GA4でアクセス数やコンバージョン率を確認する方法をお伝えしてきました。
でも、数字だけ見ていても「なぜそうなっているか」まではわかりません。
「コンバージョン率が低い」ことはわかった。じゃあ、なぜ低いのか?お客さんはどこで迷って、どこで諦めて帰ってしまったのか?
その「なぜ」を教えてくれるのが、Microsoft Clarity(クラリティ)です。
Clarityとは
Clarityは、Microsoftが提供している無料のユーザー行動分析ツールです。
何ができるかを一言で言うと、お客さんがサイト上でどう動いたかを「見える化」してくれるツールです。
主な機能は2つあります。
1. ヒートマップ
ページのどこがクリックされたか、どこまでスクロールされたかを、色の濃淡で表示してくれます。
赤い部分はよくクリック・閲覧されている場所。青い部分はほとんど見られていない場所。
これを見るだけで、「お客さんはこのページのここまでしか見ていない」「このボタンは全然クリックされていない」ということが一目でわかります。
2. セッション録画(レコーディング)
実際のお客さんがサイト上でマウスをどう動かし、どこをクリックし、どのページに移動したかを、動画で再生できます。
個人情報は含まれません。匿名で記録された「操作の動画」です。
これを見ると、お客さんの行動が手に取るようにわかります。
「このお客さんは商品ページを5秒で閉じた」「このお客さんは送料の部分で10秒間止まった」「このお客さんはカートに入れたのに、支払いページで戻った」
GA4との違い
GA4とClarityは、役割がまったく違います。
GA4は「数字」です。
何人来たか。何%が買ったか。どのページが人気か。全体の傾向を数字で把握するツールです。
Clarityは「映像」です。
一人ひとりのお客さんが、実際にどう動いたか。具体的な行動を視覚で確認するツールです。
わかりやすく言い換えると、こうです。
GA4は、お店の「売上レポート」。
Clarityは、お店の「監視カメラ映像」。
どちらも大切ですが、改善のヒントを見つけるなら、Clarityの方が圧倒的にわかりやすいです。
あるクライアントさんが、GA4で「商品ページの離脱率が高い」ことに気づきました。でも、何が原因かわからない。
Clarityのセッション録画を一緒に見てみたら、すぐに原因がわかりました。
商品ページを開いた人の多くが、最初の画像を見た後、すぐに下にスクロールして「送料」と「配送日数」を探していたんです。でも、その情報がページの一番下にしかなかった。探しても見つからず、諦めて離脱していた。
送料と配送日数の情報を商品画像のすぐ下に移動しただけで、離脱率が大幅に改善しました。
GA4で「問題がある」ことを見つけて、Clarityで「なぜそうなっているか」を突き止める。
この組み合わせが非常に強力なんです。
なぜ無料なのか
「こんなに便利なツールがなぜ無料なんですか?」とよく聞かれます。
理由はシンプルです。MicrosoftはClarityを通じてWeb全体のユーザー行動データを収集し、自社のAIや検索エンジン(Bing)の改善に活用しています。
Googleが無料でGA4を提供している理由と同じ構造です。
データの利用はもちろん匿名化されていて、個別のサイトの情報が外部に漏れることはありません。
利用上限もありません。GA4は大規模サイトだと有料版が必要になることがありますが、Clarityはサイト規模に関係なく完全無料です。
Clarityに向いているサイト
Clarityはどんなサイトでも使えますが、特にECサイトとの相性が抜群です。
なぜなら、ECサイトでは「ページ上のどこで離脱したか」「購入ボタンはクリックされているか」「商品情報のどこまで読まれているか」が売上に直結するからです。
月商の大小は関係ありません。アクセスが月100人のサイトでも、セッション録画を5件見るだけで改善のヒントが見つかります。
次回予告
次回は、ClarityをECサイトに実際に導入する方法を解説します。GA4よりも設定はシンプルです。5分で完了します。