大学生から始める狩猟記録 #6 コミュニティ作り(※ここ一番大事)

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 さぁ、狩猟を始める上での最難関、コミニュティ作り。
 具体的にいえば、狩猟を教えてくれる人と猟場の確保だ。
 教えてくれる人は、安心安定して経験を積んでスキルアップするには必要不可欠。猟場に至っては、なければそもそも狩猟が出来ない。

 とは言いつつ、やり方は何となく決めていた。ただ上手くいくかどうかは未知数だが。
 まずこのコミニュティ作りは、結果的にやるべきこと①である狩猟登録と、同時進行でやることになった。
 というのも、手続きにしてもコミニュティ作りにしても、頼る先が同じだからだ。


 私が頼った先は………そう、猟友会だ。


 日本最大の狩猟コミニュティ(と言っていいかは知らないが)で、右も左も分からない初心者ならまず入った方がいいだろう。
 一応記しておくと、猟友会に入らなければ狩猟が出来ないかと言われれば、そんなことはない。
 実際今の私の周りには、猟友会に入らず狩猟をやっている人もいる。会費だってかかるし、自力で出来るならそれに越したことはない。
 ただその場合、手続きや人脈作りを一人でやらなければならなくなる。
 手続きの方法は、免許を取る時に何となく学んでいた。だからやろうと思えば一人でできる。
 問題は後者だ。
 当たり前の話、一人で引っ越してきた新天地で、私に狩猟を教えてくれる個人的な知り合いなんているわけがない。
 かと言って手続き方法と違って、ネットで調べたら出てくるものでもないし。いや、あるにはあるが人によってケースバイケースだ。
 そうなると、やれることは自然と限られてくるわけで。


 そもそも講習の時に言われたことだが、狩猟免許を取った人の中には、狩猟を教えてくれる人がいなくて、免許を取ったのに狩猟をせずに返納する人がいるらしい。
 そんな人達のためにもぜひ猟友会に入りましょう、という話だった。猟友会に入って、そこにいる先輩に教えてもらいましょう、と。
 正直機械的にコミニュティができるなら、私としてもそれが一番だ。あまり人とのコミュニケーションが得意ではないので。
 ついでに必要なものさえ揃えれば、狩猟に必要な手続き、いわゆる狩猟登録も勝手にやってくれるらしい。
 それならば、多少の会費は払ってでも入っておくべきだろう。


 そんなわけで電話でアポを取り、自分が住んでる場所の猟友会本部へ。
 自転車で数十分。到着した私は、迎え入れてくれた職員さんに事情を話した。
 とりあえず猟友会の入会手続きのやり方は誰でも同じなので、機械的に粛々と済ませた。
 そして、次にどこの支部に入るか………と、その前に。


 皆さん、Googleマップとかで自分の住んでいる都道府県の猟友会本部を検索してみて欲しい。
 おそらくあっさりと出てくるだろう。もちろん電話番号も。
 では次、支部の住所や電話番号はどうだろうか?
 どんな支部があるかどうかは検索すれば分かるだろうが、私は自分の住んでいる所の猟友会支部の住所や電話番号が検索出来なかった。
 正直結果として所属するのは支部だし、ネットで調べられたらわざわざ本部とやりとりする手間も省けそうで、その方が楽だ。
 という話を本部の職員さんにしたところ、返ってきた理由は何とも単純なものだった。
『猟友会支部』というものは存在しても、本部と違い建物があるわけではないからだそうだ。
 各支部には支部長がいて、支部の拠点は支部長の住所、電話番号は支部長の携帯番号なんだと。
 そんなガッツリ個人情報をネットに載せるわけにはいかないので、支部の住所や電話番号は調べても出てこないらしい。
 だから支部の情報は、本部の職員さんから直接聞くしかない。


 と、そんなやり取りもありつつ、本題の私の入る支部だ。
 順当に行くなら、自分の住んでいる地域の支部となる。支部長の元に伺うにしても、猟に行くにしても、近くの方が何かと楽ではあるし。
 そんなわけで私は自分の住んでる地域の猟友会支部、その支部長さんの連絡先をもらった。
 しかし連絡先をくれた職員さんの顔は、どこか微妙そうだった。


 その理由は、職員さん曰く、『もしかしたらその支部に入れないかもしれない』からだった。
 何故なら、私の持ってる狩猟免許が罠しかないから難しいのだと言う。

 もちろん猟友会は、狩猟免許を持っていれば誰でも入れる。私だって、この時点で一応は会員なわけだし。
 ではどういうわけなのか。
 まず私が入ろうとしている支部は、銃の免許を持った人達で構成されている。というかそういう支部がほとんどだ。
 つまり猟友会で狩猟する際は、銃を用いるわけで。その時点で罠しか使えない私は、一緒に狩猟ができない。
 これが理由の一つ。そしてもう一つ理由がある。
 銃を使った狩猟をする時に何が必要かというと、猟犬である。
 一緒に狩猟する、つまり私が銃猟をする人達と同じ場所で狩猟するということは、罠がかけられた場所に猟犬を放つことになるということだ。
 そうなると罠に猟犬がかかる可能性があるよね、という話だ。犬からすれば罠があるかどうかなんて分からないし。
 もしそうなったら面倒なので、銃猟がメインの支部は、罠の免許しかない人は入れないらしい。
 もっとも最近は変わっていて、入れる所もあるにはあるみたいだが。


