最近、毎朝、父親との関係について書いた文章を音読しています。
声に出して読んでいると、不思議と心が落ち着いてくるのを感じます。
父ちゃんが亡くなって何年も経って、時間的な距離ができたことで、父ちゃんがなぜあのような行動をしていたのかが、少しずつ理解できるようになってきました。
そして、おもしろいことに、今の自分がやっていることの理由も、少しずつ見えてくるようになってきています。
今回は、父ちゃんと僕の「職業」の関係について書いてみたいと思います。
英語との縁を作ってくれた父
僕は今、英語という語学に関わる仕事をしています。
なぜ英語が自分の職業になったのか。あらためて振り返ってみると、そのきっかけは、小学校低学年の頃までさかのぼります。
父が、トーキングカードという教材を買ってくれたことがありました。
カードを機械に差し込むと、短い英語の音声が流れる、そんな仕組みのものです。意味はまったくわかりませんでしたが、そのカードを何度も何度も機械に通して、繰り返し英語の音を聞いていました。
頭の中に残っていた英語の音
面白いのは、高校の頃、僕は英語が決して得意ではなかったということです。
特に英文法はさっぱり理解できませんでした。「英語が好き」「英語が得意」という感覚とは、正直かけ離れていたと思います。
それでも、二十歳の頃、浪人2年目の年に、僕の中で転機が訪れました。
地元沖縄を離れ、新聞奨学金制度を利用して東京に出てきていました。
その頃、中学英語からやり直すつもりで、NHKの基礎英語を聞き始めました。ラジオで毎日欠かさず聞いていました。文法でつまずいていたはずなのに、なぜか英語に戻ってきた自分がいました。今振り返ると、幼い頃に父のトーキングカードで繰り返し聞いていた英語の音が、耳のどこかに残っていて、それが英語という言語への抵抗感を、知らず知らずのうちに減らしていてくれていたのだろうと思います。
それから英語の勉強はずっと続き、英検1級に合格し、通訳ガイドの国家資格も取得しました。そして、ある県警の通訳官としても採用されます。すべての始まりは、あのトーキングカードでした。
英語との縁を最初に作ってくれたのは、間違いなく父でした。
今の自分は、案外、父親の中にある
自分が今やっている仕事や、続けていることの理由が、父親の中に見つかるかもしれません。僕の場合、父自身も「英語を職業にして欲しい」などと意識していなかったと思います。たぶん「英語が上手になれば」と思って買ってくれた一台の機械だったと思います。その一台の機械が、自分の仕事につながっている。そう思うと、すべてには理由があるように思えます。
あなたの「今」にも父親の影響があるかもしれません
もし今のあなたの仕事や、続けている習慣、興味を持っていることについて、あらためて「なぜなんだろう?」と振り返ってみると、案外そのきっかけは、お父さんが作ってくれていたかもしれません。
父親との関係を思い出すままに書き出してみて下さい。
もしかしたら、自分自身の「今」につながるきっかけに気づき、驚かれるかもしれません。