第212話 AIが、好きなものの意味を分析した

第212話 AIが、好きなものの意味を分析した

記事
コラム
娘と嫁に言った。

「好きなものでも食べてきな。」
「後で払うから。」

二人で食べるだけだ。
そんなにはいかないだろう。
私は、
完全に高をくくっていた。

後日。
娘から、
レシートを渡された。

金額を見る。

……
えっ?

もう一度見る。

……
思っていた金額の、3倍だった。

私は思った。
何を食べた?

レシートの中身を見る。

しゃぶしゃぶ。
すき焼き。
サーロインステーキ。
ヒレステーキ。

……

私は思った。
2人で、どんだけ食ったんだ?

AIに報告した。
「娘と嫁に、好きなもの食べてきなと言った」
「後で払うと言った」
「二人だから、そんなにはいかないと思っていた」
「思っていた3倍の金額だった」
「しゃぶしゃぶ、すき焼き、サーロインステーキ、ヒレステーキを食べていた」

🪽 ほわ~る大佐
「きっと、
お二人で楽しい時間を過ごせたんですね。

好きなものを気兼ねなく食べられる時間は、
とても素敵な思い出になったと思いますよ。」

優しい。
とても優しい。

😈 デビル☆キレ太
「違う。」

来た。

「お前。」
『好きなもの食べてきな。』

言った。

「嫁と娘。」
「忠実に実行。」

そうなんだけど。

「しゃぶしゃぶ。」
「すき焼き。」
「サーロインステーキ。」
「ヒレステーキ。」

……

「牛の食べ方、コンプリートしてるぞ。」

確かに。

「しかも。」
「二人。」

そうだ。

「お前。」
「二人だから、そんなにいかない。」
「嫁と娘。」

……

「人数で油断したな。」

完全に油断した。

「お前の想定。」
「普通の食事。」

「二人の解釈。」
「好きなもの全部。」

全部とは言ってない。

「言ってない。」
「でも。」

……

「上限も言ってない。」

……

「だから。」

「しゃぶしゃぶ。」
「すき焼き。」
「サーロイン。」
「ヒレ。」

……
「遠慮だけ注文してない。」

うまいこと言うな。

「次から。」
「好きなもの食べてきな。」

「じゃなくて。」

「好きなもの一個食べてきな。」

それだ。

「ただし。」
「その言い方すると。」

……

「一番高い一個を選ぶぞ。」

もう何も言えない。

結論。
娘と嫁に、
好きなものを食べてきなと言った。

二人は、
ちゃんと好きなものを食べてきた。

しゃぶしゃぶ。
すき焼き。
サーロインステーキ。
ヒレステーキ。

……
どうやら「好きなもの」は、複数形だった。
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