絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

20 件中 1 - 20 件表示
カバー画像

正社員でも安心できない時代に何を備えるべきか?

「正社員だから、介護者になっても、雇用についてはそこまで心配しなくても大丈夫」以前は、この感覚にある程度の現実味がありました。※参考総務省の2025年10~12月期平均では、役員を除く雇用者5,866万人のうち、正規の職員・従業員は3,740万人、非正規の職員・従業員は2,126万人でした。けれど私は、これからの時代は正社員であることと、安心して働き続けられることは、同じではなくなってきていると感じています。なぜなら、今の不安は「雇用契約があるかないか」だけで決まらないからです。仕事の中身が変わる会社によって変化への対応力に差がある親の介護が重なるその結果、正社員でも雇用の安定が揺らぐ時代になってきています。正社員の総数が増えていても、「安心」が増えているとは限らないまず押さえておきたいのは、正規雇用が増えていること自体と、働く人の安心感は別だということです。総務省の労働力調査では、2025年10~12月期平均で、正規の職員・従業員は前年同期比75万人増、非正規は32万人減でした。数字だけを見ると、雇用環境は一見落ち着いて見えます。しかし同じ時期に、失業者数は190万人で前年同期より11万人増でした。さらにOECDの2025年レポートでは、日本ではAIの職場利用はまだ「8.4%にとどまる一方、AIを使っている人の35.8%」は成果や働く環境の改善を感じています。その反面、高齢の労働者や非正規雇用の人はAIを使う機会も恩恵も少ないと指摘されています。つまり今の不安は、「正社員かどうか」よりも、変化に乗れるかどうかで差が広がりやすいのです。AI時代に揺れるのは、雇用そのものより「役
0
カバー画像

45歳を過ぎたら考えたいキャリア防衛の基本戦略

45歳を過ぎると、多くの人がうすうす感じ始めます。このまま今の会社、このまま今の働き方で、本当に大丈夫だろうか?でも同時に、毎日は忙しく、目の前の仕事を回すだけで精一杯になりがちです。私は、45歳以降に必要なのは、いきなり転職を決断することでも、資格を山ほど取ることでもないと思っています。本当に大切なのは、自分のキャリアの選択肢を減らさないことです。これを私は、キャリア防衛と呼びたいと思います。45歳以降は「守るべきもの」が一気に増える45歳を過ぎると、仕事だけ見ていればいい時期ではなくなります。会社では責任が重くなり、家庭では教育費や住宅ローンが気になり、自分の老後資金づくりも無視できなくなります。そこへ親の高齢化が重なってきます。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、一般労働者の賃金は45~49歳で37.79万円、50~54歳で38.88万円、55~59歳で39.62万円となっており、男性では55~59歳で44.56万円がピークです。つまり45歳以降は、まだ収入を積み上げられる時期である一方で、その後の減少も視野に入り始める時期でもあります。言い換えれば、この先10年の働き方が、そのまま老後の土台に響きやすい時期なのです。だから45歳以降のキャリア防衛は、単なる昇進や転職の話ではありません。収入を守ること、働き続けること、親のことが起きても崩れにくくすることまで含めて考える必要があります。いま起きているのは「仕事が消える」より「仕事の中身が変わる」ことAIの話になると、「自分の仕事はなくなるのか?」と考えがちです。でも、日本の現実を見ると、先に起きやすいのはそこでは
0
カバー画像

