動物取扱業の許可申請ガイド①「動物取扱業」の種類|ペットビジネス・保護施設に必要な手続きと要件

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法律・税務・士業全般
ペットショップ、トリマー、猫カフェ、保護施設——
ペットに関わる事業を始める際に欠かせないのが、「動物取扱業」の許可や届出です。

とはいえ、調べてみると法律用語や必要書類が複雑で、「うちも登録が必要なのかな?」「保健所に行く前に相談できる人がいたら…」と感じる方も多いのではないでしょうか。

このページでは、第一種・第二種動物取扱業の申請を考えている方向けに、登録・届出の種類や要件、申請の流れや注意点を、行政書士の視点からわかりやすく解説します。

執筆・監修は、家庭動物管理士・ペット相続士の資格を持つ行政書士・黒澤侑加が担当しています。
高崎市にある「ねこのて行政書士事務所」では、北海道から九州まで全国で動物取扱業の申請・更新・変更、動物譲渡契約・所有権移転の手続き、保護猫カフェの立ち上げ支援、さらにはNPO法人設立の法務支援など、ペットに関する現場に密着した法的支援を行ってきました。

また、保護猫活動や、猫と暮らす人のための終活支援(ペット信託・ペットノート作成)にも力を入れており、地域に根ざした相談役として日々ご相談をお受けしています。

制度や申請要件は年々厳格化されていますが、きちんと準備すれば必ずクリアできます。
「これから始めたい」「必要なのかどうかをまず知りたい」といった方にも、やさしくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。



この記事はこんな方に向けて書いています


ペットショップ、トリミングサロン、猫カフェなどの開業を検討しており、「動物取扱業」が必要なのかを知りたい方

保護猫・保護犬の活動をしており、譲渡や展示が法律上の「業」にあたるかどうかを確認したい方

保健所から「登録や届出が必要」と言われたが、何をすればいいのか分からない方

飼養頭数が増えてきたことで、「第二種動物取扱業」の対象になるか気になっている方

老犬ホーム・老猫ホーム、終生飼養施設の立ち上げを考えているが、必要な手続きの種類を知りたい方

イベントでの動物展示やふれあい活動を継続的に行っており、対象となる業種を整理したい方

出張でのペットシッター・しつけ訓練などを行っているが、登録の必要性に不安がある方


動物取扱業とは?


「動物取扱業」とは、動物に関わる一定の事業を行う際に必要となる「登録」や「届出」の制度です。
対象となるのは、哺乳類・鳥類・爬虫類のうち、人に馴れやすい種類の動物を扱う事業です。

この制度は、動物の命と人との適切な関係を守るために設けられており、動物愛護管理法に基づいて、事業を始める前に必ず所定の手続きが義務づけられています。

動物を扱う事業には、目的や事業形態によって2つの種類があります。
それぞれの業種によって必要な申請手続きや書類が異なり、所在地によって申請先が異なるなど、運用上の違いにも注意が必要です。

「自分の事業も対象になるのか?」「登録が必要なのはどの段階?」といった疑問にも、この記事でわかりやすくお答えします。

第一種動物取扱業とは?


「第一種動物取扱業」は、営利を目的として継続的に動物を取り扱う事業者を対象とする制度です。
動物愛護管理法により、これに該当する場合は、事業を開始する前に、所管の自治体(保健所や動物愛護センター)で登録を受けることが義務づけられています。

ここで言う「営利を目的として」とは、動物を販売したり、預かったり、見せたりすることによって収入を得る目的があるかどうかを基準に判断されます。たとえ副業や小規模な活動であっても、金銭の授受が継続的に行われていれば対象となります。

また、「動物を扱う」とは単に売買するだけでなく、預かる・貸し出す・訓練する・展示する・譲り受けて飼うといった広い範囲が含まれています。

なお、申請の際は「業の内容(販売、保管、貸出し等)」と「事業所ごと」に登録が必要となり、業種が複数にまたがる場合は種別ごとに登録書類を分けて提出する必要があります。

第一種動物取扱業の業種と具体例

● 販売
動物を販売・繁殖・輸出入する業種
例:ペットショップ、ブリーダー、動物輸入業者

● 保管
動物を預かる業種
例:ペットホテル、トリミングサロン、ペットシッター

● 貸出し
動物をレンタルする業種
例:撮影用動物のレンタル、移動ふれあい動物園

● 訓練
動物を預かって訓練する業種
例:ドッグトレーナー、しつけ教室、出張訓練

● 展示
動物を見せる業種
例:猫カフェ、動物ふれあい施設、アニマルセラピー事業

● 競りあっせん
動物を競りの形式で売買する場を設ける業種
例:動物オークション

● 譲受飼養
動物を有償で引き取り飼育する業種
例:老犬ホーム、老猫ホームなどの終生飼養施設


【第一種動物取扱業】よくあるご質問

Q1. 自宅で猫を繁殖させて譲渡しています。「登録」は必要?
→ はい、必要な場合があります。
繁殖した猫を有償で譲渡する行為は、「販売業」とみなされる可能性があります。
「譲渡費用」や「医療費の実費」としていても、金銭のやり取りが継続的に発生している場合は、営利性が認められ、第一種動物取扱業としての登録が求められるケースがほとんどです。

