ただのパチンコ屋店員がデザイナー歴25年のプロになったお話②

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デザイン・イラスト
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前回からの続きとなります。
業者からアレコレ技術を盗み学び、毎日練習を重ねていくにつれ、数か月経つ頃には納品されたプレートを見ただけで「これはああやって作ったんだな。」と分かるようになってきました。
分かったところで、まだまだ全てを賄えるわけではなく、プレートに限らずポスターやチラシのデザインは起こせても印刷やラミネート加工だけは機械が入手できないのでどうにもなりませんでした。



パチンコ屋なのでそこそこ目立つ大きさのポスターが必要で、A0サイズのポスターをカラー印刷して貰おうを思うと当時は1枚2万円ほどかかります。屋外で雨風に強い用紙を使うならもっとかかります。
それを何枚も注文しないといけないので、「どうにかして自分のところで印刷できないかなぁ」とやきもきする毎日。
オフィス用の複合機も発売されたばかりなのですぐに買える金額でもありません。
大型印刷機(プロッター)の導入も考えましたが100万円以上したので、イチ店長にはそこまで揃える事が出来ません。

ですがそれでもデザイン費の節約は大きかったです。
今でこそスマホで簡単に画像の切り抜きや加工が出来て印刷まで格安でできるようになりましたが、25年前は写真の切り抜きでも高額な費用が掛かりました。
店のイメージキャラクターをあちこちに使用しますし、
新台入替をするとなると台の写真やキャラクターも必要です。
今はメーカーさんが素材を用意してくれたり専門の業者がいるのですが、その頃はメーカーさんから貰った新台のパンフレットをスキャンしてPhotoshopに取り込んでマウスでポチポチと切り抜き素材を作ったり、illustratorに取り込んでトレースしてポスターサイズに拡大しても荒くならない素材も作ったりもしてました。


吉宗.jpg

この吉宗もスキャン⇒マウスでポチポチとトレースして色も影も全部塗りました。
(当時のデータがあまり残っていなくてこれは少し後のものになります。)

PCのスペックも良くもなく(ノートPC!)動作も重かったのでこれより簡単なイラストをひとつトレースするだけで何日もかかったり、保存したと思っていたら全部消えて作業が全部パーなんて事もしばしば。


こんなことを毎日毎日やっているとどんどん腕も上達していき、制作時間も短縮できるようになってきます。
少し心に余裕が出来た私はやはりこれを↓自分で作りたい!という思いが強くなってきました。
g466054300.1.jpg

前回でも触れましたが、これ系のプレートはプラスチックの板に印刷しているですが、両面印刷したものをラミネートで挟んでも見た目はそう変わらないんですよね。
ただ、作りたくても分厚いものをラミネートできる機械がなかったのがネックでした。ある程度厚みがないと頭上から落ちてきて目に当たったりすると大変!下手すりゃ賠償問題に発展してしまいます。

家庭用のラミネート機の100μ(ミクロン)よりちょっと厚めを加工できる機械を探し(それでも200μくらい本当に欲しかったのは350μ)
業者を通さず自分でプレートを作るまでになりました。
チラッと賠償問題~と出ましたが、店長をやっていた分かなりのトラブル対応をやっていまして、例えばぶつかってコーヒーを服にかけてしまって弁償…はまだいい方で、雨の日に入店したお客様が敷いていたマットに躓き、自動ドアにぶつかり額を切ってしまい、治療費と仕事を休んだ分の保証をした事もありますし、ドル箱を渡す際に誤って女性のお客様の鼻を折ってしまい整形手術費用を負担させて頂いた。という経験をしていましたので、制作にも細心の注意を払いました。
落ちてこないように根元を厚くする加工や角を丸くする加工を何百枚と手作業でやったりと細かい作業もやっていたらいつの間にか工作スキルも身についていました。




ただ店長業務の合間を縫ってやっていましたので大変な激務です。労働基準法って何だっけ…という感じです。

朝4時に帰宅して朝7時には出勤という生活をしていたところにこの作業が加わりましたのでいくら20代でエネルギッシュとはいえ身体が悲鳴を上げていました。
経費の削減は実現できたものの、碌に睡眠も食事もとれずガリガリになり、もともと尖っていて鋭い顔がより怖い顔になってしまい繁華街を歩いても手当たり次第に声をかけるキャッチのお兄さんにすら避けてしまう程。

さすがに健康には変えられず退職する事になったのですが、この経験で得た知識と技術と工作スキルがまさかの次の職場での大きな武器になるなんて…!

それはまた次回のお話で。







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