腹膜透析

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先日、ステーション内での勉強会を行いました。

内容は『腹膜透析について』


(株)バクスターの担当者から講義とデモをしていただきました。



訪問看護歴20年以上の私ですが、いままで腹膜透析をしている利用者をケアすることがありませんでした。

ですがここ最近、腹膜透析をしている利用者の訪問看護の依頼が増えてきました。

国として在宅思考を推進していることがその理由のようです。


腹膜透析の歴史から、腹膜透析の原理、実際の方法、トラブル回避の方法など、でもを含めて1時間程度学びました。


結構昔から腹膜透析ってあったのですが、なかなか普及しなかったのは、


「在宅で医療行為を、家族が行う」ことの抵抗があり、意識改革ができなかったことが大きいと思われます。


しかし在宅移行が叫ばれている今、どんどん手技も簡単になり、機械の発達も進んできたので、

十分に本人や家族でも実施できるようになったとのことでした。




腹膜透析は夜間の就寝中に実施し、朝起きたときに終了できるので

日中の行動が制限されず、お仕事や趣味活動も行えます。


血液透析は週2~3回、4時間程度の拘束時間があり、

午前中もしくは午後半日は必ず透析の時間として拘束されます。


働き盛りの人の透析導入が増えている中、週3回も半日休みをもらうことは難しく、

日中の行動が制限されない腹膜透析を選択する方が、増えているそうです。

時間の拘束もさることながら、腹膜透析はとても簡単に実施できます。



当ステーションの腹膜透析をしている利用者さん、Mさんは、

導入当初はすべて自分で実施されていましたが、

予期せぬトラブルがあって、うつ状態になり、今は介護者の妻がすべて行うようになりました。

夜間の腹膜透析をされていたのですが、寝ている間にトラブルが起きて
睡眠が妨げられるということが頻回に起きたため、日中4回腹膜透析を実施するパターンに変更されました。


日中4回も!?

と最初は私もびっくりしましたが1回にかかる時間は40分程度なので、

ご本人は「夜間のトラブルにおびえて眠れなかったり、トラブルが回避できずに救急に飛び込むよりは、精神的にもずっとラク」といわれています。


Mさん自身はそれでいいのですが、実際に腹膜透析をしている妻には、
自由な時間がなくなってしまうので

訪問看護で1回実施することにしました。


そうすると次の透析の時間まで7時間程度、確保することができるので、
妻にも自由な時間ができ、お買い物や、自分の病院受診などが

心置きなくできるようになりました。


現在は週1回の訪問時間で、1回の腹膜透析を看護師で実施するだけですが、

今後は週2回、3回と増やしていければ妻のレスパイトにも十分なるかと思っています。


訪問看護では利用者本人だけでなく、本人を介護する家族の健康状態にも気を配る必要があります。


そうでないと最終的には、利用者の在宅生活が維持できなくなってしまうからです。


家族の健康状態に気を配り、利用者本人の生活を維持する。


訪問看護の対象者は本人を含む家族単位です。



訪問看護師は、広い視野と、柔軟な思考、幅広い医療や介護の知識に加えて、


生活者としての視点も必要だと思います。


そんな在宅医療・介護のプロですので、

お困りごとがあればぜひ相談してみてくださいね。


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