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大学生から始める狩猟記録 #3 いざ、講習へ

 試験応募のすったもんだが解決して、僕の狩猟免許取得までのスケジュールは決まった。  その年の最後の試験に応募したものだから、気がつけば夏休みは終わっており、秋学期に突入。  大学の勉強と並列して、私は試験の勉強を行った。  とはいえ教本は全部で340ページ。私が取るのは罠の免許なので、当然網や銃の項目は必要ないが、それでも結構なボリュームだ。  一人で要点を探し出して勉強することも考えたが、せっかく講習があるのなら、そこできっちり学んでからの方が勉強しやすそう。  というわけで講習の日までは、たまに教本をパラパラ読んだり、問題集を数問解くだけ。  そして講習当日。休みの日にしては早い時間に起きて、会場へと向かった。  入り口で罠のカタログやらハンターさんのインタビューやらを貰い、適当な席に着く。  席に座って貰った資料を流し読みしていると、二列先に一人の男性がやってきた。歳は僕と近そうだ。  もちろんここに来る人は全員初対面だし、話したこともなかったはず。  それなのに僕は彼に見覚えがあった。  誰だろうと考えるが、こんな所に来るんだから狩猟関係で見たに決まってる。すぐに思い出した。  この人、私はNHKのはがきをもって、林務事務所で応募手続きをしていた時に駆け込んできた人だ。  私と全く同じで、学生で住民票を移しておらず、手続きが出来なくて困っていた。  隣で受付の方に私と同じアドバイスをされて、住んでることを証明できるものを持ってきます、と言って帰っていった。  僕ですら期限的にギリギリだったので、果たして間に合うかどうか。そんなことを考えていたのを覚えてる。  無事手続
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大学生から始める狩猟記録 #9 命をお肉に

 人生で初めての止め刺しを経験して、私はホッと一息ついた。 とはいえ、命をいただいたんだなぁ、なんて感慨に耽ってる場合じゃない。 ここから運び出して、今から解体しなければ。 まず師匠の車まで運び、積み込む必要がある。 そう。斜面とはいえ数メートル運ぶだけでひと苦労だった鹿を、50メートル程先にある駐車場、そこにある車まで運ばなければならないのだ。 雪が異常に積もってることもあり、車をこっちまで持ってくることもできない。 この場で内臓も全て出してしまえば多少は軽くなって楽になるのだろうが、先ほどの通りここを下手に汚すわけにもいかない。 まず鹿をブルーシートに包んで、ソリに乗せた。 そこから師匠と共にソリを引っ張って運ぶわけだが、まぁしんどいことしんどいこと。 一面が雪なおかげで滑って運びやすくはあるが、同時に積もっているため足が埋まってしまう。そうなったら歩くだけでも息が切れる。 これでどちらかが体力自慢とかだったら話は違うが、私はそもそも学校の体育すらキツいインドア派。師匠は歳で体が思うように動かず、特に腕はたまに痺れるらしい。 そんな二人で、何十キロとある鹿を雪の中から運べるわけもなく。 畑に用があったのか、たまたま近くを通りかかった男性にも協力してもらい、何とか師匠の車に積み込むことができた。 正直、止め刺しよりも獲物の運搬の方がトラウマになりそうだ。 そしていざ解体場所へ。 と言っても、何か解体するため専用の施設があるわけじゃない。 大木に吊るす用の滑車があって、捌いたものを入れるカゴと並べるためのテーブルがあるだけの、思いっきり野外だ。 とはいえすぐ近くに川があるので、
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大学生から始める狩猟記録 #10 お肉を料理に