家族が見落としがちな認知症の初期サイン

認知症の初期サインというと、「同じことを何度も聞く」「物忘れが増える」というイメージを持つ方が多いと思います。もちろん、それも大事なサインです。ただ実際には、家族が見落としやすい初期サインは、物忘れそのものより、日常の『やり方』や『雰囲気』の変化として表れることが少なくありません。認知症の症状は、記憶障害だけでなく、・時間や場所が分からなくなること・理解力や判断力の低下・家事や身の回りのことがうまくできなくなること・不安・抑うつ・怒りっぽさ・意欲低下などの行動・心理症状も含むと整理されています。しかも厚生労働省の調査では、65歳以上で介護が必要になった主な原因のトップは認知症です。だからこそ、「まだ介護ではない」と見える段階の小さな変化を、家族が早めに拾えるかどうかがとても大切になります。いちばん見落とされやすいのは、「物忘れ」より『段取りの乱れ』です家族が最初に気づきやすいのは、必ずしも『はっきりした物忘れ』ではありません。むしろ多いのは、今まで普通にできていたことが、少しずつぎこちなくなることです。国立精神・神経医療研究センターの解説では、認知症のサインとして、・仕事や家事・趣味の段取りが悪くなる・時間がかかるようになる・調理の味付けを間違える・掃除や洗濯がきちんとできなくなる・季節に合った服装を選べなくなるなどが挙げられています。厚労省の若年性認知症ハンドブックでも、・家事が今までのようにきちんとできなくなる・買い物で同じものを何度も買う・料理の手順を忘れて完成できなくなるという例が示されています。つまり、家族が気づくべき初期サインは、「覚えているかどうか」だけではなく、
0
カバー画像

転倒・入院・物忘れ。介護はどこから始まるのか

介護というと、「要介護認定を受けた時から始まるもの」と思われがちです。でも実際の家庭では、介護はもっと手前から始まります。しかも、はっきり「今日から介護です」と線が引かれることは少なく、転倒、入院、物忘れといった出来事をきっかけに、家族の役割が少しずつ増えていく形で始まることが多いのです。厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査では、65歳以上で介護が必要になった主な原因は、総数でみると『認知症16.6%、脳血管疾患16.1%、骨折・転倒13.9%』でした。要介護者に限ると、『認知症23.6%、脳血管疾患19.0%、骨折・転倒13.0%』となっています。つまり、家族が最初に直面しやすい「物忘れ」や「転倒」は、実際に介護の入口になりやすい出来事なのです。さらに、要介護認定率は年齢とともに大きく上がります。厚労省資料では、『70~74歳で5.7%、75~79歳で11.5%、80~84歳で25.3%、85~89歳で47.2%、90歳以上で72.9%』とされています。だからこそ、親が70代に入った段階では「まだ介護ではない」と思えても、入口になる出来事は十分に起こり得るのです。介護の始まりとして多いのが「転倒」です転倒は、家族からするととても分かりやすい『始まり』です。それまで普通に暮らしていた親が、家の中でつまずく、外で転ぶ、骨折して入院する。これだけで、生活は一気に変わることがあります。厚生労働省の基本チェックリストでも、階段を手すりなしで上がれるか何もつかまらずに立ち上がれるか15分くらい続けて歩けるかこの1年で転んだことがあるか転倒への不安が大きいかが、早めに確認したい項目として並
0
カバー画像

介護が始まると転職活動はどう難しくなるのか

「今の会社が厳しくなったら、転職すればいい」そう考えている方は少なくありません。もちろん、その考え方自体は間違いではありません。ただ、親の介護が始まると、転職はできなくなるというより、やりにくくなる条件が一気に増えるようになります。実際、介護をしている人は628.8万人、そのうち有業者は364.6万人で、介護をしている人の58.0%が働いています。さらに、介護・看護のために過去1年間に前職を離職した人は10.6万人でした。つまり、転職を考える前に、まず「働き続けること自体」が揺らぎやすい現実があるのです。もともと45歳以降の転職は、若い頃より『余裕勝負』になりやすい転職そのものが不可能になるわけではありません。ただ、年齢が上がるほど、勢いだけでは動きにくくなります。厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、2024年の転職入職率は、男性で20~24歳が10.0%なのに対し、45~49歳は6.0%、50~54歳は5.1%、55~59歳は5.4%でした。女性も20~24歳が20.4%に対し、45~49歳は10.7%、50~54歳は8.2%、55~59歳は7.6%です。数字だけで「転職しにくい」と断定はできませんが、少なくとも40代後半から50代は、20代より実際の転職入職率が低く、条件やタイミングの影響を受けやすい年代だといえます。転職活動は、思っている以上に『細切れ時間』では進みにくい就業構造基本調査では、「仕事を探したり、準備したりしている」とは、求人サイトを見る、応募する、職業紹介所に申し込む、結果を待つ、開業準備をする、などを含むと定義されています。つまり転職活動は、単に「気が
0
カバー画像

