キャリアコンサルタント資格を取ったあと、多くの人が次のところで止まります。
「で、結局何から始めればいいのか分からない」「求人を見るべきなのか、発信するべきなのか、それとも実績づくりが先なのか」「やることが多すぎて、逆に動けない」
この悩みは、とても自然です。資格を取るまでには、それなりに時間もお金もエネルギーも使っています。だからこそ、資格取得後は「せっかくここまで来たのだから、失敗したくない」「ちゃんと形にしたい」と思うのは当然です。
ただ、ここで一つ大事なことがあります。それは、資格取得後に動けない人ほど、最初に考えることが多すぎるということです。
だから、まず最初に考えるべきなのは、「全部をどう進めるか」ではありません。
本当に最初に考えるべきなのは、自分はどんな形で、この資格を活かしたいのかです。
まず決めたいのは、「何をするか」より「どう始めるか」
資格取得後に動けない人の多くは、最初からやることを増やしすぎています。国家資格キャリアコンサルタントを取っただけでなく、キャリアコンサルティング技能士2級、心理系の資格、コーチング資格なども重ねて学んでいる方ほど、「せっかく学ぶならもっと深めたい」「どうせならもう一段上の資格も取りたい」と思いやすくなります。
私は、その気持ち自体はとても大切だと思っています。学びを深めること。関連資格を通じて視野を広げること。支援の引き出しを増やすこと。これはどれも、支援者としての土台を厚くしてくれます。ですから、学び続けることや、次の資格を目指すこと自体を否定する必要はまったくありません。
ただ一方で、そこで気をつけたいことがあります。それは、学びを深めることが、実践に向かう第一歩の先延ばしになってしまうことです。
資格を取る。さらに学ぶ。別の資格にも関心が広がる。もっと準備してからにしようと思う。そうしているうちに、求人も気になる、発信も必要そう、プロフィールも整えたい、実績も作らないといけない、と考えることが増え、かえって動けなくなることがあります。
もちろん、学び続けることは大事です。でも、キャリアコンサルタントとしての力は、学びだけで完成するものではありません。実際に人と関わること。小さくても相談の場を持つこと。ロープレでも、ボランティアでも、周辺業務でも、何かしら実践に近い一歩を踏み出すこと。そうした経験の中で、はじめて見えてくるものがたくさんあります。
つまり、学びを深めることは大切。でも、それと同時に、実践に向けた第一歩を踏み出すことも同じくらい大切なのです。
だから最初に考えるべきなのは、「もっと何を学ぶか」だけではなく、自分はどの形でスタートするのが現実的かです。
資格取得後の入口は、一つではありません
ここで多くの人が苦しくなるのは、無意識に「正しい始め方は一つのはずだ」と考えてしまうことです。
でも実際には、資格取得後の入口は一つではありません。
就職・転職で入る人もいます。業務委託や非常勤から入る人もいます。今の仕事を続けながら複業で始める人もいます。ボランティアや周辺活動、ロープレ相手、講座運営の補助などから入る人もいます。
つまり、資格取得後に必要なのは、「みんなと同じルート」を探すことではなく、今の自分に合う入口を見極めることなのです。
ここを決めないまま動こうとすると、準備が全部ぼやけます。逆に、入口が見えると、やるべきことはかなり絞られます。
次に考えるのは、「誰を支援したいか」
始め方と同じくらい大事なのが、誰を支援したいのかです。
若者なのか。ミドルシニアなのか。再就職支援なのか。仕事と介護の両立に悩む人なのか。資格を取ったのに動けない対人支援職なのか。複業を始めたい人なのか。
ここが見えていないと、
どんな求人を見るべきか。どんな実績を作ればよいか。どんなプロフィールを書くべきか。どんなサービスを出すべきか。
が全部曖昧になります。
逆に、支援したい相手が見えると、
自分のどんな経験が役立つのか、どんな言葉なら届くのか、どんな小さな実績を先に作ればよいのか、が見えやすくなります。
つまり、資格取得後に最初に考えるべきことは、就活テクニックでも、SNS運用でもなく、「自分は誰に、どんな形で関わりたいのか」を整理することなのです。
