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有馬方面へ向かう下りの道。
最初に現れるのは、石畳のコース。
走る衝撃を和らげていた土が、石に変わるだけで、足に伝わる衝撃が変わる。
足の調子は・・・大丈夫!
スタミナも十分。
石畳のゾーンを抜け、次に訪れるのはぬかるみゾーン。
土から跳ねる水滴が僕の靴を汚していく。
下りのぬかるみは滑りやすくなるんじゃないか。
そんな心配も、トレイルシューズのおかげで一切問題なし。
本格的な下りのゾーンに入り、走り方を変え、スピードを上げていく。
ここで使う走りは、練習の時に覚えた、歩幅を小さくする走り。
ただスピードを上げるだけでなく、いつでも方向転換できるように、足を頻繁に地面につける作戦。
このまま順調にいけばゴールできそうだ。
安全、確実、慎重に山を下っていく。
ダッダッダッダ!
背後から、規則正しく砂利を踏みつける音が聞こえてくる。
音は徐々に近づいてくる。
振り返るとそこには、
猛スピードで走っている男性の姿が!
慌てて道を譲る。
「こんにちは」
男性は挨拶を返す間もなく、下りを駆け下りていった。
速い!
慌てて追いかける。
が、
彼はまるで羽が生えたかのように、俊敏に地面の上を飛び回る。
その跳躍はとどまることなく、あっという間に彼の背中は見えなくなった。
速過ぎる。。
上りの時みたいに、背中について走り方を真似したかった。
今後の参考にしたかった。
気を取り直し、必死に頭を使って、彼の走りを思い出す。
歩幅を小さくする様子は全くなかった。
むしろ、足を大きく前に出していた。
いや、足を大きく前に、投げ出していた。
そんなイメージ。
自分の走りは、歩幅を小さくすることで足を頻繁に地面につける。
これはブレーキの役割もあり、流れる身体を制御して自由な方向転換を可能にする。その分、スピードは抑えめ。
彼の走りは足を投げ出していた。
あの走り方は練習の時にやったことはある。
でも、
スピードが出過ぎて、怖かった印象しかない。
下りが速い人はその恐怖を乗り越えている。
あのスピードに慣れれば、さらに速く山を下る事ができるかもしれない。
・・・。
やるしかないか。
僕は歩幅の制限をなくし、急いで山を駆け下りたのでした。
追伸
自分の予想を上回る人に出会う。
これは素晴らしいキッカケになります。
下りを安全に走れば、確実にゴールにたどり着ける。
でも、
スピードにこだわるなら。
一生懸命練習してきたのなら、
やっぱり挑戦するべきなんですよね。
レースの最初に立てた目標。
「速く走ってゴールする」
これが下りの途中で、
「安全で確実にゴールする」
に変わっていた。
この事に僕は初めて気付きました。
その時の感情や状況によって、人は考え方を変えてしまう。
でも、
何かをやり遂げようとするのなら、成し遂げるのなら、ブレない志が大切ですよね。
ここからは下り。
ずっとずっと下り。
練習の時に走った時