AIに弱い人ではなく、変化に備えない人が危ない

AIの話になると、「自分は機械に弱いから無理」「若い人の方が有利だ」「今さら新しいことを覚えても遅い」そんな声をよく聞きます。けれど私は、これから本当に厳しくなりやすいのは、AIに弱い人そのものではなく、変化に備えない人だと思っています。なぜなら、これから起きやすいのは、「AIを使える人だけが生き残る」という単純な話ではなく、仕事のやり方、求められる役割、時間の使い方が少しずつ変わる中で、その変化に合わせて自分を整えられるかどうか、が問われる時代だからです。AI時代に起きるのは「能力差」より「準備差」AIの話を聞くと、多くの人は能力の差を思い浮かべます。自分は得意か、苦手か。向いているか、向いていないか。でも実際には、最初から得意だったかどうかよりも、変化を前提に小さく試していたかどうかの差の方が大きくなりやすいのです。たとえば、文章を一から全部書くのではなく、たたき台をAIに考えさせてみる。会議の要点整理を少し任せてみる。調べものの入口だけ使ってみる。こうした小さな慣れがある人は、変化が来たときに完全には止まりにくい。逆に、「まだ必要ない」「今のやり方で困っていない」と先送りしていると、いざ職場のやり方が変わったときに、一気に負担が大きくなりやすくなります。つまり、差がつくのは才能より前に、変化に対して自分を慣らしていたかどうかです。45歳以降にきついのは、変化が必要なのに余裕が減っていくことここが、ミドルシニア世代の本当につらいところだと思います。20代や30代なら、多少無理をしてでも新しいことに時間を回しやすい時期があります。でも45歳を過ぎると、仕事は忙しくなり、責任も
0
カバー画像

なぜ「親の終活」は子ども45歳から考えるべきなのか

「45歳から親の終活なんて、早すぎないですか?」この反応は、とても自然です。これまでの感覚では、終活は定年後に考えるもの親が80代になってから始めるもの介護が見えてから向き合うものと思われがちでした。でも今は、その感覚を変えた方がいい時代です。私は、親の終活は子ども45歳から考え始めるのがちょうどいいと思っています。なぜ45歳なのか?それは、この年齢が「まだ早い」からではなく、5年後に本格化しやすいリスクの入口だからです。45歳は、50代のピーク負担に入る一歩手前だからまず知っておきたいのは、親の介護を担う中心世代が、すでに50代にあるということです。総務省の令和3年社会生活基本調査では、15歳以上でふだん家族を介護している人は653万4千人でした。年齢階級別では、50~59歳が183万6千人で最も多く、40~49歳は80万5千人です。つまり、45歳前後はまだ「介護のど真ん中」ではありませんが、その5年後には最も負担が集中しやすい層に入っていく年齢だということです。さらに、働きながら介護している人の厚みを見ると、その傾向はもっとはっきりします。令和4年就業構造基本調査では、介護をしている人は628.8万人、そのうち有業者は364.6万人で、58.0%が働いています。年齢別にみると、有業の介護者は50~54歳で70.4万人、55~59歳で82.2万人と、やはり50代に厚く集まっています。45歳は、まさにこのゾーンの手前です。つまり、45歳から考えるというのは、早すぎるのではなく、50代で仕事と介護がぶつかる前に準備を始めるという意味なのです。親70歳は、5年後に75歳へ入る節目だ
0
カバー画像

「まだ自立している親」にこそ必要な備え

「うちの親は、まだ自分で何でもできるから」そう思って、介護準備や終活の話を後回しにしているご家庭はとても多いと思います。でも実は、まだ自立している親にこそ、早めの備えが必要です。なぜなら、本当に動きやすいのは、親がまだ話せて、選べて、整理できる今だからです。何か起きてからでは、家族は『準備』ではなく『対応』に追われやすくなります。「自立している」は「備えなくていい」とは違う親が一人で買い物に行ける。病院にも行ける。身の回りのこともできる。そういう状態だと、どうしても「まだ大丈夫」と思いやすくなります。けれど、今の日本では、高齢者の一人暮らしはすでに珍しいことではありません。内閣府の令和7年版高齢社会白書では、65歳以上の一人暮らしの割合は、令和2年時点で『男性15.0%、女性22.1%』となっており、今後さらに増えると見込まれています。つまり、親が『自立して暮らしている』ように見えることと、家族が何も備えなくていいことは、まったく同じではないのです。本当に危ないのは、「平常時は回るけれど、非常時に弱い」ことですまだ自立している親の多くは、ふだんの生活は回っています。でも問題は、転倒、発熱、入院、通院の増加、物忘れといった『少しの変化』が起きた時です。その時に、どこの病院に通っているのか分からない。薬がどこにあるか分からない。保険証や重要書類の場所が分からない。誰が最初に動くか決まっていない。こうした状態だと、親がまだ自立していたとしても、家族の負担は一気に増えます。つまり、自立している親に必要なのは、介護の準備というより、自立が揺れた時に家族が慌てないための準備なのです。まだ自
0
カバー画像

