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温泉街に入り、大きな旅館施設が僕たちの前にあらわれる。
「やっぱり有馬温泉ってすごいんですね」
「うん。昔はすごかったよ。僕の若い頃はバブルだったしね」
バブル?!!
「バブル景気というやつですよね?」
「そう」
日本経済が好景気であふれた時のお話。
「1万円でタクシー止めたって本当ですか?」
僕の中での都市伝説の1つ。
「ああ、もちろん!」
伝説は本当だった。
「すごいですね!」
「うん。うちの会社も景気良かったから、忘年会とか。有馬の高級ホテルでやったもんだよ」
彼が指差す方角には、高級ホテルが立ち並んでいる。
「あの頃はそれがずっと続くと思ってたからね・・・」
「そうですよね。バブルがはじけたって言いますもんね」
「うん。今でこそ、あの時代はバブルだったから。みたいな話を聞くんだけど、当時はそれが当たり前だった。だから、誰もその後に景気が悪くなるなんて思わなかったんだよ」
男性は少し遠い目をしている。
やっぱり、その後が大変だったんだろうなぁ・・・。
「ありましたよ!」
温泉街の中央付近、階段を下りた先に、目的の公園を発見する。
「良かった。道、合ってたね」
「そうですね!」
設置されているテントで、スタッフの方に荷物の番号を伝える。
「お疲れ様でした。こちら、参加賞の有馬せんべいとサイダーになります」
ここに来て、まさかのプレゼント。
「ありがとうございます」
「もうしばらくしたら、表彰式が始まりますので、身体を休めてください」
スタッフさんの視線の先には、公園の奥で休んでいる選手達。
よし、あそこで休むか。
「そういえば、順位ってどうやったら分かるんでしょうか」
「ああ、パンフレットのQRコードを読み取ってもらえば、タイムが出ますので。そこで順位も確認できますよ」
「ありがとうございます」
公園の奥に移動し、早速QRコードを読み取ってみる。
参加者の名前とタイムが表示されていく。
さて、気になる順位は・・・。
自分のタイムの横に順位が表示される。
「26位」
うーん、微妙だな。
そうだ!
何名が出場している大会なのか。
これで順位の価値も変わってくる。
見てみよう!
男性の部、80名。
80人中、26位。
うーん。どうなんだろう。
初めてのトレイルランの順位に、僕は戸惑ったのでした。。
追伸
自分の順位を確認して、最初に思ったこと。
レース中、道を間違えて、20分のタイムロス。
あれがなかったら、順位はどうなっていたんだろう。
自分のタイムを20分を短縮させて、表を見ながら順位を予測してみる。
「あ」
それでも順位は20位前後。
やはり上にいけばいくほど、層が厚くなる。
それだけ、トレイルランに真剣に取り組んでいる人が多いという事。
タイムロスは言い訳にもならない。
純粋にすごい人達が集まっている大会。
「やっぱりすごいなぁ」
心から感心する。
今後の参考のために、上位メンバーの共通点をタイムから探してみる。
すると・・・。
ありました。
上位10位以内、入賞選手の共通点。
それは、
午前8時半までにレースを出発していることでした。
レースの受付は8時~10時。
僕が到着したのは午前9時。
上位入賞の選手は、登山に訪れている人が少ない時間に登り始めている。
朝の早い時間は一般の方が少ない分、自分のペースを維持して走れたのかもしれない。
やっぱり、
トレイルレースも仕事も準備が大切。
すべてはスタートで決まる!
今度挑戦する時は、早い時間に参加しよう!
僕はそう心に誓ったのでした。