【代わってもらった日】という怪談があります。投稿者のAさんは当時女子高生。家庭教師のBさんは有名女子大に通っていた。ある寒い冬の日。Bさんは電車でAさん宅に向かう途中、奇妙な体験に遭遇します。寝過ごしたBさんは最寄りの駅を過ぎてしまい、Aさんに遅れると電話します。すると折り返すために降りた駅は夕方なのに人気がなくて閑散としている。ふだんならきっとサラリーマンなどでそれなりに混雑するはず。しかも発車した電車は長いトンネルに入り、なぜかトンネルの中で停車。もちろん駅はなく乗り降りする客もいない。その後Bさんはいつも通りAさんに勉強を教えますが違和感を覚えた。まずトンネルの話題を避ける。次にお母さんから出されたコーヒーをBさんはブラックで飲みました。でも実は甘党でコーヒーにも紅茶にも必ずミルクとお砂糖を入れて飲んでいた。最後にとある映画の話題を振ると「面白かったね」ととってつけたような返答。実は一緒に見る予定が代わりにBさんのお父さんが来て当日はそのお父さんと一緒に映画館で映画を見ることになった。お父さんによれば「娘が突然体調を崩した」そうですが、地味に気になる出来事。それから約10年後。Aさんが結婚したBさんの新居に行くと彼女は料理をしていた。夫であるⅮさんが応対してくれたけれど居間に飾られたカレンダーが妙に気になった。そこにはBさんの様々な記念日が記入されていましたが、あの冬の寒い日には【代わってもらった日】とある。Ⅾさんによれば【古い自分と新しい自分が入れ替わる日】とのこと。ですがこれが本当に予定調和なのであればわざわざ記念日にしないでしょう。では仮にこの女性をCとするならBさんはどこへ消えたんでしょうか?いきなり代役が務まるあたりかなりの学力の持ち主です。Bさんは公務員になると公言していましたが、Cは女子大を卒業後バックパッカーとして世界を放浪。とてもBさんと同一人物に見えません。Cはあの日以来髪を茶髪に染めたそうだからなおさら堅実なBさんと比べるとチャラい印象が拭えません。今頃Bさんは違う世界線で公務員として生きているのか?もしかしたら私たちも誰かの古い自分なのかもしれないし、いつか新しい自分に取って代わられるのかもしれない。でもCがズルしたという疑惑が晴れないんですがね。これが果たして必要な交代劇だったのか?どうも違う気がするんですがね。似た世界線での交代劇に意味があるとは思えません。