親が70歳を過ぎたら大切な『老いのサインを早めに見つける視点』

親が70歳を過ぎても、元気な方はたくさんいます。だからこそ、子ども世代はついこう思いがちです。「まだ大丈夫」「介護の話は早い」「今は考えなくてもいい」でも、本当に大切なのは、介護が始まったかどうかを慌てて判断することではありません。それより先に必要なのは、老いのサインを早めに見つける視点を持つことです。しかも、そのサインは大きく分かりやすく出るとは限りません。最初は、少し歩くのが遅くなった。以前より外出が減った。硬いものを避けるようになった。同じ話が少し増えた。そんな、「年のせいかな」で見過ごしてしまいやすい形で表れることが多いのです。私は、親が70歳を過ぎたら、病名を探すよりも先に、小さな変化をつなげて見る目が大切だと思っています。最初に見るべきは、歩く・立つ・転ぶの変化です厚生労働省の「基本チェックリスト」では、手すりなしで階段を上がれるか、何もつかまらずに立ち上がれるか、15分くらい続けて歩けるか、この1年で転んだことがあるか、転ぶことへの不安が大きいか、といった項目が確認されます。つまり、老いのサインは「歩けるかどうか」だけではなく、歩き方や立ち上がり方、転倒への不安の中にも表れます。また、厚労省のe-ヘルスネットでは、サルコペニアは高齢になるに伴う筋肉量・筋力・身体機能の低下で、歩行や立ち上がりなどの基本動作に影響し、転倒や要介護につながりやすいと説明されています。だから、歩くのが遅くなった、立ち上がる時につかまるようになった、転ぶのが怖くて外出を控えるようになった、という変化は、見逃さない方がいいサインです。次に見たいのは、体重・食欲・口の衰えです老いのサインとして
0
カバー画像

キャリアの不安と親の不安を、別々に考えてはいけない理由

多くの人は、こう考えがちです。仕事のことは仕事のこと。親のことは親のこと。それぞれ別の問題だから、順番に考えればいい。気持ちはよく分かります。仕事の悩みだけでも重いのに、そこへ親の介護や終活まで一緒に考えようとすると、さらに気持ちが重くなるからです。でも実際には、キャリアの不安と親の不安は、別々に考えるほど判断を誤りやすくなります。なぜなら、この二つは別の問題に見えて、実は同じ時間同じお金同じ気力を取り合う関係にあるからです。仕事の不安と親の不安は、同じ時期に来やすい45歳を過ぎると、多くの人にとって仕事の前提が少しずつ変わり始めます。責任が重くなる。評価のされ方が変わる。役職や役割の見通しが気になってくる。AIや業務変化への対応も必要になる。将来の収入や老後資金のことも現実味を帯びてきます。一方で、同じ時期に親も高齢化してきます。まだ元気に見えていても、通院、物忘れ、転倒、住まいの不安など、少しずつ気になることが増え始めます。つまり45歳から50代というのは、自分の仕事を守ることと親の今後に備えることが、ちょうど重なりやすい時期なのです。ここを別々に考えると、どうしても「仕事のことが落ち着いたら親のことを考えよう」あるいは「親のことが起きたら、その時に仕事を考えよう」となりがちです。でも現実には、その二つは順番に来るのではなく、重なって来やすいのです。別々に考えると、どんな誤算が起きるのか一番起きやすい誤算は、親のことが始まっても、仕事は何とか回せるだろうと思ってしまうことです。たしかに、最初は何とかなることもあります。でも、親の通院付き添い、入院対応、家族調整、書類探し、実
0
カバー画像

親の介護で役職を辞したり、残業ができずに収入減になると何が起きるか?

