ハンニバル・レクター初登場! 『新訳レッド・ドラゴン』(ハヤカワ文庫)

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小説
『羊たちの沈黙』から遡って、シリーズ第1弾の『レッド・ドラゴン』。
ハンニバル・レクター博士が初登場する記念すべき作品です。
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本作の主人公は、クラリス・スターリングではなく、グレアムという男性のFBI捜査官。
想像力と優れた直観を持つという、クラリス・スターリングとはまた違ったアプローチで、連続殺人鬼「歯の妖精」事件を追います。
『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビルと比べ、この「歯の妖精」は、とても魅力的なキャラクターに感じました。
ある身体的なコンプレックスを抱え、さらに背中には、ウィリアム・ブレイクの絵画《大いなる赤き竜と日をまとう女》のタトゥーを背負っているという異形の男です。
そして、グレアムと「歯の妖精」事件の裏で暗躍するのが、ハンニバル・レクターという構図。
(といっても、今回のハンニバル・レクターはだいぶ脇役です)

「歯の妖精」の背中に掘られた《大いなる赤き竜と日をまとう女》の原画がこちら。
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著者は、なぜこの絵を本作の主題に選んだのでしょうか…?
「竜」といっても、東洋的な竜とは大きく異なり、隆々とした筋肉、爬虫類のような巨大な翼、といったデザインが、いかにも欧米でありがちなデザインに感じられます。
あるいは、よくある西洋的なドラゴンのデザインは、本作をベースに派生してきたのでしょうか…?
対して、頭部に相当する部分は、まるでバッカルコーンのようになっています。
そして、よくよく見ると、女性を踏みつけている。
標題は「日をまとう女」となっているけど、彼女が抱いているのは月で……

作家の中野京子さん(「怖い絵」シリーズなどの著者)が日経新聞に寄せた記事によると、この絵は「ヨハネ黙示録」の記述が元になっているらしい。
そして、『レッド・ドラゴン』においては、「美女の怯えを味わう怪物の歓びで満たされ、現代のサイコパスのアイコンへとつながってゆく」とのこと。
なるほど……

中野京子さんの解説で補完するまで、この絵の象徴するところが私にはピンと来ませんでしたが、top画像のイラストでは、もう少し幻想的、絵本的な感じにアレンジして描いてみました。

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