 師匠に家の近くまで送ってもらい、肉の入ったゴミ袋を抱えて帰宅した。 散々動き回ったおかげで、お腹が空いて仕方がない。 さぁ、早速獲れたて新鮮な鹿肉を食べよう! と言いたいのだが、どれから手をつけるか。 後脚と前脚は、当たり前のように枝肉状態だ。 もちろん精肉作業はどこかでしなくてはいけないのだが、今から素人がしたのでは、夜ご飯が深夜になる。 つまり下処理が面倒なものは後々やるとして、夕ご飯は簡単に使えるものにしたい。 作る料理にしても、時間が時間なので簡単なもので。他の食材も、今から買いに行くのは面倒だし、冷蔵庫にあるものを使いたい。 けどせっかく初めての鹿肉だ。しっかり味わえるような料理がいい。 どうしたものか。 数分考えた結果、選ばれたのはハツ(心臓)とタン(舌)だ。 身の肉使わないのかよ、と思われるかもしれないが、処理の面倒さが分からないので、一旦明日だ。時間あるし焼肉とかでいいだろう。 とりあえず脳死でご飯を炊き始めて、まずはハツの下処理だ。 とは言ってもちゃんとした処理方法なんて知らないし、持ち前の知識で何とかする。 試しにハツを割ってみると、学校の授業で習ったような心臓の構造になっていた。 まぁ私達と同じ哺乳類だし、当たり前と言えば当たり前か。 ただ血の塊が溜まっていたので、軽く洗う。 それでも若干血の匂いがしたので、もう少し血抜きする。塩水に漬けるとかでいいだろう。 何せ初心者だ。多少の臭さはご愛嬌ということで。 その間にお風呂を済ませると、結構血が抜けていた。こんなものでいいのかな。とりあえず一口大に切っておく。 ただそれでも臭いはしたので、少しでも消すために
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大学生から始める狩猟記録 #7 狩猟開始

 そうして迎えた今週の土曜日。  何とありがたい事に私を迎え入れてくれた人(Aさんとしましょうか)が、迎えに来てくださるとのこと。  猟場がここ付近でないことは聞いていたので、一緒に来てくれるのなら非常に助かる。  そんなわけで休みの早朝にのそのそとベッドを抜け出し、待ち合わせ場所へ向かう。  迎えに来てくださったAさんは、予想通り40代くらいの女性で、去年から狩猟を始めたらしい。  車に乗せていただき一時間ほど。やってきたのは山奥にある小さな田舎町だった。  私の地元もそれなりに田舎だとは思っていたが、ここはそれ以上だ。  家よりも畑の数が多く、人の喧騒で溢れ返った都会とは真逆とも言える場所。  歩いて行ける距離に、コンビニやスーパーなどの物を買える場所はなく、近くにあったバス停を見れば、バスは一日二本。  予想以上に山奥の場所に驚きながらも、私達は車を降りた。  そこは、町の入り口から少し先にある畑の近く。目の前には木造の小屋………と呼んでいいのかも分からない、寂れた建物だ。  床はなくぬかるんだ地面のまま、壁は隙間の多い木の板とプレハブでできており、真ん中には大きな薪ストーブがある。  ここがハンター達の休憩所、『狩猟小屋』と呼ばれていた。  まぁ休むだけなら、こういう場所でいいのかもしれない。そう思いながら中に入ると、既に先客がいた。  70代後半ほどの男性で、彼が私に狩猟を教えてくれる人らしい。まぁ師匠ってわけだ。  この狩猟グループを取りまとめており、何十年も前から、ここで罠をかけて鹿や猪を獲ってるんだと。  さらに銃の免許も持っていて、鴨を獲ったりもしてるらしい。
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大学生から始める狩猟記録 #2 住民票って知ってますか?

 皆さんは、住民票というものを意識したことがあるだろうか。  私が初めて住民票を意識したのは、狩猟免許を取得した時だ。  見切り発車で免許取得の手続きを始めた私は、免許の種類は罠にして行動を始めた。  電話で受講番号を貰い、講習の応募用紙を印刷。受講料と一緒にポストに突っ込んだ。  メールやラインで書類を送れる時代に、年賀状以外を投函するなんて何年振りだっただろうか。  ともあれこれで講習の予約は完了。教本と問題集が届くのを待つだけとなった。  しかし、ここで一つ驚きの事実が出てきた。  講習と試験の予約は全く別の手続きなのだ。  運転免許のように、教習所を卒業したら教習所側がついでに手続きをしたりはしてくれないらしい。  しかもタイミングが悪く、その年に受けられる試験は残り一回となっていて、その試験の応募期限は三日後。過ぎてないだけマシだったが。  とにかく講習を受けてからのんびり手続き、というわけにはいかないのだ。  講習の応募用紙に個人情報も書いたんだし、ついでに試験の手続きも自動でしてくれたらいいのに。  そう思いながら、スマホで試験予約の方法を検索した。  すると総合庁舎で予約ができるとのこと。必要な書類もPDFですぐ取得出来た。  写真は、アルバイトの履歴書に使っていたものを流通。診断書は病院の予約するタイミングが良くて、翌日に手に入った。  区役所の近くに住んでいた私は、図書館に本を借りにいくついでに役所の窓口に立ち寄った。  そこで職員の方に言われた一言で、僕は唖然とした。 「住民票ってこちらにありますか?」  大学進学と共にここに引っ越してきた私は、住民票の移
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大学生から始める狩猟記録 #8 自分の手で命をいただく

