繊細な問題ですが。。。高齢化に伴い、私(勤務医)もお看取りを行う頻度が増えているような気がします。誰にとっても人の死に直面するのはとても辛い出来事だと思います。当直をしていてお看取りの患者さんが多いと、やはり体よりも心が疲れてくるというのが私の正直な気持ちです。私が行うお看取りは、胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしながら救急車で当院に搬送され、蘇生の見込みが無いと判断される場合にERで死亡確認をするものです。大抵の場合は初めての診察(初診)であるため、死亡診断書は書けません。死亡確認書なるものを発行し警察に死亡原因の調査依頼を出す形となります。
ここが大きな問題なのですが、死亡診断書は医師が死亡原因を特定したものですので、そのままご家族などが役所に提出し患者さんの死亡が受理される形になります。しかし、病院に搬送され警察対応となる場合には、警察による死亡原因の調査並びに監察医による検死が行われ、その後監察医により死体検案書が作成されます。検案書の作成費用は地域によっては家族負担となります。それを役所に届け出ることで死亡が受理される流れです。
どこが問題?と思われるかもしれません。まず施設であれ自宅であれ、高齢者で死期が迫っている患者さんの場合往診医が診ている場合が多いです。その医師が赴き死亡確認をして、死亡診断書を作成すればとてつもない費用削減につながります。そうで無い場合、つまり呼吸停止・心停止した患者さんを救急車で搬送する、総合病院で複数の医師、看護師、医療事務などが対応し死亡確認をする。その直後警察が複数名病院に赴き(24時間体制)医師から死亡原因などの調査を行う。検視が行われ場合によっては行政解剖・司法解剖などを行う。その後死体検案書が作成される。後者の場合家族負担も地域によっては10万円程度プラスでかかることもありますが、行政負担(救急搬送費用、警察官、監察医の人件費)や病院の人件費は計り知れません。
「往診医に24時間体制で患者さんをお看取りしに行って欲しい」それは私(勤務医)の希望ではあります。しかし、それは現状では無理だということも知っています。24時間365日体制で往診をするには少なくとも医者が4−6名程度(全くの私見ですが)必要と思います。そんな体制をとっている往診クリニックなど日本には数えるくらいしか無いと思われます。やはり行政がしっかりと往診業務に医師の数が足りるような政策を立てていって欲しいと思います。
長くなってしまったので、この問題の色々な別の視点に関してはまたの機会に書ければと思います。