「10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか」
文藝春秋
2015年12月初版
今10代の人にも、これから10代になる子と関わる人にも、かつて10代だった人にも、全ての年代におすすめです。
10代の問題行動の「なぜ?」が、脳の研究で証明されはじめたことが凄い。精神論だけでなく、医学的(物理的)にそうだという事実は、大勢の人を救うと思います。
あの苦しみも、
あのできなさも、
あなたがダメだからじゃない。
脳が特殊な状態だからだ!
例えば
・脳は30代まで完成しない。前頭葉(状況やリスクの判断)への接続が一番最後
・脳は子供時代の蓄積を10代で再構成する。可塑性がある
・10代は快楽に弱く、刺激に敏感で、依存症になりやすい。子供より我慢できない
・10代はストレスに弱く、大人よりもっと不安を大きくさせる
・10代の脳へのダメージは長引く。物理的にも精神的にも
・脳震盪は外傷。スポーツ等で繰り返せば発達に影響する
・10代は人生で最も仲間を欲する時期。ラットの研究では、オスの方が社会的孤立の影響が大きい
・10代で体内時計がずれる。朝起きられず夜眠れない。子供や大人に合わせた生活だと毎日2時間寝たりない。早起きが毒。アメリカでは始業時間を遅らせることで成績が良くなった
・学習能力が高い。しかし失敗から学べない。言われたことを覚えられない。マルチタスクはできない
・20代の方が判断力もつき学習スキルが向上する。アメリカでは大学進学まで2年間のギャップイヤーを設け、20歳から入学するのも普通
などなど・・・
著者はアメリカの脳科学者であり母親でもあります。
日本の若者より過激な青春の描写もあるけど、程度の差はあれ、心当たりのある日本人も多いのでは。
脳科学の本なので、前頭葉とか海馬とか偏桃体とか、用語や解説が沢山あってボリュームは多いんですが、筆者や関わった人たちの体験談もふんだんに出てきて、一般の人に読みやすく工夫されていると思います。
10代が特殊な脳だからといって、犯した罪を無かったことにはなりませんが、指導や理解の一助になると思います。
悩んでいる人に、本当におすすめです!