「炭焼き女房」と女性の自立

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皆さんは「炭焼き女房」という昔話をご存じでしょうか。

それほど有名な話ではないので、知らない人も多いと思いますから、以下に簡単にご紹介します。

「ある長者の娘が、別の長者の息子と結婚しました。

ある時、女房が旦那に麦の飯を出すと、旦那は「麦の飯なんて喰えるか!」と言って蹴飛ばしました。

これを見て、女房は「我慢できない!」と言って、家を出てしまいます。

その時、女房は、蔵の神様が「わたしたちもこの家にいることはできない。炭焼き五郎の小屋へ行こう」と言っているのを耳にしました(付け加えておくと、炭焼き五郎はかなり貧乏だったのです) 。

女房は炭焼き五郎の小屋に出かけていき、「私と結婚してください」とプロポーズして結婚します。

なんでも、炭焼きのかまどには、黄金があるのが見えたそうです。

さて、元旦那はだんだん貧乏になります。

そして、彼は偶然、元女房に会い、その立派な様子に恥じて、舌を噛み切って死にました。

元女房は、元旦那のことを弔ったそうです」

この話の女性を高名な心理学者 河合隼雄は高く評価しています。

受け身だった彼女がみずから行動するようになったからです。

確かに、傲慢な旦那を捨て、自ら炭焼き五郎のところに行ってプロポーズするのは、非常に能動的だと言えるでしょう。

その後の日本でもここまで積極的に自分の運命を切り開こうとする女性の話はあまり聞きません。

しかし、言わせていただけば、この主人公の行動は中途半端ですね。

なぜかと言うと、結局のところ、炭焼きの女房になったからのです。

やはり旦那によりかかっている。

本当の意味で自立しているとは言えないでしょう。

もちろん、この話が成立した当時の社会的事情もあるでしょうが。

現代なら、彼女は一人で仕事を見つけ、自立して生きるべきです。

もちろん、恋愛や結婚をしてもかまいませんが、夫を見つけないと幸せになれないという考え方は危ういと思います。

それはそうと、この間書いたように、日本の昔話は大抵の場合、真面目で親切な人間が報われます。

そして、金銀財宝を恵まれる。

あまり自分の力で勝ち取らないような(花咲爺が典型ですね)。

桃太郎は例外ですが、これも可哀想な鬼からぶん捕っただけですからね。

それはいいとして、話を戻すと、炭焼きの女房のような行動的な女性はその後も長い間例外だったようで、似たような話は聞きません。

ただ、これは儒教的な考え方が底にありますから、当分の間は払拭できないでしょう。

ところで炭焼き五郎は金持ちになったようですが、何で金儲けしたのでしょう。

よもや鬼殺隊に入ったのでは!

では


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