口唇口蓋裂の生活

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コラム
前回は口唇口蓋裂という障害を持って生まれたという話を書きましたが、具体的にその後どのような生活を送っていたのかを思い出してみます。

唇が裂けた状態で生まれてきたので、産後すぐに唇を縫う手術を行いました。もちろん記憶にはないですが、数時間を要する手術だったと後ほど聞きました。裂けている範囲は、歯茎から唇にかけてなので、歯並びもガタガタでした。そのため、すぐに歯の矯正をしました。見た目の傷のことより、この歯の矯正の方が苦労したように思います。月に1度ほど、専門の病院に通院するのですが、器具を入れ替えた直後は矯正なので痛かったですし、歯の上に器具が付いているので、最初の頃はそれが見られるのを気にしましたね。

歯並びは矯正していくときれいになるのですが、きれいになったところで、口唇口蓋裂の影響か受け口(嚙み合わせると下の歯が前に出る状態)になり、最終的には成長が止まるのを待って、受け口を直す手術をして歯の矯正は器具をすることがなくなり、終了しました。(成長中に手術をするとまた成長に伴って形が変わるため)これがちょうど高校卒業後の春休みでした。

したがって、生まれてから20歳近くまで、歯科矯正や整形外科の病院にずっと通っていたように思います。病院が嫌い、苦手という人もいますが、そんな幼少期を過ごしてきたこともあり、自分にとって病院は馴染みのある場所でした。今はお陰様でほとんど行くことはなくなりましたが。

また、病院内は色々な患者さんの姿が見えるので、(点滴を持ったままの患者さん、包帯を巻いた患者さんなど)、子供の時にそういう光景をよく目にしていたことも、今に繋がる原体験なのかもしれません。直接なのかはわかりませんが、今定期的に行っている献血も、小さい頃に輸血をされた経験、輸血を見た経験があるからこそかもしれませんね。

しかし、この期間が大変だったとか、辛かったとか、自分が他の人と違ってなどの気持ちになっていなかったと思います。当たり前のように病院通いを行っていた幼少期を何事もなく過ごせたのも、今考えると不思議な気がします。


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