【シュールな超ショートショート】「誰よりも先に」など

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「誰よりも先に」

我が子が初めて話す言葉は「ママ」か「パパ」か。
負けず嫌いの私たち夫婦にとっては重大な問題だった。
我が子に好かれるため、2人して育休を取得しお世話に没頭。
競い合ってミルクを飲ませオムツを替え
夜泣きにも我先にと対応した。
全ては自分の方を呼ぶようにするため。
そして遂にある日、我が子は言葉を話した。
その気配を敏感に感じ取った私たちは、
ベビーベッドの柵に手を置き、
我が子に顔を近づけて最後の追い込みにかかった。
「ママよ!ママ!マ・マ!」
「パパ!パ・パ!パァパ!」
すると我が子は私たちをまじまじと見ながら、
こう言ったのだ。
「『鶏が先か卵が先か』
この人類永遠の謎はこう言い換えられる。
『親が先か子供が先か』
つまり親が先に産まれたのか、
子供が先に産まれたのかは分からない。
加えて『世界5分前仮説』をご存じかな?
この世界は今から5分前に作られ、
私たちが過去だと信じているものは
5分前にインプットされた記憶に過ぎない。
という仮説だ。
『鶏が先か卵が先か』
『世界5分前仮説』
この2つの合わせると出る答えは?
……検討もつかないようだから答えよう。
私はこう思っているのだ。
『私たちこそが初めの親子かもしれない』
とね。
つまり私たちは、
『鶏が先か卵が先か』
『親が先か子供が先か』
の当事者であり、
『どちらが先に産まれたか分からない』存在なのだ。
そして……。
これは大変喜ばしい考えなのだが、
ふふっ……なんと……
私があなた方よりも、
先に産まれた可能性があるのだ。
ふっふっふっ……。
あなた方よりも『先に』……。
ふっふっふっ……。」
我が子は両端がツンと立った
口髭があるかのような低い声で笑った。
その声を聞きながら私は、
(私たちの血が我が子をこうさせたのだ)
と気づいた。
絶っ対に夫よりも先に!
「勝訴・敗訴を問わず」
ダウンタウンダウンタイム
きっと綺麗になって戻ってくるだろう

「あるまじき」

ヴィランをやっつけたヒーローの輝く白い歯を染める血

「性癖歪ませ」

実家のタバコ屋で店番をしていた僕は
双眼鏡で見ていた。
ワンレンのゴジラが隣町を踏み壊しながら
髪を掻き上げるのを。
それが僕の初恋だ。
今年も春が来た。
白骨化したゴジラの死体に
桜の花びらがヒラヒラ落ちている。

「お客さんどこまで?」

「お客さんどこまで?」
「新宿まで」
「新宿ね。で、お客さんどこまで?」
「え?だから新宿まで」
「いや、新宿は分かったから、お客さんどこまで?」
「だから新宿だって」
「新宿は分かってますよ。お客さんどこまで?」
「……あぁ、そういうことか。2024年まで」
「2024年までね。『2024年の新宿』っと……旅行で?」
「あぁ、俺自身が産まれるところを見に」
「なるほどね……」
「いやぁ、タイムマシンもここまで一般化するとはね」
「まぁね……お客さん、1つ聞いていいですか?」
「どこに行くかかい?」
「違いますよ……お客さん、この時代の人間じゃないでしょ?」
「え?」
「何かの間違いで2024年からこの時代に来て、今から帰ろうとしている。違いますか?」
「……どうするべきだと思う?」
「大人しく時間管理局に出頭するべきでしょう」
「分かったよ」
「じゃあ改めて聞きますよ?」
「あぁ」
「お客さんどこまで?」

読んでいただきありがとうございました。
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