親が70歳を過ぎたら大切な『老いのサインを早めに見つける視点』

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親が70歳を過ぎても、元気な方はたくさんいます。

だからこそ、子ども世代はついこう思いがちです。
「まだ大丈夫」
「介護の話は早い」
「今は考えなくてもいい」

でも、本当に大切なのは、介護が始まったかどうかを慌てて判断することではありません。

それより先に必要なのは、老いのサインを早めに見つける視点を持つことです。

しかも、そのサインは大きく分かりやすく出るとは限りません。

最初は、少し歩くのが遅くなった。
以前より外出が減った。
硬いものを避けるようになった。
同じ話が少し増えた。

そんな、「年のせいかな」で見過ごしてしまいやすい形で表れることが多いのです。

私は、親が70歳を過ぎたら、病名を探すよりも先に、小さな変化をつなげて見る目が大切だと思っています。

最初に見るべきは、歩く・立つ・転ぶの変化です

厚生労働省の「基本チェックリスト」では、

手すりなしで階段を上がれるか、
何もつかまらずに立ち上がれるか、
15分くらい続けて歩けるか、
この1年で転んだことがあるか、
転ぶことへの不安が大きいか、

といった項目が確認されます。つまり、老いのサインは「歩けるかどうか」だけではなく、歩き方や立ち上がり方、転倒への不安の中にも表れます。

また、厚労省のe-ヘルスネットでは、サルコペニアは高齢になるに伴う筋肉量・筋力・身体機能の低下で、歩行や立ち上がりなどの基本動作に影響し、転倒や要介護につながりやすいと説明されています。

だから、
歩くのが遅くなった、
立ち上がる時につかまるようになった、
転ぶのが怖くて外出を控えるようになった、
という変化は、見逃さない方がいいサインです。

次に見たいのは、体重・食欲・口の衰えです

老いのサインとして意外と見落とされやすいのが、「食べる力」の変化です。

基本チェックリストでは、

6か月で2~3kg以上の体重減少があったか、
半年前より硬いものが食べにくくなったか、
お茶や汁物でむせるか、
口の渇きが気になるか、

といった点を確認します。

つまり、体重減少やむせ、食べにくさは、単なる好みの変化ではなく、体の衰えの入口として見る必要があります。

e-ヘルスネットでも、低栄養はフレイルを招く重要な因子で、転倒予防や介護予防の面でも重要だとされています。

さらに、2026年公開の口腔機能に関する解説では、かむ力や飲み込む力の低下が、体重減少や低栄養のリスクにつながると示されています。

「最近少し痩せた」
「肉やせんべいを避けるようになった」
「むせることが増えた」

こうした変化も、早めに見つけたいサインです。

外出や人づきあいの減少も、大きなサインです

老いのサインというと、どうしても体のことばかりに目が向きがちです。

でも実際には、出かけなくなることもかなり重要です。

基本チェックリストには、

週に1回以上は外出しているか、
昨年と比べて外出回数が減っていないか、
友人の家を訪ねているか、
家族や友人の相談にのっているか、

といった項目があります。

つまり、外出や交流の減少は、単なる生活スタイルの変化ではなく、体力・意欲・社会的つながりの低下を映していることがあります。

親が、

「面倒だから行かない」
「最近は家にいる方が楽」
「人に会うのが億劫」

と言うことが増えた時、それを性格の問題だけで片づけない方がいい場合があります。

物忘れより先に、『段取りの崩れ』を見る視点が大切です


認知症という言葉を聞くと、多くの人は「もの忘れ」を思い浮かべます。
もちろんそれも大切です。

ただ、家族が最初に気づきやすいのは、忘れることそのものより、今まで普通にできていたことが少し崩れてくることだったりします。

基本チェックリストでは、

預貯金の出し入れを自分でしているか、
自分で電話番号を調べて電話をかけているか、
今日が何月何日かわからない時があるか、
周りの人から「いつも同じ事を聞く」と言われるか、