もう一つ大切なのは、「今の自分の条件」を見ること
ここを飛ばすと、理想だけで動いて苦しくなります。
たとえば、
今の仕事が忙しい。
家族の事情がある。
親の介護が気になっている。
副業に制約がある。
すぐに収入化しないと難しい。
オンライン対応にまだ不安がある。
人前に出るより、一対一の方が得意。
講師より、伴走型の支援の方が向いていそう。
こうした条件は、人によって違います。
だから、同じ資格を持っていても、最初の一歩は同じでなくていいのです。
ここで大切なのは、「理想的な始め方」より、「今の自分が続けやすい始め方」を選ぶことです。
無理な形で始めると、最初の一歩が苦しくなります。でも、自分の生活や性格、今の制約に合った入口なら、継続しやすくなります。
最初から完成形を目指さなくていい
資格を取った直後は、ついこう考えがちです。
ちゃんとしたプロフィールを作らないと。
実績がないとだめ。
自分の専門領域を明確にしないと。
発信内容も整っていないと。
中途半端では始めてはいけない。
でも、実際には最初から完成形で始める人の方が少ないです。
多くの人は、
仮の肩書で始める。
小さな実践の場に入る。
人とのつながりの中で経験を積む。
やってみた反応を見て方向修正する。
支援対象や強みをあとから言語化していく。
そうやって少しずつ形にしていきます。
だから、資格取得後に必要なのは、「完成してから始めること」ではなく、未完成でも未来につながる一歩を選ぶことです。
学びを活かすには、どこかで「外に出す」必要がある
学びは、頭の中に入れたままでは、なかなか自分の力になり切りません。
実際に人と関わってみる。
言葉にしてみる。
話してみる。
整理してみる。
困りごとや悩みをヒアリングしてみる。
そうして初めて、学びは「知っていること」から「使えること」に変わっていきます。
たとえば、
ロープレ相手をやってみる。
知人相手に整理の対話をしてみる。
小さなモニター相談をしてみる。
勉強会で自己紹介してみる。
自分の支援テーマを仮で書いてみる。
プロフィールを一度作ってみる。
こうした小さな実践は、一見地味ですが、とても意味があります。なぜなら、ここで初めて「自分は何がしっくりくるのか」「何が難しいのか」「どこを伸ばせばよいのか」が見えてくるからです。
最初にやるべきことは、「全部」ではなく「一つ」
資格取得後に止まる人の多くは、やるべきことを増やしすぎます。
でも、最初に必要なのは全部ではありません。
たとえば、
就職・転職ルートなら、まずは応募する領域の整理。
複業ルートなら、まずは支援対象と小さな入口づくり。
経験づくりルートなら、まずは参加する場を一つ決める。
講座やロープレ相手型なら、まずは誰向けにどんな場を出すか仮で決める。
このように、最初に必要なのは、次の一か月でやる一つを決めることです。
全部を一度に進めるのではなく、次の一歩だけを決める。それだけで、かなり動きやすくなります。
まとめ
キャリアコンサルタント資格取得後、まず最初に考えるべきことは、「完璧を目指すこと」ではありません。
まず考えるべきなのは、
どんな形で始めたいのか
誰を支援したいのか
今の自分の条件で、どの入口が現実的か
この三つです。
そして、ここにもう一つ加えたいのが、
学びを深めることは大切。
でも、実践に向けた第一歩も同じくらい大切
という視点です。
資格を取り、さらに学びを深めることは、支援者としてとても価値があります。ただ、その学びを活かすためには、どこかで小さくても実践へ踏み出す必要があります。
だからこそ、資格取得後に必要なのは、焦って全部に手を出すことではなく、自分に合う入口を見極めて、次の一歩を一つに絞ることです。
「就職・複業・ボランティア・業務委託のどれが自分に合うのか整理できない」「最初に何を優先すべきか分からず止まっている」「学び続けているけれど、実践へのつなげ方が見えない」
そんな方は、まずは現状整理と第三者に壁打ちしてもらうことから始めてみてください。最初の一歩は、大きくなくて大丈夫です。
一緒に頑張っていきましょう。
ご相談はお気軽にどうぞ!!