 それを踏まえて私はどうかというと………電話の結果、例に漏れずやんわりと断られた。
 と言うと良くない表現かもしれないが、厳密に言うとそこの支部長さんが別の支部を紹介してくれた。
 私みたいに罠をやる人や、網をやる人が多く在籍する支部だ。
 支部長さんは何十年も前から有害鳥獣駆除をしており、多くの弟子がいるらしい。ここなら私でも一緒に狩猟を教えてくれるだろう、と。
 つまりこの支部に入れば、自動的に教えてくれる人と猟場をゲット。私の思惑通りになる。
 ご住所も私の家から自転車で30分ほど。全然苦にならない距離だ。
 早速連絡すると、こちらはすんなりと受け入れてくれた。
 すぐに狩猟登録に必要なものを全てまとめて、支部長さんの家に向かった。
 何気に大学生になって人の家にお邪魔するのは初めてだ。少し緊張しながら、慣れない道をフラフラと進んでいく。
 四苦八苦しつつも、個人宅の表札を見ながら家を探し出し、インターホンを鳴らす。
 迎え入れてくれたのは70代ほどの老夫婦。支部長さんとその奥さんだ。
 これからお世話になる方々なので、きっちり挨拶はしつつ早速本題に。

 と、その前に奥さんがコーヒーを出してくれた。
 あまり苦い物は得意ではないが、緊張でミルクや砂糖を頼むタイミングを逃し、ブラックをいただいた。今では普通に飲めるようになっている。
 そんなわけで苦いコーヒーで口を湿らせつつ、自分の事情を話す。
 ぜひ罠猟を教えて欲しい頼んだ、その返答は………


「いやぁ、それは無理だなぁ」


 ………はい?
 あっさりと断られて、私は呆然とするしかなかった。
 罠猟をする人が多く所属する支部で、罠猟を教えてもらえない?
 どういうことかというと、『この支部は、罠の免許を持った人がたくさん所属している』という、これは本当だ。
 ただし、支部長さん自体は罠をしていないらしい。だから教えることは出来ない、とのこと。


 さぁ………どうする?
 話が違うし、ここを断られたらもう行く当てもない。そうなれば、ここまでかけたお金が全部無駄になる。
 せっかく機械的に手に入れたコミニュティ、逃してたまるか。


 数秒間考えた結果、ふと気がついた。
 私が欲しいのは狩猟を教えてくれる人と猟場、それだけだ。
 教えてくれる人が支部長さんである必要はないし、支部で使ってる猟場でなければならない理由もない。
 そして相手は猟友会の支部長、当然狩猟に関しては広い繋がりを持っているはずだ。 
 何より支部長が教えられないなら、ここに所属してる他の罠猟師さん達は、支部に頼らず狩猟をしているということ。
 それならその人達を頼ればいいし、支部長さんがパイプとして繋いでくれるくらいわけないはず。
 最初の支部長さんに断られた別の支部を紹介された時と同じ、ここで無理なら他所のコミニュティを紹介してもらえばいいのだ。


 というわけで『それなら代わりのコミニュティ教えてください』と頼んだ。
 まぁ分かりやすく言えば、コミニュティ作りを丸投げしたわけで。
 支部長さん曰く、そんなことしてきた人は初めてらしい。
 すみませんね、こっちもなりふり構ってられないので。
 すぐに紹介してくれってのは難しいので、その日は狩猟登録の手続きに必要な物を渡してお暇した。


 そんなわけで数日後。
 改めて支部長さんの家にお伺いし、ハンターといえばのオレンジ色のベストと帽子、そして狩猟登録をした証の登録証と紀章とかを貰った。
 そして肝心のコミニュティだ。
 今年狩猟登録をした人の中で教えてくれそうな人、というか教えてくれそうな狩猟コミニュティに所属してる人がいるらしい。
 早速連絡先を貰って電話してみる。
 電話に出たのは、中年くらいの女性の声だった。
 こちらの事情を話すと、二つ返事で了承してくれた。早速今週の休日に集まるから、一緒に行こうとのことだ。
 その返事のまぁ軽いこと。もう少しこちらの素性を疑ってもよかったのだが。


 こうして私は狩猟をする上での最難関、コミニュティ作りをクリアし、本当の意味での狩猟生活をスタートさせた。
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