり詳しくは触れませんが、作品全体を通じて描かれる「死と再生」や、“なおみ”という存在の不老不死性。
そして、彼女のサイズ感が持つユーモア。
さらに、“なおみ”という名前が西洋風である点に対しても、「谷崎潤一郎の『痴人の愛』から広まった名前では?」などと考察を巡らせてしまいます。
ビクっとしたい方は、ぜひ一度手に取ってみてください🪆
また、詩の中では『あなたはそこに』が特にお気に入りです。
その中の一節、「ほんとうに出会った者に別れはこない」という言葉が心に刺さります。
たとえ直接顔を合わせたことがなくても、連絡を取らなくなっても、あるいは一生会えないとしても、出会いの本質は形を超えたところにあるのだと教えてくれます。
谷川俊太郎さんの作品は、どれも「メメント・モリ(死を想え)」の感覚を内包しながら、それでいて大仰な主張をせず、ただ「今日は昨日の続きであり、その日を精一杯生き尽くす」ことの大切さを伝えてくれます。
何度も読み返したくなる数々の作品を、ありがとうございます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。