親の介護で仕事を辞める。そこまでいかなくても、実はもっと先に起きやすいことがあります。それが、役職を降りる残業や出張を減らす責任の重い仕事を断ることで、収入がじわじわ下がっていくことです。しかもこれは、会社に残っているぶん、周囲からは「まだ大丈夫」に見えやすい。でも本人にとっては、家計だけでなく、立場や人間関係まで変わっていくことがあります。親の介護による働き方の変化は、単なる勤務時間の問題ではありません。収入、評価、社内での立ち位置、そして気持ちの持ちようまで、静かに揺らしていくことがあるのです。収入減は「退職」より前に始まることが多い介護が始まると、いきなり退職ではなくても、「管理職を外してもらう」「残業が難しくなる」「夜間対応や緊急対応を避ける」「責任の重い案件を受けにくくなる」といったことが起こりやすくなります。ここで大事なのは、収入は基本給だけではないということです。多くの方は、役職手当、残業代、各種手当も含めて家計を成り立たせています。そのため、介護のために役職を辞したり、残業ができなくなると、表面上は在職していても、家計の実感としてはかなり大きな減収になることがあります。この段階ではまだ「辞めてはいない」ので、周囲からは深刻さが見えにくい。ですが本人の中では、すでに生活の前提が変わり始めています。家計は「固定費」と「介護費」の板挟みになる収入が減る一方で、住宅ローン、保険料、通信費、車の維持費などの固定費はすぐには減りません。しかも親の介護が始まると、通院付き添いの交通費、日用品、介護サービスの自己負担、住環境の調整など、新たな支出がじわじわ増えていきます。つまり
0
カバー画像

今の50代が直面しやすい「仕事と介護のダブルパンチ」とは

50代は、まだまだ現役のど真ん中です。会社では責任が重く、家では家計の柱であり、自分の老後資金づくりも本格化する時期です。ところが今の50代は、その大事な時期に、親の介護が重なりやすくなっています。内閣府の令和7年版高齢社会白書では、団塊の世代が75歳以上となる2025年に、65歳以上人口は3,653万人に達すると見込まれています。総人口に占める75歳以上人口の割合は、将来約4人に1人になると推計されています。つまり、親世代が後期高齢者に入っていく波は、もう目の前ではなく、すでに始まっている現実です。そして、その影響を最も受けやすいのが50代です。総務省の令和3年社会生活基本調査では、ふだん家族を介護している人は653万4千人で、年齢階級別では50~59歳が183万6千人で最も多いとされています。さらに、60歳以上で介護者全体の約5割を占めています。親を支える中心が、まさに50代から60代前半にかかっていることが分かります。さらに、令和4年就業構造基本調査では、介護をしている人は約629万人、そのうち有業者は約365万人で、介護をしている人の58.0%が働いているとされています。つまり今の介護は、「仕事を終えた後にやること」ではなく、働いている最中に降りかかることとして考えなければいけません。50代にとって厳しいのは、「収入の重い時期」に介護が来やすいこと50代がつらいのは、単に忙しいからではありません。収入面で責任が大きい時期に、介護がぶつかりやすいからです。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査速報では、一般労働者の賃金は、50~54歳で38.8万円、55~59歳で39.
0
カバー画像

