口唇口蓋裂

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コラム
カバー写真で不快に思った方すみません。これは、口唇口蓋裂といって、赤ちゃんがこのように障害を持ったまま生まれる病気のことを言います。日本では出生児の500人に1人程度が発症すると言われており、生まれた直後すぐに裂けた唇を縫う手術を行います。ですので、大人になるまで鼻の下に手術の痕と、歯茎も裂けているので歯科矯正も行うことになります。

私はこの口唇口蓋裂を発症して生まれました。何度かその時の写真を見たことはありますが、まさにこのカバー写真通りだったと思います。大人になった今では手術痕はきれいになりましたが、やはり20歳くらいまでは見ればわかるくらいだったと思いますし、歯科矯正も20歳すぎまで行っていました。

今考えると、いかにもいじめに遭いそうな見た目をしていたように思いますが、そのような記憶はありません。(小学校低学年時に1度だけ上級生に見た目を言われた記憶があるくらい)本当に普通の人と同じように成長し、過ごしてきたと思います。

ただいつだったか、大人になった時、一度母から生まれた当時の話を聞いたことがありました。このような形で生まれた赤ん坊に対し、正常じゃないことで周りの親戚などから色々なことを言われたと聞きました。もちろん、私はそのことを知る由もありませんが、想像以上に苦労をしてきたんだと、何事もなかったかのように、タイミングを見て打ち明けてくれた母を見て余計に感じました。(私に話すことにも決心があったと思います)本来は障害者4級の資格もある病気ですが、私は本当に他におかしなところがなく、健康に過ごしてこれたので、この障害者の資格を謳うのも憚れるほどです。

「原体験」という、今の自分を形作ることになる幼少期の経験や体験、人との関係が潜在的にあるといいます。私が今、人のために、人の役に立ちたい、人を勇気づけたい、そういった想いが強いのは、この病気を持って生まれたこと、それを感じさせず成長できたこと、そして、周りの非難に耐え私を信頼して見守り続け、育ててくれた母親のことが少なからず関係しているのではと思います。

口唇口蓋裂の話は、これまで本当に親しい人にしか話したことがなかったですが、改めて今色々な人の力になりたいと強く思い、その原体験を思い出す中で、文章として書きたいと思いました。いつからか強く意識するようになった、利他の気持ちもこの病気が関係しているのかなと、少なからず感じています。



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