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今日は数年前にブームとなった竹内一郎著「人は見た目が9割」(新潮新書)という本を紹介します。
確かに人は見た目で判断されることがあります。「人は見た目で判断するな」と言われますが、実際多くの場面で「見た目で判断されている」というのが実際のところです。
相手(経営者や役員、サラリーマン)がスーツ姿でなくTシャツで交渉に現れたら、信用がおけない、胡散臭いと感じる人もいます。この頃は、IT企業やスタープアッブ企業の経営者など、スーツ姿でなくラフな格好をし、更にロン毛でヒゲという人もいます。
竹内氏は「見た目で差別してはいけないけど、判断基準に『見た目』を持つことや、自己演出の際に『見た目』を考えることも大切である」と言います。
この本のタイトルについて、不謹慎だという批判もありました。
しかし、竹内氏がこの本が言っている「人は見た目」というのは、容姿やルックスを言っているわけではありません。この本の「見た目」というのは、「言葉」以外の情報、つまり「非言語情報」のことで、「声音」「イントネーション」「目つき」「身のこなし」「間の取り方」など、膨大な非言語情報をまとめて「見た目」と言っているのです。こうした要素を「見た目」と表現することが妥当かどうかという問題もありますが、竹内氏はそのように定義づけして使っています。この本の「見た目が9割」というのは、「言葉そのもの」が印象に与える影響はことのほか少なく(せいぜい1割)、他の「非言語情報」が与える影響がほとんど(9割)という意味です。
人は他人とコミュニケーションをとる際に、言葉だけのやり取りをしているわけではなく、表情や動き、イントネーション・話し方などの非言語的情報を含めてコミュニケーションをとっています。
演出家であり漫画原作者でもある著者が、仕事で扱う事例を面白く紹介しながら説明してくれています。演出家の立場で言えば、役者のしぐさ・ヒゲ・衣装の色などが持つ情報、漫画原作者の立場で言えば、背景の書き方や登場人物の表情などセリフ以外の非言語情報を駆使しなければなりません。
私たちは、特に対面でのコミュニケーションの場合は、言語以外の表情や話し方といった非言語情報抜きには成り立っていないと言っても過言ではありません。相手の表情や話し方から、言葉(YES)とは反対の相手の真意(NO)を読み取ったりしています。
人とのコミュニケーションを考えると、言葉だけでなく非言語情報の重要さが見えてきます。相手の非言語情報だけでなく、自分の非言語情報が相手にどのような印象を与えているのかを知ることも重要になるのです。
先ほどの例で言えば「サラリーマンや役員がロン毛やヒゲをはやしているのは良くない」とは思いませんが(これも個性です)、そのような個性の見せ方をするのであれば、あらかじめどう受け止められるかを計算したうえで行うべきです。「ロン毛やヒゲ」では独創性やワイルドさを演出できますが、地味・保守的・真面目さといった印象を与えるのは難しくなります。相手がどう感じるかは相手次第の面もありますが、そこまで考えて演出しなければなりません。
アップル社のジョブズは、トレードマークである黒のタートルネックとリーバイスのジーンズ、ニューバランスのスニーカーを自分のユニフォームと位置づけ、毎日同じ格好を続けていました(余計な選択肢で頭を使わないためというのが理由)が、これもある意味演出と言ってよくジョブズのイメージができあがっていました。
この本の章立ては次の通りです。
第1話 人は見た目で判断する
第2話 仕草の法則
第3話 女の嘘が見破れない理由
第4話 マンガの伝達力
第5話 日本人は無口なおしゃべり
第6話 色と匂いに出でにけり
第7話 良い間、悪い間、抜けてる間
第8話 トイレの距離、恋愛の距離
第9話 舞台は人生だ
第10話 行儀作法もメッセージ
第11話 顔色をうかがう
以上の11話で、心理学、社会学からマンガ、演劇までの知識を用いて「非言語コミュニケーション」のやり方のヒントを与えてくれています。
要約を書こうとも思いましたが、ネタバレになるのでやめておきます。
1、2時間あれば読める肩の凝らない面白い読み物なので、興味があれば読んでください。