介護と仕事の両立がつらいと感じたとき、見直したい優先順位

親の介護が始まると、毎日の生活は一気に変わります。仕事は今まで通り続けなければならない。親の通院や手続き、見守りも必要になる。家族との連絡や調整もある。そして、自分自身の生活もある。最初は何とか頑張れていても、少しずつ疲れがたまり、ある日ふと「もう両立は無理かもしれない」と感じる方は少なくありません。特に真面目で責任感の強い方ほど、仕事もちゃんとやらなければいけない親のこともきちんと支えなければいけない家族にも迷惑をかけてはいけないと、全部を同時に背負おうとしてしまいます。でも、介護と仕事の両立が苦しくなったときに必要なのは、気合いで頑張り続けることではなく、優先順位を見直すことです。今日は、介護と仕事の両立がつらいと感じたときに、見直していただきたい優先順位についてお伝えします。1.まず守るべきは、自分の心と体介護をしている方の中には、自分のことを後回しにしている方がとても多くいらっしゃいます。親の体調が心配。仕事も休めない。家族にも頼りにされている。そうなると、自分の睡眠や食事、休息はどんどん後回しになっていきます。ですが、自分が倒れてしまったら、介護も仕事も続けられません。当たり前のことのようでいて、追い込まれているときほど、この視点は抜け落ちやすいものです。だからこそ、最初に見直していただきたいのは、今の生活は、自分の心と体を守れる状態になっているかということです。十分に眠れているか。食事が極端に乱れていないか?いつも気を張り詰めたままになっていないか?休日も心が休まっていないのではないか?介護では、親を優先するのは自然なことです。でも、介護を続けるためには、自分の土台
0
カバー画像

親の通院・服薬管理が怪しくなったら要注意

親の介護は、転倒や入院のような大きな出来事から始まることもあります。でも実際には、もっと日常的なところから、静かに始まることも少なくありません。その代表が、通院と服薬管理です。厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査では、65歳以上で介護が必要になった主な原因として、総数で『認知症16.6%、脳血管疾患16.1%、骨折・転倒13.9%』が上位に挙がっています。つまり、家族が先に気づきやすい「物忘れ」や「転倒」の背景には、日常の通院や薬の管理の乱れがにじんでいることもある、ということです。私は、親の通院・服薬管理が怪しくなってきた時は、まだ要介護認定が出ていなくても、家族の支えが必要になり始める入口だと考えた方がいいと思っています。「通院が怪しい」は、単に病院へ行っていないことだけではありません家族がまず見たいのは、病院へ行ったかどうかだけではありません。たとえば、予約日を間違える。通院の理由をうまく説明できない。同じ症状で複数の医療機関にかかっている。どこの病院で何の薬をもらっているのか、本人も家族も整理できていない。こうした状態は、単なるうっかりではなく、段取りを組み立てて維持する力が落ちてきたサインであることがあります。高齢者の服薬に関する厚労省の指針でも、高齢者は加齢変化や多剤服用により薬の問題が起きやすく、患者の服薬状況や症状の把握、服薬支援が重要だとされています。通院が怪しくなると、その次に起きやすいのは、検査や受診の抜け、薬のもらい忘れ、重複受診や重複処方、家族の付き添いの増加です。この時点で、実は家族の役割はもう始まっています。いちばん分かりやすいサインは「残薬」です
0
カバー画像

介護が始まる前に、仕事面で確認しておくべき3つのこと

親の介護が始まるとき、多くの人は「その時に考えればいい」と思いがちです。でも実際には、介護が始まった瞬間に最初に揺れやすいのは、親の生活だけではありません。自分の仕事の回し方です。総務省の令和4年就業構造基本調査では、介護をしている人は628.8万人、そのうち有業者は364.6万人で、介護をしている人の58.0%が働いています。つまり、介護は「仕事を辞めた後の問題」ではなく、働いている最中にぶつかる問題です。さらに経済産業省は、2030年には仕事をしながら家族介護を担う人、つまり本連載でいうワーキングケアラーが約318万人にのぼり、経済損失は約9兆円になると示しています。だからこそ、介護が始まる前に、仕事面で確認しておくべきことがあります。私は、それを3つに絞るとしたら、制度、自分の仕事の止まりやすい場所、親のことで最初に飛んでくる用事だと思っています。1.会社の制度と相談先を、使う前に確認しておく一つ目は、会社で何が使えるのかです。ここを知らないまま親の介護が始まると、多くの人はすぐに「休むしかない」「辞めるしかない」に気持ちが傾きやすくなります。厚生労働省の案内では、介護休業は対象家族1人につき通算93日、3回まで分割可能です。介護休暇は対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日で、時間単位でも取得できます。さらに、時間外労働の制限や深夜業の制限など、両立を支える制度があります。2026年4月施行の改正では、介護に直面する前の早い段階、40歳等での情報提供も事業主に求められています。ここで大事なのは、制度名だけ知ることではありません。誰に申し出るのか社内の相談窓口はどこか
0
カバー画像

