【FP解説】第3話|担当者に騙されたお金、会社は「全額」返してくれるのか?

記事
コラム
こんばんは。
FP2級・簿記2級を活かしてマネー相談をしている、コウダイです。

前回は、なぜ大手のチェック機能が働かないのかという「組織の裏側」をお話ししました。
今回は、もし不幸にも担当者に現金を渡してしまった後、**「会社(保険会社)は返金に応じてくれるのか?」**という、最も残酷でリアルな問題に切り込みます。

結論から言うと、「すんなり全額返ってくる」とは限りません。

■ 1. 「使用者責任」という法律の壁
法律(民法715条)には「使用者責任」というものがあります。
「従業員が仕事中に他人に損害を与えたら、雇っている会社も責任を負いなさい」というルールです。

これだけ聞くと「じゃあ安心だ!」と思うかもしれません。しかし、問題は**「それが仕事中(業務の範囲内)だったか?」**という点です。

会社の公式な領収書がない

会社のシステムを通していない「個人的な投資話」

振込先が個人口座

このような場合、会社側は**「それは社員が勝手にやったプライベートな犯罪であり、会社の業務ではない」**と主張し、責任を否定してくるケースが多々あります。

■ 2. 「過失相殺」という厳しい現実
たとえ会社側が責任を認めたとしても、次に待っているのが**「過失相殺(かしつそうさい)」**です。

裁判などになると、「騙された側にも不注意があったのではないか?」と問われます。

「なぜ個人名義の口座に振り込んだのか?」

「なぜ公式なパンフレットがないのに信じたのか?」

もし被害者側に「不注意(過失)」があると判断されると、賠償額が2割、3割、時にはそれ以上カットされることがあります。1,000万円騙し取られても、会社から返ってくるのは700万円だけ……ということが現実に起こり得るのです。

■ 3. 返金までの「果てしない時間」
会社がすんなり「すみませんでした」と払ってくれることは稀です。
多くの場合、事実関係の調査に数ヶ月、そこから示談交渉や裁判になれば数年という月日が流れます。

その間、失ったお金は戻ってきません。精神的なストレスも相当なものです。加害者である営業マンに支払い能力がなければ、会社との長い戦いに挑むしかなくなるのです。

■ まとめ:お金を渡す前に「10秒」だけ止まってほしい
「大手だから最後は会社が守ってくれる」という考えは、非常に危険です。
会社は組織を守るために、全力を尽くして「自己責任」を追及してくることもあります。

「個人にお金を渡す=返ってこない覚悟をする」
それくらいの危機感を持ってください。

振込先が会社名か、1文字ずつ確認する。

現金を手渡ししない。

この当たり前の確認が、あなたの人生を、そして家族の未来を守ります。

次回は、保険営業シリーズの最後として、**「信頼できる担当者と、危ない担当者を見分ける決定的な違い」**についてお話しします。

ではまた。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら