コンサルティングファームでは、一般的に「パートナー」がもっとも高い上位役職として位置付けられています。
クライアントの問題解決を行うことがコンサルタントとしても求められています。これは、会社全体として取り組むことですが、基本的にマネージャーが現場責任者とされ、パートナーはプロジェクト全体の責任者になります。
しかし、パートナーの仕事はプロジェクト責任者というだけではありません。
特に、コンサルタント未経験の方だとパートナーの仕事内容がなかなか見えにくいと思います。
なぜファームの役員のことをパートナーと呼ぶのか?そもそもパートナーとは何か?
今回はパートナーの仕事内容、役割責任について解説したいと思います。
パートナーとは
「パートナー」はコンサルタントとしてのキャリアパスの最終地点と位置付けられています。
事業会社でいう執行役員とほぼ同義と考えられて良いと思います。
そもそも「パートナー」という呼び方は、パートナーシップという会社の組織形態から来ています。
つまり、パートナーはコンサルタントであると同時に、ファームの共同経営者を担っています。
パートナーシップの組織形態は、コンサルティングファーム以外に、法律事務所や会計事務所といったプロフェッショナルな職業の人がよく作る会社形態です。
特徴としては、パートナーと呼ばれる責任者が2人以上で共同で事業を行い、その利益を分け合います。株式会社と違って株主は存在しません。パートナーが株主のような位置付けになっています。
ファームの経営に共同で参加して、共同で経営責任を取ります。また、ファームが儲かれば利益をパートナーの中で分配できる仕組みになっています。
逆に、会社に損失が出た場合はパートナーが責任を取るという構図です。
コンサルティングファームでは、パートナーに昇進することは、パートナーシップ組織の経営に参加して、利益の分配を受ける権利を得るとともに、損失に対する責任も負うことになります。
パートナーの果たす役割と責任
みなさんご存知の通り、コンサルタントはクライアントに価値を提供していくことを仕事としています。
一方で、「パートナー」は会社の経営に責任を持ちますので、個別のプロジェクトはもちろんのこと、会社全体の運営や、外に向けて発信して会社のブランディングや企業価値をあげていくことが求められます。
主な仕事内容を以下に解説します。
方針立案と実行
パートナーが所属する部門で、どのような戦略を打ち出してどのように案件受注を目指すのか。
また進捗管理を行い、部門の目標達成を推進していくことが求められます。
無形資産のコンサルティングサービスで、クライアントに価値を提供し、決して安くない報酬をクライアントから支払ってもらうため、常に世の中のトレンドを踏まえて、ファームでのソリューション開発を進めていかなければなりません。
安定的・継続的に案件を受注するためのファームの特徴を創り出し、方針立案のディレクション、営業活動により仕事を受注することが、パートナーに課せられたミッションとなります。
オペレーション・マネジメント
パートナーが所属する部門を強くするため、組織マネジメントを行うことも仕事になります。
人材が資産となるコンサルティングファームにおいて、「人材採用」、「人材育成」、「モチベーションの維持・向上」、など優秀な人材を確保・教育していくことが非常に重要となります。
受注したプロジェクトのテーマやタイプに応じて、個々人の適正やキャリアプランに合わせたアサインメントも工夫しています。
偏ったケイパビリティにならないこと、個々人のキャラクターを生かした成長など、丁寧で配慮した仕事の振り方も必要になります。
仕事の全体最適と、人材のトレーニングを考慮した配置バランスを考えていくことから、安定的なチーム力の底上げにつながり、求められます。
リスク・マネジメント
昨今の潮流・トレンドとともに、ファームにおいてもコンプライアンス遵守は厳格化されています。
会社経営を担うパートナーにとって、コンプライアンスやコーポレートガバナンス遵守は当たり前に求められます。
働き方改革やハラスメント問題を中心とする、職場環境を整えコンサルタントの働きやすい環境を整えて、生きがいややりがいを持てる風土醸成も必要となります。
一昔前まで、コンサルティングファームは過重労働の印象がありましたが、今はかなりインフラの整備や仕組みが整ってきているため、大きくイメージが変わっていると思われます。
提供するサービス内容の性質上、忙しい時もやむを得ませんが、メリハリのついた忙しさになっている印象です。
また、別のリスクマネジメントの観点からは、個別のプロジェクトの品質担保も重要な役割となります。
コンサルタントのアウトプットに対して、ファームの水準に合わせた責任を持つこと、クライアントの期待値に応えること、何かトラブルやクレームがあった際は、全てパートナーの責任になるため、プロジェクトの品質チェックも怠ることはできません。
さいごに
上述の通り、パートナーの仕事内容、役割・責任は非常に多岐にわたり、かなり負担のかかる内容になります。
パートナーとして、コンサルタントとしての能力はもちろんのこと、スキル以上にクライアントからの信頼を獲得されるような人間的な魅力を持ち合わせることも求められます。
部門を牽引するリーダーシップも求められ、部門をどのように成長させていくのか、世界観を創造しながら具体化させることも重要です。
優秀なコンサルタントであってもパートナーに昇進できないということも多くあります。
適性の向き不向きもあるかと思いますが、パートナーに昇進できれば十分な報酬と、ファームを代表としたダイナミックな仕事を作れることは魅力的な仕事だと思います。