AIで「消える仕事」より先に「変わる仕事」を見よ

AIの話になると、どうしても「自分の仕事は消えるのか」「この職種は残るのか」という見方になりやすいものです。もちろん、その不安は自然です。でも私は、今の40代後半から50代の方にこそ、先に見てほしいのはそこではないと思っています。本当に先に見た方がいいのは、仕事が消えるかどうかではなく、今の仕事の中身がどう変わるかです。なぜなら、これから起きやすいのは、職業がある日まるごとなくなることよりも、今まで自分がやってきた仕事の中の調べる、まとめる、書く、伝える、確認する、調整するといった部分が、少しずつAIに置き換わったり、やり方が変わったりすることだからです。AI時代に起きやすいのは「職種の消滅」より「仕事の再設計」OECDの2025年レポートでは、日本では職場でAIを使っている労働者は8.4%にとどまる一方で、AI利用者の35.8%が仕事の成果や働く環境の改善を感じているとされています。さらに、今後10年を見たとき、多くの労働者はAIによって仕事が丸ごとなくなるというより、今の仕事に必要なスキルが大きく変わると見ています。つまり、AI時代の本質は「消える仕事探し」より、今の仕事のどこが変わるかを見極めることにあります。ここで重要なのは、影響の受け方に差があることです。同じOECDの報告では、非正規雇用や高齢の労働者は、AIを仕事で使う機会も、AIの恩恵を受ける機会も少ないとされています。また、低所得層や非正規雇用では、雇用創出への期待よりも雇用喪失への不安が上回るとも指摘されています。つまり、「AIでみんな同じように危ない」のではなく、変化に乗りやすい人と、取り残されやすい人の差
0
カバー画像

これからの終活は「親が元気なうちに始める」が新常識

「終活は、まだ元気なうちにやるものではない」そう思っている方は、まだとても多いと思います。どちらかといえば、少し弱ってきてから考えるもの介護が見えてから始めるものもっと年齢が上がってから向き合うものそんなイメージを持たれやすいのが終活です。でも私は、これからの時代はその感覚を変える必要があると思っています。むしろ終活は、親が元気なうちに始めるからこそ意味があるものです。親が元気なうちなら、話せます。選べます。整理できます。そして、子ども世代もまだ動きやすい。逆に、何か起きてからでは、終活は「準備」ではなく「応急処置」になりやすいのです。本当に大事なことは、元気なうちにしか話しにくい終活というと、相続や葬儀やお墓の話を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも実際に家族が困るのは、もっと手前のことだったりします。たとえば、これからも今の家で暮らしたいのか?体が弱ってきたら、どこまで自宅で頑張りたいのか?通院先はどこか?大事な書類はどこにあるのか?困ったときに誰に相談したいのか?こうしたことは、親が元気で、気持ちにも余裕があるうちでないと、落ち着いて話しにくいものです。親の体調が急に悪くなってからでは、家族は目の前の対応に追われます。入院、退院、介護保険、通院付き添い、家族間の連絡。その中で「本当はどうしたかったのか」を丁寧に確認するのは、思っている以上に難しくなります。だから終活は、元気なうちに始める価値があるのです。弱ってからではなく、元気だからこそ話し合える。ここが、とても大事です。元気なうちに始める終活は、「決めつけること」ではないここでよくある誤解があります。それは、早く終
0
カバー画像

