コンサルタントに求められるマインドセット

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ビジネス・マーケティング
最近コンサルティングファームに入社する若手コンサルタントは、業務時間外とか隙間時間に本を読んだり研修を受けたり、自己啓発に積極的で大変関心してしまいます。

これらもちろん重要ですが、学習の方向性がハードスキルの磨き込みに向かいがちで、マインド面に対しては疎かになっているように感じています。




コンサルタントとしてキャリアをスタートされるのであれば、プロフェッショナルファームの一員として、間違いなく「マインド」を鍛えることが第一歩となり、非常に重要です。

これまでに染み付いてきた在り方や考え方を、仕事に合わせて変えていくことは簡単ではありませんが、常に意識すべき視点を有しているだけでも、行動に大きな変化を生み出せると考えます。




そこで今回は、僕が過去に培ってきた経験からコンサルタントの「心構え」を体系的に言語化してみました。

個人的な経験から、スキルを磨くより、マインドを鍛えた方が仕事にハリが出て、仕事のパフォーマンスが格段に上がると考えています。




ジュニアスタッフは入社してから「バリューの出し方がわからない」という状況に誰もが陥ると思いますが、マインドが整っていれば今何をやるべきか、「軸」をしっかりと形成できますので余計なストレスは無くなると考えます。

しっかりと意識しながら仕事に取り組むことができれば、誰でもコンサルタントとしての土台を早期に築くことができると思います。




それでは、解説をはじめたいと思います。







プロフェッショナルマインドが必要な理由


まず、コンサルティングファームで仕事をするのであれば、誰もが「プロフェッショナル」を意識しなければなりません。




コンサルタントになってのらりくらりとそこそこ仕事やっていればいいや、って考えだったらコンサルタントに向いていないですし、おそらくプロジェクトにアサインされなくなります。クライアントからもクレームや厳しい指摘がくることもあると思います。場合によっては、プロジェクト途中でリリースになることもあります。

ちょっとしんどそうだなって少しでも感じるのであれば、厳しいですが早めに事業会社に移った方が理想のワークライフバランスが手に入れられると思います。




成長に貪欲で、将来何か実現したい目標があり、自力をつけるコンサルタントとして成長していきたいと強く希望する方は、プロフェッショナルマインドを絶対に意識してください。

未経験者でも新卒入社でも関係なく、クライアントからはプロフェッショナルとして見られています。

プロジェクトでは、クライアントから常に高い専門性を期待され、答えが見つからないことに対して答えを見つけ出す、高度な問題解決力を求められます。




コンサルティングファームには価値提供の武器として存在する有形資産などの拠りどころは何もありません。

あるものは人材という資産だけです。自分の能力を磨き続けて付加価値を創造する必要があります。




お医者さんや弁護士の先生は、高い専門性や技術を持ち合わせて、国家資格というお墨付きをもらっています。(一定の品質を国が担保してくれています)

コンサルタントも同様にクライアントから高い専門性や技術を期待されますが、資格という武器は存在しません。あるのは自分のスキルだけです。




個々人の知識・能力を底上げしながら信頼を獲得していくビジネスモデルですので、どのようにキャリアを形成して成長を加速させていくべきか、個人で判断して行動に移していくことは必須です。(プロフェッショナルの流儀です)







ハードスキルを強化するために、勉強に走ってしまう気持ちもよくわかります。目に見えてスキル向上が把握できるので、重要だということは否定しませんが、もっとも意識すべきは「相手に価値を提供できているか」です。

大量にインプットできても相手にバリュー提供できなければ意味がありません。ハードスキルはツールとしては機能しますが、単独でのバリューは限定されます。




あくまでクライアントと仕事をして、クライアントにバリューを出すことがコンサルタントとしてのパーパス(存在意義)なので、伝達するインターフェイスとしてのコンサルタントという立ち位置をしっかりと理解した上で、学習を積み重ねていく必要があります。