 枯葉で埋め尽くされていた地面はどこへやら。 分厚い雪が辺り一面を覆い尽くし、畑はすっかり真っ白に染まってしまった。乱反射した日光のせいで目がクラクラするほどだ。 私の地元は滅多に雪が降らないため、最初にこの景色を見た時はとても興奮したものだ。 見た時は、ね。 実際に歩いてみると、まぁ辛いこと辛いこと。 足が埋まるほどの積雪ともなれば、脚を上げるだけで一苦労だ。何なら硬くなった雪に躓くこともあった。 当然足先は冷えるし、場合によっては足の感覚が無くなることもある。 しかもそれだけの積雪ともなれば、当然側溝は覆われて見えなくなってしまう。 分からず踏んでしまい、脚を挫いた先輩ハンターもいた。 まぁ、それはいいとしよう。慣れればいいだけのことだ。 問題は来る時。 私がバスで来ているわけだが、普通のバスの車輪で雪の上を走ったら滑って事故を起こすに決まってる。 かといって街はそこまで雪が降ってないため、出発の時点で対策をするわけのもいかない。 そこで雪が積もってきた場所辺りで停まり、スリップ防止のチェーンを装着するのだ。 仕方ないが、それが結構時間がかかるし、当然ダイヤ通りの運行は出来なくなる。 師匠達との待ち合わせに遅れることもよくあるので、どうしたものか。 要は何事も程々が良いということだ。 それはさておき。 その日、師匠と共に見回りをしていた私は、とある畑にやってきた。 そこは、町の色んな人達が思い思いに作物を育てる共有スペースらしく、市が管理してるとか。 私達は畑の空いたスペースに檻を、畑から急な坂を降りた水路の通ってる川の近くにくくり罠を設置していた。 檻の方はかかっておらず
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大学生から始める狩猟記録 #5 道具を揃えよう+黒い飲み物

 めでたく狩猟免許を取り、いざ狩猟開始!  と出来ればどれほど楽だっただろうか。  むしろここからが難所。正解のあった試験と違って、ここから先は人によってケースバイケースだからだ。  それでは私の場合はどうかというと、ツテもなければ、 地元の人間でもない、ただの学生。まぁ決して楽な方ではないだろう。  とはいえそれは分かりきってたことだし、安くないお金払って免許を取ったのだ。ここまで来たら、金額倍プッシュしてでも狩猟をしたい。  とりあえず狩猟を始めるに当たって、やらなければならないことは大きく三つ。  ①狩猟を始めるための手続き  ②狩猟のための道具を揃える  ③狩猟をするためのコミニュティを作る  ①はいわゆる狩猟登録と呼ばれるもので、これに関してはやり方を講習の時に聞いていたし、それに沿って粛々とやるだけだ。  ②に関しては、どこで何を買うかを予め決めていた。まず罠猟なので罠は必須。あと止めさしや解体に使うナイフ、山を歩くので長靴、あとノコギリや熊よけの鈴、とりあえずはこれくらいだ。  衣服に関して、ウィンドブレーカーやグローブ、リュック、ウエストポーチは持っていたので、それを利用することにした。  だが残りは買わなくてはならない。  しかしありがたいことに、どこで買うかはすぐに思いついた。  これは全くの偶然だが、当時住んでいた場所の近く(自転車で20分くらい)の場所に銃砲店があった。  もちろん銃は使えないが、銃を使うハンターが買い物する場所とも言えるお店。当然狩猟道具も取り扱っていた。  自転車を飛ばして店に向かい、店長さんに自分の現状を話す。非常に親切な方で、取り
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大学生から始める狩猟記録 #4 免許試験本番

