本日も記事をご覧いただきありがとうございます。ひろです。
人について考える。
本日のテーマは、
「相手の立場になって考える」
です。
「まず一つずつ整理していきましょうか」
「はい」
彼女の話の要点を紙に書き出す。
1.自分は新人の女性社員を育成していた。 自分は何人か人を育てた経験もあり、ある程度経つと独り立ちできるのに彼女はできなかった。
2.彼女に自分のお客様の担当をゆずることにした。
3.お客様へ行うプレゼンを前日に確認。悪い部分を指摘して、明日に備えるように伝えた
4.本番で女性社員は緊張でガチガチ。結果、途中で自分がプレゼンテーションに参加して、事なきを得た。
5.喫茶店で「ここまで会社を辞めたいと思ったことはありませんでした」と言われた。自分は感謝されると思っていた。
「こんな感じでしょうか?」
「ここがちょっと・・・」
彼女の言うとおりに修正を加える。
5.追加 : 私は会社の利益を考えて行動して、彼女の手柄にもなった。
「こちらでよろしいですか?」
「はい」
「では、聞いていきますね」
「お願いします」
一つ一つ確認していこう。
「今回の新人女性社員はどんな方ですか?」
「そうですね。当時は頼りないといった印象でした」
「それは新人だからですか?」
「いえ。新人でもできる人はできる雰囲気があります。でも、彼女はその・・・」
「何でも言ってくださいね」
「言われた事をやるっていう感じです」
「言われたことをやる?」
「そうです。指示を受けたらやるという感じですね。なので、自分から動かない感じです」
「そうなんですね」
新人女性の人柄が分かってきた。
「自分のお客様の担当をゆずったというのは?」
「自信をつけさせるため。というのもありますし、私自身、他の業務に追われていて、仕事を引き継ぎたかったというのもあります」
「新人の育成にはいつもそうされるんですか?」
「いえ。普通は3ヶ月ぐらいで独り立ちなんですが。あの子に関しては、3ヶ月経っても営業は厳しそうだったので」
「本来は3ヶ月で離れる形ですかね」
「基本的にはそうです。分からないことがあれば聞いてきてというスタンスで。みんな自分でやっていきます。でも彼女は・・・」
「彼女は?」
「うまくいってない感じでしたね。聞いてくることも、教えたはずの初歩的な事が多くて」
「なるほどです」
「担当をゆずったのは、独り立ちの第一歩という形ですかね。担当を持つと、変わる社員はたくさん見てきたので」
育成もちゃんとされている印象。
「彼女のプレゼンを事前に聞かれていますよね」
「はい」
「どうでしたか?」
「いえ。さっきも言いましたけど」
「少しだけ詳しく聞かせていただいていいですか。彼女に指摘した時の様子を」
「謝ってましたね」
「謝っていた?」
「商品説明でお客様が知りたい部分が弱かったので、ある程度改善する事を伝えました」
「ご自身の前でプレゼンをされた時、彼女は緊張してましたか?」
「そうですね」
「なるほどです」
なんとなく全容が見えてきた。
「彼女はなぜ最後に会社を辞めたいと思ったんでしょうか?」
「それは私が聞きたいんですけど」
「もし、思い当たるとしたら?」
「自分がプレゼンを失敗したからですかね」
「失敗して会社を辞めたいと思った?」
「まぁ、可能性あるとしたら。そうだと思います」
よし、確認してみよう。
「ご自身がもし、その時の女性社員の立場だったとしますね」
「はい」
「プレゼンを失敗して社長に助けてもらいました」
「はい」
「帰りの喫茶店で、今回は契約が決まって良かったね。て言われたらどう思います」
「ありがとうございますって思います」
「それはなぜですか?」
「フォローしてもらって、結果。会社の利益につながったから」
「会社の利益につながったっていうのは、どなたの考えですか?」
「私のです」
「緊張してプレゼンにのぞんだ時、社長とお客様の前でプレゼン失敗した時。新人社員が会社の利益って考えられます?」
「え」
「自分が失敗して余裕がない時に、人の事を考えるというのは。もしかしたら、新人の社員さんにはできないかもしれません」
彼女の表情が強張っていく。
「もし自分が新人社員で、社長とお客様の前でプレゼン失敗した後、喫茶店でどんな言葉をかけて欲しいですか?」
・・・。
「今回のプレゼン残念だったね。ですか?」
「そうなりますね」
「でも、契約はうまくいったんですよ!」
「そうです。社長もお客様もうまくいった。でも、自分がうまくいってない」
「結果はうまくいってるのにですか?」
「彼女の主観で考えると、前日の練習でプレゼンを失敗して、当日も失敗をして。落ち込んでいる時に、契約がうまくいって良かったねって言われた形ですね」
「・・・」
「その時の彼女の気持ちで考えて。契約がうまくいったって言われて嬉しいですか?」
「いいえ」
そう言って、彼女は静かに下を向いたのでした。
追伸
人は自分の視点で世界を見ています。
たとえ世界が完全に平和になったとしても、自分の周りの人々が争いを繰り返していたら、
人は平和だということを感じる事ができないんです。
同じ光景を見て、意見が違うのも当然です。
自分で見た光景だけを信じて、人を枠にはめようとすると人は窮屈になってしまいます。
まずは、自分の思い込みをはずす作業から。
これが大切ですね。