そこで重要になってくるのが「マインド」という整理です。







マインド強化で心掛けるべき「3つ」の視点


「マインドが重要です」と言っても具体的に何を・どうすればいいのか、イメージが湧きづらいと思いますので、僕の経験から、以下に重要なポイントを整理してみました。

この3つを心掛けると、自然とコンサルタントとしてアクティブな行動に移せると思います、また成長が加速できると考えますので、是非意識的に活動してみてください。




パッシブ(受動的)からアクティブ(自主的)へ

経験がないから控えめになる必要は全くありません。

現場の生の声に触れているのは確実に現場スタッフの皆さんですし、情報量を圧倒的に持っています。




仕事は、受け身で指示を待つのではなく、主体的に考えて行動・発信することが必要です。情報量が多いので何をすべきなのか、色々と想像が膨らむと思います。




間違ったり失敗したりしたらどうしよう、と不安はあるかと思いますが、間違えることは大した問題ではありません。

どちらかというと、なぜそう考えたのか、「考えのプロセス」が重要になります。

間違った考え方になっていないのか、積極的に上司や周囲と議論しながら考えをブラッシュアップすることが必要です。




多少、筋違いの話でも上司からすると新たなインプットがあるので非常に助かります。思考が深まるのでマイナスに働くことはまずありません。ディスカッションを通して新たな発見・論点の精度を上げたいと思っているはずですので積極的に発信しましょう。







一点、気をつけなければならないのは、思考が中途半端な状態での行動は避けた方がいいです。

内部・外部の両方に対してですが、常にプロフェッショナルとしての意見や考えを持った上で行動しなければ、稚拙な行動(何も考えてない)に見られてしまいます。考えを煮詰めて、自分の意見を整理した上で、行動に移すというイメージです。




プロフェッショナルとしてのコスト意識

クライアントからはパートナーなのか、マネージャーなのか、スタッフなのか、新卒なのかは一切関係ありません。

新卒だからしょうがない、ということはまずありません。全員が会社代表として最高の品質を提供していく姿勢が重要となります。




テレビのエンタメ番組で、雛壇のお笑い芸人がニコニコ笑ってるだけで、たいして発言しなかったら、「何でテレビに出てるんだろう」ってなりますよね。あれと同じ感覚です。

プロフェッショナルであれば与えられた時間の中でバリューを出すことを常に意識する必要があります。




逆に、ミーティングで何も発言できないのであれば、事務所で別のことをやってもらっていた方が遥かにバリューにつながります。発言しない時間は、なんの価値も生み出してません。




クライアントが欲しいものはバリューであり、高いコンサルティングフィーを支払って無形価値に投資していますので、圧倒的なバリューを提供しなければ満足することはありません。そのためのコスト意識と行動を考えましょう。




個々人が強くなくてはならないコンサルティングファームならではの文化なのかもしれませんが、この感覚を早く持てるかでその後の成長は大きく異なると思います。




ハッタリと学習の繰り返し

プロフェッショナルは、限界を悟られてしまっては存在意義がありません。

クライアントから、意見やコメントを求められた時に、スムーズに的確に答えられることはコンサルタントのバリューの出し方として非常に重要です。

とはいえ、いきなり話題を振られても経験がない中で、とっさに意味のある発言をすることは難しいと思います。僕も無理です。




そこで、意識してもらいたいことが、毎回ミーティングの前にシミュレーションをすることです。これをやっていない人が非常に多いです。

僕のオススメは、現状課題と解決策を必ず3つ手元に持っておくことです。人によってはセルフKPIとして位置付け強制的に3つ書き出すことを実践しています。

事前に自分の意見を持っておくことは誰にでもできますし、自信を持って伝えきることが必要となります。




実際には、上手くいかないことも多いですが、あやふやにして限界を悟られてはダメです。

多少強引でも乗り切って、ハッタリをかましながら会議が終わることもありますが、持ち帰ってあとで必死に調べて確実に自分のものにする、この繰り返しです。




常に失敗して、学習し続けて、足りない知識を補っていくことで、経験値が積み上がり、コンサルタントとして強くなっていくというサイクルを高速で回せるかが鍵になってきます。




さいごに

今回は、コンサルタントに求められるマインドセットというテーマで解説してきました。




僕の経験上、頭では理解できてもなかなか、行動に移せないという人が大半だと思います。

ただ、少し勇気を出して挑戦するだけで大きく変わると思います。行動できていない大半の同僚を差し置いて、自分だけアクションに移せたならば、それだけでアドバンテージになります。

時間は平等に有限ですので、ひとつひとつのタスクや時間を有効に活用できるかは自分次第です。




ぜひ積極的にチャレンジして、失敗して経験値を積み上げていきましょう。それでは。
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