なぜ今「親70歳・子45歳」から備えるべきなのか

「親の介護や終活は、まだ先の話」「親は元気だし、自分も仕事で忙しいから、今は考えなくていい」そう思っている方は、とても多いと思います。ですが、私はこれからの時代こそ、親70歳・子45歳をひとつの目安に、介護準備と終活を前倒しで考える必要があると思っています。なぜなら今は、単に「親が高齢になる時代」ではなく、子ども世代の働き方そのものも不安定になりやすい時代に入っているからです。親の高齢化と、子ども世代の仕事の変化。この2つが同時に進むからこそ、従来の「もっと年を取ってから考えればいい」という発想では間に合わなくなってきています。親世代は、これから一気に後期高齢者に入っていく内閣府の令和7年版高齢社会白書では、2025年に65歳以上人口は3,653万人に達すると見込まれており、今後も高齢化率は上昇が続くとされています。さらに、総人口に占める75歳以上人口の割合も今後高まっていきます。つまり、親世代が「まだ元気だから大丈夫」と思っている間にも、社会全体としては介護リスクが高まりやすい局面に入っているのです。しかも、介護リスクは年齢とともに大きく上がります。厚生労働省資料では、「要介護認定率は75~79歳で11.5%、85歳以上では57.7%」とされています。親が70代に入った段階は、まだ何も起きていないように見えても、実は「備え始めるにはちょうどよい時期」なのです。問題が起きてから動くのではなく、元気なうちに話し合える時期に動くほうが、ずっと現実的です。子ども世代も、仕事の面で「余裕がある」とは言えない昔なら、「親のことはその時に考えればいい」「何かあっても仕事は続けられる」と考え
0
カバー画像

複業準備は、介護時代の人生防衛になるのか

親の介護と仕事の両立を考えるとき、多くの人はまず「辞めない方法」を考えます。それはもちろん大切です。でも、これからの時代は、それだけでは少し足りないかもしれません。なぜなら、親の介護が始まると、退職までいかなくても、残業が減る、責任の重い仕事を受けにくくなる、役職を辞する、評価につながる動きがしにくくなる、という形で、本業の収入や働き方が静かに揺れやすいからです。経済産業省は、2030年には仕事をしながら家族介護を担う人が約318万人に上り、経済損失は約9.1兆円になると試算しています。そこで出てくるのが、複業準備という発想です。ここで言う複業準備とは、いきなり大きく稼ぐことではありません。本業以外にも、小さな収入源、経験源、人とのつながりを少しずつ育てておくこと。それが、介護時代の人生防衛になるのか。私は、やり方を間違えなければ、十分なり得ると思っています。いま複業(副業)・兼業は、珍しい働き方ではなくなってきている総務省の令和4年就業構造基本調査では、非農林業従事者のうち副業がある人は304.9万人で、5年前より59.8万人増えました。副業者比率は4.8%で、5年前より0.9ポイント上昇しています。つまり、本業以外にもう一つ仕事を持つこと自体は、すでに一部の特殊な人だけのものではなくなってきています。厚生労働省も、副業・兼業について、令和4年改定のガイドラインの中で、多様なキャリア形成を促進する観点から位置づけています。つまり制度の側でも、「一つの会社だけにキャリアを閉じない」という考え方は、以前より現実的なものになっています。介護時代に複業準備が意味を持つのは、「辞める前
0
カバー画像

介護はある日突然始まる。だから準備の価値がある

「介護は、そのうち少しずつ始まるもの」そう思っている方は多いのですが、実際の家族の体感は少し違います。もちろん、物忘れや足腰の衰えのように、ゆるやかに始まるケースもあります。ただ、家族にとっての「介護の始まり」は、たいてい事件のように突然やってくることが多いのです。厚生労働省の実務資料でも、介護は育児と違って「準備期間も無いまま突然起きうる」と指摘されています。さらに、介護が必要になる主な原因としては、認知症、脳血管疾患(脳卒中)、高齢による衰弱、骨折・転倒が上位に挙がっています。つまり、ある日突然の入院、転倒、手術、退院調整をきっかけに、家族の生活が一気に変わることは、決して珍しくありません。厚労省のヒアリング資料には、まさにその現実が描かれています。「今夜、家族が倒れたら」病院へ駆けつける手術の付き添いをする入院保証金が必要になるそして退院後はどう看るのかを考えなければならない。仕事を何日休めるのか?別居ならどうするのか?介護保険は使えるのか?医療費や介護費はいくらかかるのか?こうした問題が、数か月後ではなく、今夜から始まるかもしれないのが介護です。「突然」は、気持ちだけでなく家計にも直撃する介護で本当に怖いのは、気持ちが追いつかないことだけではありません。準備がないと、収入の面でもかなり痛いのです。総務省の就業構造基本調査では、2022年時点で介護をしている人は628.8万人、そのうち有業者は364.6万人です。しかも、介護をしている人のうち有業者の割合は上がっており、男性では50~54歳で88.5%、女性でも50~54歳で71.8%と高くなっています。45~49歳でも、
0
20 件中 1 - 20