風営法の規制を受ける飲食店を始める前に知っておいて欲しいこと
「バー」「スナック」と言えば一般的には「主としてお酒を出すお店」ですが、夜12時を過ぎて営業する場合は営業開始前に警察(公安委員会)に届出をしなければなりません。
「クラブ」「キャバクラ」と言えば一般的には「接待をする店」ですが、夜12時までしか営業できず、営業を開始する前に警察(公安委員会)から営業許可を受けなければなりません。
これら、風営法の規制を受ける営業を始めようとする方には、最初に絶対に理解しておいてほしいことがあります。
これを理解できていないと逮捕される可能性がグンとあがります。
ちなみに私は四半世紀にわたって風営法とお付き合いをしてきた行政書士ですが、かつては公務員としてある分野での取り締まりをしていました。
法令違反のリスクは違反の種類によって様々であること
この世には様々な法令違反がありますが、
「違反はすべて同じ。とにかく全ての法律を守ればいいんだろ。」
と思っている人がいます。けっこうたくさん。
いわゆる「素人さん」はたいていこのタイプです。
しかし、法令違反のリスクは違反の種類によっていろいろです。
努力義務違反⇒法律が「努力せよ」とは言っているが処罰規定がない
行政罰対象違反⇒行政処分の対象にはなるが刑事罰の対象ではない
刑事罰対象違反⇒いわゆる犯罪のこと。前科がつきます。
法令違反には、種類や場面によって、こういった違いがあることをまず理解しましょう。
そして、皆さんがもっとも恐れるべきは刑事罰対象違反ですが、その中でもリスクの軽いものと重いもの、摘発されやすいものとされにくいものがあります。
ここではとりあえずこう考えておいてください。
世間に迷惑をかける犯罪や目立ちやすい犯罪は優先的に取り締まられて当然だ。
ということ。
取り締まられやすい行為とは
スピード違反で白バイに止められたドライバーさんが、
「なんであっちの車は取締りしないんだよ。」
と文句を言う風景。
そりゃあ、
事故が多発している時間帯や場所でサングラスをかけたTシャツとGパン姿の若いお兄さんが真っ赤なスポーツカーでスピード違反するのと、
クルマの往来が少ない時間帯に事故が起きにくい場所で豆腐屋のお姉さんが白い軽トラックでスピード違反をするのとでは、
同じスピード違反でも、取り締まる側から見た印象がぜんぜん違うのも当然ですよね。
しかも、風営法違反を取り締まるのはどんな人たちか。
取り締まるのは警察です
ほとんどの法令には所管官庁という存在があります。
そして、風営法を所管するのは警察です。
警察はあらゆる行政機関のなかで、もっともアクティブに取締りをする機関です。
労基署、税務署、保健所、市役所とは比べ物にならないほどの捜査機能と人員と権限をもっており、捜査対象範囲は陸上のほぼすべてであり、そんな警察にとって風営法はもっとも扱いやすい法律です。
なぜなら、その解釈を自分達でやれる法律だからです。
自分達でつくった法律は扱いやすいのです。
しかも、飲食店は地域の治安と密接に絡んでいて、警察にとっては常に管理しておきたい存在です。
要するに、風営法違反では、警察と言う恐ろしい権力機関が飛び出してくるということ。
これが他の法令違反とは全く異なる注意ポイントです。
逮捕されるリスクを高める7つの行為
飲食店の場合、18歳未満の客や従業員に夜10以降に関わること、接待をすること、酒を提供すること、外国人に関わることで、法令違反リスクが一気に高まります。
特に危険だと私が思う行為を大雑把な表現で以下に列挙します。
◎風俗営業の無許可営業
◎18歳未満の者に接待させること
◎20歳未満の者に酒類を提供すること
◎客引き行為
◎違法に外国人を使用すること
◎隣近所に迷惑をかけること
◎警察にケンカを売ること(立ち入り妨害・弁護士や政治家を使うことなど)
こういった行為は風営法違反でいきなり逮捕される可能性をグイグイと高める危険行為です。
特に、飲食店で接待営業をしていながら社交飲食店の許可を取らないという行為は、自動車の無免許運転くらいな危険な行為です。
ならば、深夜営業と社交飲食店営業(風俗営業)のどちらを選ぶのが正解なのか。
このご質問については別の記事でいずれ書きます。
バー・クラブ・遊技場など風俗営業の経営者なら必須/警察に対応するときの心構えと注意点