電車の中でのマナー、レジの行列、仕事中の些細なミス……。
本当に些細なことなのに、すぐに怒りが湧いてきてしまう。
そんな自分にさらに嫌気がさして、またイライラしてしまう。なんとも負のスパイラルです。
怒りの感情そのものは自然なものだと言われています。
心理学の分野では「アンガーマネジメント」という考え方があって、「怒りは悪ではない、うまく付き合うものだ」とされています。
その中で有名なテクニックに「6秒ルール」というものがあります。
イラッとしたら、まず6秒数えて落ち着こう、というものです。
脳が怒りをピークに達するまでに少し時間があるから、その間に冷静になるチャンスを作るという理屈ですね。
でも、正直に言うと、この6秒ルールがいつも上手く働くとは限りません。
怒っているときって、「はい6秒! もう冷静!」とはならないことも多い。
そもそも6秒待てないくらいムカッときてしまうのが人間です。
では、どうして人はそんなにも簡単にイライラしてしまうのでしょうか。
私が思うに、「イライラしやすい人」は、周囲に対して過度な期待を抱いている人なのではないかと思います。
「こうあるべき」「こうしてくれるはず」と、無意識にでも他人や状況に対して理想像を描いてしまっている。
その理想と現実にギャップが生じたとき、人は怒りという感情を抱きやすくなるのです。
たとえば、「このくらい言わなくても分かるでしょ?」と思っている人が、その期待を裏切られたとき、「なんで分からないの?」とイライラしてしまう。
これは、相手が悪いというよりも、自分の中にある「理想の相手像」が強すぎるために起こる現象です。
解決策としては、やはり「期待値を下げる」ことが鍵になるのだと思います。
誰に対しても、何に対しても、少しハードルを下げて接してみる。
「こうあるかもしれないけど、そうじゃないかもしれない」と、自分の中で幅を持たせておくことで、現実とのギャップによるストレスが軽減されるのです。
とはいえ、これも簡単なことではありません。
長年かけて培った「理想通りであってほしい」という気持ちは、そうそう簡単には変えられないものです。
だから、やっぱりイライラしてしまうときもあるでしょう。
でも、「あ、自分は今、期待しすぎてたのかも」と気づくだけでも、少しずつ怒りとの付き合い方が変わっていくような気がします。
自分の感情に敏感になること、自分の「理想」に気づくこと、それを緩めること。
少しずつでいいから、そんな意識を持てるようになれたら、日常のイライラももう少しだけ優しくなるかもしれません。