Q2. フリマアプリやSNSで犬や猫を販売しています。個人でも対象ですか?
→ はい、個人でも登録が必要です。
たとえ法人でなくても、継続的に動物の販売・仲介を行っていれば「販売業」に該当します。
また、SNSやフリマアプリなどの投稿が証拠として扱われる可能性もあるため、特に注意が必要です。

Q3. 知人のペットをお金をもらって預かっています。これは「保管業」ですか?
→ はい、登録が必要です。
報酬を得て動物を預かる行為は「保管業」とされ、第一種動物取扱業の対象です。
副業としての対応や、知人・友人間であっても、継続性や有償性があれば原則登録が求められます。

Q4. イベントで動物を展示して、入場料や撮影料を取っています。これも登録が必要?
→ はい、「展示業」に該当します。
収益を伴う動物の展示は「営利目的」とされ、「展示業」として第一種動物取扱業の登録が必要です。
一時的なイベントであっても、継続性や収益性があれば対象となります。

第二種動物取扱業とは?


「第二種動物取扱業」は、営利を目的とせずに、一定の規模で動物の飼養・保管・譲渡・展示などを行う場合に、自治体への「届出」が義務づけられている制度です。

この制度は、近年増加している保護団体・ボランティア活動などに対応するため、動物の適正管理と社会的責任を明確にする目的で設けられました。
第一種のような「登録」ではなく、比較的簡易な「届出」手続きですが、届出内容の審査や定期的な報告義務、立入検査等の対象にはなります。

届出が必要となる目安

以下に該当する場合、「第二種動物取扱業」の届出が必要です。

該当する飼養施設の条件
人の居住空間と明確に区分された施設であること
(例:別棟、屋外の専用小屋、仕切られた室内スペースなど)

飼養している動物の規模が次の基準を超える場合
大型動物(馬・豚など):3頭以上

中型動物(犬・猫など):10頭以上

小型動物(ウサギ・フェレットなど):50頭以上

※該当する動物の種類や頭数、飼養形態によっては、届出ではなく第一種の登録が必要になることもあります。事前確認をおすすめします。

【第二種動物取扱業】よくあるご質問(Q&A)

Q. 保護猫の譲渡会を定期開催していますが、届出が必要ですか?
A. はい。
営利目的でなくても、頭数基準を超えて継続的に譲渡活動や展示を行っている場合は、第二種動物取扱業の届出が必要です。
特に不特定多数の来場者がある場合や、複数頭を扱う場合は注意が必要です。

Q. シェルターで保護動物を複数頭飼養しています。非営利でも届出が必要?
A. はい。
一定規模以上の保護・飼養を継続して行っている場合は、営利性にかかわらず第二種の対象となります。

Q. 譲渡時に「医療費実費」としてお金をもらっています。営利じゃないつもりですが…
A. 要注意です。
名目が「実費」であっても、実費以上の金銭の授受が継続していると判断される場合は、第一種動物取扱業の登録が必要になる可能性があります。

Q. 地域イベントなどで動物とふれあうブースを出しています。届出が必要ですか?
A. はい。
営利目的でなくても、展示・接触を伴う活動を継続的に行っている場合は、第二種の届出対象となることがあります。


登録・届出をしないとどうなる?


動物取扱業の登録(第一種)や届出(第二種)を行わずに事業や活動を始めた場合、
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)に基づき、以下のような行政処分や罰則の対象になる可能性があります。

想定される処分・罰則


業務停止命令・改善命令
最大1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法第45条)
無登録状態での活動をSNS等で発信していた場合、それが証拠として扱われることもあります

「グレーな状態」で続けることのリスク


「営利ではないから大丈夫だと思っていた」「自宅で細々とやっているだけ」といった理由で届出を行わずに活動を続けているケースは少なくありません。
しかし、自治体の立入調査や通報によって後から無届・無登録が発覚するケースも多く、改善命令を受けると活動継続自体が困難になります。

迷ったら早めの確認を


「うちは登録・届出が必要なのかよく分からない」という場合でも、グレーなまま運営を続けることは大きなリスクです。
該当の可能性がある場合は、事前に行政または専門家へ確認することを強くおすすめします。
当事務所では、活動実態をヒアリングしたうえで、登録・届出が必要かどうかの判断もサポート可能です。お気軽にご相談ください。

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