動物愛護団体等に遺贈する場合の留意点

記事
法律・税務・士業全般
こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。

ペットの飼主には動物好きの方が多いと思います。
今回は、「遺産のすべてをA動物愛護団体へ遺贈する」という遺言書を作成した場合、どのような問題が生じるかについて解説します。


📝 民法上の規定と遺留分
民法第1046条1項では以下のように規定されています:
『遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(中略)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。』

この遺留分侵害額に相当する金銭の支払請求を【遺留分侵害額請求】といいます。


⚖️ 遺留分とは?
・遺留分とは、相続人の最低限の遺産の取り分であり、法律で定められています。
・相続人は、もし遺留分が侵害されている場合、遺留分に相当する金銭を受遺者から取り戻すことができます。
・この制度は、遺された相続人の権利や生活への配慮を目的としています。


🚩 遺言作成時の注意点
・遺留分を無視して第三者に遺贈する内容の遺言は、もめ事の原因になる可能性があります。
・このケースでは、A動物愛護団体が遺留分侵害額請求を受ける可能性があり、最悪の場合は訴訟に巻き込まれるリスクもあります。
・そのため、相続人の遺留分に十分配慮したうえで遺言書を作成することが重要です。


🗣️ 遺留分の行使と放棄
・相続人が遺留分を行使するかどうかは自由です。
・遺言者が事前に相続人へ「遺産のすべてをA動物愛護団体へ遺贈する」旨を伝え、相続人全員が納得している場合は、遺留分侵害額請求がされない可能性が高いといえます。
・その場合は、必ずしも遺留分を考慮しなくても問題ないといえます。


👥 遺留分権利者と割合
①遺留分の権利がある相続人:
・配偶者
・子供(子供が亡くなっている場合は孫)
 ・親
②遺留分の権利がない相続人:
兄弟姉妹
→ 兄弟姉妹のみが相続人の場合は遺留分を考慮する必要なし
③遺留分の割合:
通常は全遺産の2分の1


💰 具体例
・仮に、遺言者の遺産が1000万円の場合:
遺留分は(通常は)500万円
・よって、500万円は相続人に相続させ、残り500万円をA動物愛護団体に遺贈すれば、A動物愛護団体が遺留分侵害額請求を受ける可能性はありません。


🏠 遺産の種類と評価
・遺産が預金や金銭のみであれば、財産額の算定、つまり、遺留分額の算定も容易です。
・遺産に不動産や株式等が含まれている場合は、税理士や公認会計士に相談し、遺産総額を確認することが必要です。


以上、動物が好きだからという理由で動物愛護団体等に全遺産を遺贈すると、トラブルが生じる可能性があることに留意する必要があります。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら