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休憩所から山頂までの道は、そんなに遠くはない。
ただ、
問題なのはその傾斜である。
これまで登ってきた山道と比べると、さらに傾斜がキツくなっている。
例えるなら、つまづいて転んだら、そのまま下まで転がり続けられるぐらいの角度。
その坂道を上らなくてはならない。
その先に「六甲山最高峰」山頂が現れる。
山頂を目指すかどうかを迷ったせいか、僕が背中を追いかけた男性の姿は見えなくなっている。
追いつくしかない!
急な坂道を一歩ずつ、歩幅を小さくしながら、一生懸命に上っていく。
頂上に到着。
早速、辺りを見回す。
僕が追いかけてきた男性の姿は・・・あった。
でも、
「座ってる!!」
思わず叫びそうになった心の声を、なんとか胸にしまい込む。
彼は山頂に設置されている石の上で、彼は静かに座っていた。
レース中なのになんで。。
「あれ・・・」
男性の後ろ姿ばかり見てきたから、気付かなかった。
彼の胸にも背中にも、ゼッケンが見当たらない。
つまり、
彼は一般の登山の人だった・・・。
そうか。
だから、走ってなかったんだ。
だから、コースをはずれて頂上まで来たんだ。
いくつもの疑問にようやく答えが出た。
とりあえず、
気を取り直して目的を思い出す。
トレイルレースの中盤。
山頂を通過した証拠として、写真を撮ろう!
「六甲山最高峰」
と書かれた石碑に、スマホのカメラを合わせる。
その時に撮影した映像が今回の写真。
たまたま写り込んだ、外国人親子の写真撮影。
お父さんが男の子にカメラを向けて、何枚もシャッターを切っていたため、彼はポーズをとるのがしんどくなっている写真。
息子は嫌がっていたが、お父さんがノリノリなパターン。
その姿に昔の自分を思い出し、僕の心は和んだのでした。。
写真撮影も終わって、すぐさま引き返す。
「山頂まで登る必要はなかったんじゃないか」
そんな疑問を頭に浮かべながら、下り坂を急いで駆け下りる!
とりあえず速くゴールしよう!
答えはそれからだ!
僕は有馬方面の下り坂へ突入したのでした。
追伸
今回の話は思い込みがテーマになりました。
一般の登山の方が、そんなに速く山を登れるわけがないという思い込み。
堂々と前を進んでいる人が、間違った道を行くわけがないという思い込み。
そして、
足が速い人は大会参加者だという思い込み。
身をもって知ることができました。
この学びの代償に、僕が支払ったのは20分のタイムロス。
しかし、得られたものもあります。
山を速く登るための歩きのテクニック。
何かを失うことは、何かを得る機会でもある。
そう考えると、人生に無駄な事なんて存在しないんですよね。