情報を受け取りすぎてしまう脳について―精神疾患と「脳のフィルター」の話―

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コラム

私たちの脳は、本来とても高性能です。
目や耳、皮膚などから常に大量の情報が入ってきていますが、そのすべてを同じ重さで処理しているわけではありません。

街を歩けば、車の音、人の話し声、看板の文字、すれ違う人の表情など、無数の刺激があります。
それでも私たちが混乱せずに生活できているのは、脳が無意識のうちに「今、必要な情報」と「今はいらない情報」を取捨選択してくれているからです。

この仕組みを、よく「脳のフィルター」と表現されます。
健康な状態の脳は、このフィルターが適切に働き、重要度の低い情報を自然と背景に押しやってくれます。

ところが、精神疾患を抱えていたり、強いストレス状態が続いていたりすると、このフィルターの働きが弱くなりやすいと言われています。

すると、どうなるでしょうか。

本来であれば流せるはずの
・他人の何気ない一言
・SNSで偶然目にした否定的な投稿
・過去の失敗や後悔の記憶
・まだ起きてもいない未来への不安

こうした情報が、すべて「重要なもの」として脳に入り込んできます。

結果として、脳の中は常に情報過多の状態になります。
頭が休まらない、考えが止まらない、何を優先すればいいかわからない。
疲れやすさや混乱、不安感、自己否定の強さにつながることも少なくありません。

ここで大切なのは、これは本人の性格や努力の問題ではないということです。
「考えすぎ」「気にしすぎ」「もっと気楽に」と言われても、そもそもフィルター機能が弱まっている状態では、それができないのです。

むしろ、すべての情報を真剣に受け止めてしまうのは、それだけ感受性が高く、周囲に注意を払ってきた証拠でもあります。

だから、精神疾患や繊細さを抱える人が意識したいのは、「もっと頑張って整理しよう」「強くなろう」と自分を追い込むことではありません。

大切なのは、脳に入ってくる情報そのものを減らすことです。

たとえば、
・SNSやニュースを見る時間を意識的に短くする
・人の多い場所から距離を取る
・安心できる人、空間、音、光を選ぶ
・「今は考えなくていいこと」を紙に書き出して脳の外に出す

こうした小さな工夫は、脳の負担を確実に減らしてくれます。

混乱してしまうとき、何もできなくなるとき、「自分はダメだ」と思ってしまうかもしれません。

でもそれは、あなたの脳が怠けているのではなく、これまであまりにも多くの情報を、一生懸命処理し続けてきただけなのだと思います。

休ませること、守ること、減らすこと。
それも立派な回復の一部です。

脳のフィルターが薄くなっていると感じるときほど、
自分に向けるまなざしを、少しだけ優しくしてあげてください。


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