 それから約一ヶ月近く。私は免許取得のための勉強に励んだ。  夏休みも終わった頃で、新しい授業も取りつつでの同時並行。まぁ、夏休み前のテスト期間に被るよりは遥かにマジだが。  行きと帰りに問題集を解いては、間違えたところに印をつけてテキストを読み直す。  これまで学んできた勉強のやり方が、こういうところで役に立った。  人間関係がからきしだった僕にとって、学校とは勉強のやり方を学ぶ所だったと言える。  狩猟鳥獣の判別に関しては、罠猟は獣のみで見た目の違いが大き過ぎるので、数回テキストを見直すだけで覚え切れた。  鳥獣の特性は学校で習ったことが一部入っていたこともあり、これは問題集を何度か解いて、特に苦なく理解できた。  猟具である罠に関する知識は、そもそも覚えるべき量が比較的少ないため、これもまた問題集を解いて覚えられた。  問題は法律や制度だ。  これまでの人生で法律をガッツリ覚えたことなんてないし、軽く覚えるにしても高校二年生辺りでおさらばした倫理や公民くらい。  もちろんテキストに書いてあるものを全部覚える必要は無いし、講習で覚えるべき所は教えてもらった。  それにしてもそれなりの量で、法律に記されている細かい数字なんかは暗記するしかない。  仕方なく、テキストと問題集の往復て何とか覚えた。  そして迎えた試験当日。  何を隠そうガッツリ平日なので、学校は休んだ。  先生には予め伝えており、温かい言葉をもらった。  中には『普段からしっかり講義受けてるし、軽い補講出たら出席にしてあげる』と言ってくれた先生も。  普段から真面目にしてると、こういう時に得をする。  そんなわ
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違いがわかれば PART2

PART1では男女のお別れの原因の背景にはコミュニケーション不足があること、そのコミュニケーション不足の原因は男女の性差によることをお伝えしました。コミュニケーション不足といっても、どうやら量的な不足だけではなく、そもそも質が違っているためにコミュニケーションが嚙み合っていないようなんです。男はチームワークでの狩猟に適した論理と結果を重視タイプの、女はコミュニティーでの子育てに適した感情とプロセス重視タイプのコミュニケーションを持っています。そして両者の間にはコミュニケーションの溝があるのです。この溝はお互いの関係が上手く行っている時には浅くて目立ちませんが、上手く行っていない時には深くなり、その深みにはまったらふたりの関係が危機に陥るという厄介な存在です。皆さんも恋人との喧嘩や夫婦喧嘩のときにこの深い溝を感じたことがあるのでは?「なんでわかってくれないんだろう?!」です。男は狩猟、女は子育てと完全役割分担の大昔とは違い、今は女も男もなく社会で働いています。女性も仕事上で会議や商談といったときには論理と結果重視タイプのコミュニケーションを使いますし、男性も子供の世話をするときなどは感情とプロセス重視タイプのコミュニケーションを使っています。普段の生活では男も女も両方のタイプのコミュニケーションをTPOに応じて自然と上手に使い分けているのです。ところが、予期せぬ大変な事が起きた時やとんでもなく慌てた時など冷静でいられない状況の時には女性は感情とプロセス重視タイプ、男性は論理と結果重視タイプのコミュニケーションの取り方をします。とっさの時にはスイッチが切り替わるような感じです。お互
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大学生から始める狩猟記録 #6 コミュニティ作り(※ここ一番大事)

 さぁ、狩猟を始める上での最難関、コミニュティ作り。  具体的にいえば、狩猟を教えてくれる人と猟場の確保だ。  教えてくれる人は、安心安定して経験を積んでスキルアップするには必要不可欠。猟場に至っては、なければそもそも狩猟が出来ない。  とは言いつつ、やり方は何となく決めていた。ただ上手くいくかどうかは未知数だが。  まずこのコミニュティ作りは、結果的にやるべきこと①である狩猟登録と、同時進行でやることになった。  というのも、手続きにしてもコミニュティ作りにしても、頼る先が同じだからだ。  私が頼った先は………そう、猟友会だ。  日本最大の狩猟コミニュティ(と言っていいかは知らないが)で、右も左も分からない初心者ならまず入った方がいいだろう。  一応記しておくと、猟友会に入らなければ狩猟が出来ないかと言われれば、そんなことはない。  実際今の私の周りには、猟友会に入らず狩猟をやっている人もいる。会費だってかかるし、自力で出来るならそれに越したことはない。  ただその場合、手続きや人脈作りを一人でやらなければならなくなる。  手続きの方法は、免許を取る時に何となく学んでいた。だからやろうと思えば一人でできる。  問題は後者だ。  当たり前の話、一人で引っ越してきた新天地で、私に狩猟を教えてくれる個人的な知り合いなんているわけがない。  かと言って手続き方法と違って、ネットで調べたら出てくるものでもないし。いや、あるにはあるが人によってケースバイケースだ。  そうなると、やれることは自然と限られてくるわけで。  そもそも講習の時に言われたことだが、狩猟免許を取った人の中には、狩猟
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大学生から始める狩猟記録 #1 狩猟を始めよう