といった項目があります。

つまり見るべきなのは単に「忘れたか」ではなく、

段取りが崩れてきたか、
お金の管理が怪しくなっていないか。
自分で調べて動く力が落ちていないか、

です。

厚労省の認知症相談案内でも、地域包括支援センターは全ての市町村に設置されており、認知症に関する相談や適切なサービス利用につなぐ役割を担っています。

軽い変化の段階で家族が気づき、早めに相談につなげる意味は大きいのです。

『聞こえ』の変化も見逃しやすい老いのサインです

もう一つ、家族が見落としやすいのが聞こえの低下です。

厚労省によると、一般的に聴力は40代から低下傾向がみられ、65歳を超えると聞こえにくさを感じる人が急増し、75歳以上では約半数が聞こえにくさを感じているともされています。

聞こえにくさは、コミュニケーション不全や社会的孤立、認知機能への影響の可能性にもつながると案内されています。

親がテレビの音を大きくする。
聞き返しが増える。
人との会話を避けたがる。

こうした変化は、性格の問題ではなく、聞こえの変化が背景にあることもあります。

ここも、早めに見つけたい視点です。

気分の落ち込みや『おっくうさ』も大事なサインです

老いのサインは、体だけではありません。
気持ちの変化も大切です。

基本チェックリストでは、

毎日の生活に充実感がない、
以前は楽しめていたことが楽しめなくなった、
前は楽にできたことが今はおっくう、
わけもなく疲れた感じがする、

といった項目も確認します。

つまり、老いのサインは「体力低下」だけでなく、気持ちの張りの低下として現れることもあります。

親が、

「面倒だからいい」
「もう楽しみがない」
「疲れるから出かけたくない」

と言うことが増えたら、そこにも目を向けておくことが大切です。

大切なのは、一つの症状で決めつけないことです

ここで大事なのは、体重が減っただけで「もう介護だ」と決めつけないこと、
物忘れが少しあるだけで「認知症だ」と決めつけないことです。

本当に見たいのは、小さな変化が重なってきていないかです。

歩くのが遅くなったうえに、外出も減った。
食が細くなり、むせも増えた。
同じことを聞くようになり、お金の管理も怪しい。

そうした重なりが見えてきたとき、早めに相談や共有につなげることが大切です。

今やっておきたいことは3つです

一つ目は、病名探しではなく、変化の記録を始めることです。
「最近つまずきやすい」「少し痩せた」「聞き返しが増えた」「出かけなくなった」

そんな小さな変化を家族がメモしておくと、見え方がかなり変わります。
基本チェックリストの項目は、そのまま観察のヒントになります。

二つ目は、気になる変化が重なったら、早めに相談先を使うことです。
地域包括支援センターは全市町村に設置されており、介護や認知症に関する相談の入口になります。

三つ目は、親が元気なうちに生活情報の共有を少しずつ始めることです。
通院先、薬、緊急連絡先、保険証、重要書類の場所。
老いのサインが見え始めてから慌てるより、元気なうちに共有しておく方が、あとがずっと楽になります。

まとめ

親が70歳を過ぎたら大切なのは、「介護かどうか」を急いで決めることではなく、老いのサインを早めに見つける視点を持つことです。

歩く・立つ・転ぶ。
体重・食欲・口の衰え。
外出や交流の減少。
段取りやお金や電話の変化。
聞こえの低下。
気分の落ち込み。

こうした小さな変化は、後になって振り返ると「始まりのサインだった」と分かることが少なくありません。

だからこそ、「まだ大丈夫」と思える今のうちに、その小さな変化に気づける目を持っておくことが大切です。

第22話では、
「転倒・入院・物忘れ。介護はどこから始まるのか」
というテーマで、実際に家族が『介護の始まり』として直面しやすい場面を、さらに具体的に掘り下げていきます。

まずは、親に何を・どの順番で・どう話せばよいかを一緒に整理してみませんか?

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