また辞めてしまった。
シフト表を見る。
来週、誰がこの時間を埋めるんだろう。
もう店が回らない…。
終わった…。
自分が穴に入るにも限界がある。
残っているスタッフにも、これ以上負担をかけられない。
求人は出している。
でも、この時給で本当に応募が来るのか。
条件を上げる余裕はあるのか。
そもそも、次の応募はいつ来るのか。
「次に来た人は取らないとやばい。」
状況は最悪だ。
既存スタッフからも問い詰められる。
そんな中、ようやく応募が来た!
面接で話してみると、受け答えが悪いわけではない。
経験もある。
ただ、なんとなく引っかかる。
疲れているから、余計なことを考えてしまうのだろうか?
でも、人が足りないから採ってしまった。
私も実際に、同じような経験があります
人が足りない。
早く採らないと現場が回らない。
そんな状況になると、普段なら少し立ち止まるところでも、
「今は仕方ない」
「入ってから教えればいい」
と考えて、採用を決めてしまうことがあります。
でも、これを何度も繰り返していると、気づくことがあります。
ずっと、人の穴埋めをしている。
採用して、教えて、辞められて。
また求人を出して、面接して、採用して、また教える。
人が足りないから急いで採ったはずなのに、
結局また人が足りなくなっている。
何度もこれを繰り返していると、思うようになるんです。
また同じことで苦しむのであれば、
一番つらいときこそ、本当に合う人なのかを見ないといけない。
人が足りないときほど、
「来てくれた人を採る」ことが目的になりやすい。
でも本当に必要なのは、
今いる穴を一度埋める人ではなく、そのあと一緒に働き続けられる人
なのだと思います。
人を見る目がないから失敗する、とは限らない
採用がうまくいかなかったとき、
「面接で見抜けなかった」
と思うことがあります。
でも実際には、少し違うこともあります。
本当は面接の時点で、
「何となく気になる」
と感じていた。
それでも、
「今は人が足りないから」
という事情の方が大きくなってしまった。
つまり、応募者を見る目がなかったというより、
追い詰められたことで、普段なら大切にしていた採用基準が少しずつ変わってしまった。
そんなこともあると思います。
だからこそ、つらいときほど感覚だけで決めない仕組みが必要になります。
ただ、これを面接のたびに頭の中だけで判断するのも難しいんです。
応募は、来ないときには本当に来ない
そして応募というものは不思議なもので、
来ないときには、本当に全然来ません。
求人を出して、待って、待って、それでも来ない。
ところが、来るときにはなぜか続けて応募が来ることがあります。
昨日一人面接をして、
今日もう一人。
数日後には、また別の人。
こうなると今度は、別の難しさが出てきます。
「昨日の人、感じが良かったな」
「今日の人の方が経験はありそうだな」
「でも最初の人の方が話しやすかった気もする」
面接した順番や、そのときの印象が混ざってくるんです。
私自身、こういう状態で自分の印象だけを頼りに決めると、意外と失敗します。
だから、応募者ごとに違うことを聞いて、その場の印象だけで比べるのではなく、
みんなに共通する質問を使って、同じ基準で見る。
「この人は優秀そうか」ではなく、
「自分たちの働き方に合っているか」
を見る。
短い期間に何人か面接することになっても、
「誰が一番印象に残ったか」
ではなく、
「誰が自分たちの職場に合っているのか」
で比較できるようにしておくことが大切だと思います。
でも、「うちに合う人」って何だろう
ここでもう一つ問題があります。
そもそも、
「うちに合う人」が何なのかを決めていなければ、比べようがありません。
スピードを優先して動く人が合う職場もあります。
一度確認してから慎重に動く人が合う職場もあります。
ある程度自分で判断して進めてほしい職場もあれば、
周囲と相談しながら進めてほしい職場もあります。
どちらが正しいという話ではありません。
職場によって、合う働き方が違う。
だから、面接する人の印象だけではなく、
「自分たちの職場では、どんな判断の仕方をする人が働きやすいのか」
を先に持っておく必要があります。
だから、質問にも一つだけの「正解」を作らない
そこで私が作った採用マッチングシートでは、
ケースごとに複数の選択肢を用意しています。
ただし、この質問には、
わざと「間違い」を作っていません。
どれも正解です。
どの答えを選んでも、仕事の進め方としては成立するようにしています。
だからこそ、
「会社が欲しそうな答えはこれだろう」
と応募者が正解を当てにいきにくい。
そして、どれも正解の答えだからこそ、
その人が何を優先するのか。
どう考えるのか。
どう動くのか。
そうした考え方や性格が、回答の傾向として少しずつ浮かび上がってきます。
もちろん、最初から用意してある質問だけを使う必要はありません。
自社・自店で実際に起きる場面や、これまで経験した出来事に合わせて、質問内容を変更することもできるようにしています。
そうすることで、一般的な採用テストではなく、
自分たちの職場で実際に起きる場面に近い質問
で応募者を見ることができます。
実際に活躍している人と比べる
そして、このシートでもう一つ大切にしているのが、
自社・自店で実際に活躍している人たちにも、同じ質問に答えてもらうことです。
応募者だけを見ても、
その回答が自分たちの職場に合っているのかは分かりません。
でも、
実際に今の職場で働いていて、
仕事がうまく回っている人たちの回答傾向と比べれば、
「この応募者は、自分たちの職場で働いている人たちと考え方が近いのか」
を見る材料になります。
ここで見たいのは、
一般的に優秀な人かどうかではありません。
その人が、
自分たちの職場の働き方と合いそうかどうか。
そこです。
もちろん、数字だけで採用を決めるものではありません。
面接での会話も、経験も、人柄も大切です。
ただ、
人が足りなくて焦っているとき。
短期間に何人もの応募者を面接したとき。
そんなときに、
「何となくこの人が良さそう」
だけで決めないための、もう一つの判断材料として使えるようにしています。
一番つらいときほど、基準を変えない
人が足りないときほど、早く採りたくなります。
それは当然だと思います。
私自身、そうでした。
目の前の仕事を回したい。
残っているスタッフの負担を減らしたい。
自分もこれ以上、穴を埋め続けたくない。
そう思えば、
「少しくらい気になるところがあっても、とりあえず採ろう」
という気持ちになります。
でも、そこで合わない人を採ってしまえば、
また数か月後に、
「また辞めてしまった。」
と同じ状況に戻っているかもしれません。
だからこそ、
一番苦しいときに、一度だけ立ち止まって比べてみる。
「応募してくれた人だから採る」
ではなく、
「この人と、この職場で一緒に働き続けられそうか」
を見る。
その判断を、感覚だけではなく少しでも整理して考えられるようにしたくて、
採用マッチングシート
を作りました。
人が足りないからこそ急ぎたい。
でも、また同じ穴埋めを繰り返さないために。
次の採用を決める前に、一度だけ、
「この人は、うちに合うだろうか?」
を考える材料として使ってもらえたらと思います。
採用マッチングシートはこちら
採用後の「違った」を減らす|自社基準で比べる面接評価Excel
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