狩猟をしてみよう。  そう思った理由は、正直何となくだった。  田舎で育った私の家はそれなりに広い畑があり、家庭菜園として野菜や果樹など、様々な作物が年がら年中育っていた。  春にはイチゴ、芽キャベツ。夏にはトマト、キュウリ、ナス、ピーマン、スモモ。秋にはサツマイモ、カキ。冬には柑橘類(下の写真は夏みかん)、大根、白菜。  ザッと挙げられるだけでこれくらい。試しに作ってみた作物を加えればもっとある。  余談だが、年中果物が無料で手に入る環境にいたせいで、実家を離れた今でも一日一種は果物を食べないと気が済まない。  まぁそれはともかくとして。  そんな風にたくさん作物があれば、それなりに害虫害獣被害は遭ったわけで。  ブドウが実ればハクビシンに食べられ、トウモロコシはことごとくアワノメイガにやられ、ミカンは名も知らぬ鳥に食べられる。  幸い山に近いわけではなかったので、自家消費するだけの作物は確保出来た。  それもあって対策といえばネットを張るくらいで、外部に駆除を頼むことも、自分達で捕獲することもしなかった。  そんなわけで野生動物とは縁があっても、狩猟とは縁がなかった子供時代。  都会から赴任してきた中学の担任が、ある朝アカテガニを見せてくれた。心底ウキウキしていたのを覚えている。  前日の夜中に帰ろうとした時、僅かに開いていた扉から校内に侵入していたのだろう。  咄嗟にカニを捕まえた先生は、理科室にあるプラスチックの桶に水を張り、朝まで入れておいたらしい。  都会暮らしの先生からすれば、アカテガニなんて生で見たことなかったのだろう。  桶ごと教卓に置かれたアカテガニを、まる
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運命変革の具体的方法 8

誑 こう。騙すことである。下賤なのに有徳高貴なふりをしたㇼ、欺いたりする行為。これをやられると被害を受けたほうは目から火が噴き出すほど腹が立つであろうし、その瞬間、(忿や害を持つ人であれば)人によっては衝動的殺意も起こるかもしれない。行き過ぎると詐欺的行為なので言わずもがなである。まだ説明していない随煩悩の「害」が出たついでに、説明すると人を傷つけようという積極的な心である。まあ悪魔的ではあるが、嫉妬だけでは人を傷つけたりはしないが、害が伴うとけがさせてやろうとか、暗殺しようなんてことになっていくのだろう。 あまり我々には無縁なひどい心作用であるが、ケネディ暗殺や、伊藤博文暗殺、サラエボ事件のように歴史的に大きな事件がある。またご近所トラブルなどで隣人殺害などの事件に発展した、飯豊一家殺害事件、池田小学校殺害事件など挙げればきりがない。もちろんこの心作用によって行動して幸せになれることはあるまい。 この猛悪な性格なら悪いこととよく自分ながらも分かるかもしれないが、他の随煩悩に関しては自覚が生まれにくいが、同じく作用の根は深く効果はそれぞれの役割のごとくある。 害の随煩悩は狩猟がきたものかもしれないと個人的には推定している。マタギたちの戒めに、「食べるために獲れ、それ以上殺すな。」という話がある。レジャーハンティングや撃ち殺すのが楽しくてばんばん撃ちまくっている人は変死や早死にすると言われている。獣に対しての害の心でさえ自分の命を縮めるようだ。 実はうちの家訓にも狩猟はするなというものがあった。曽祖父が早朝山に入ったら狐を見つけ、一発撃ったが当たらず逃げられたそうだ、キツネなど食
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