キャリアの不安と親の不安を、別々に考えてはいけない理由

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多くの人は、こう考えがちです。

仕事のことは仕事のこと。
親のことは親のこと。

それぞれ別の問題だから、順番に考えればいい。

気持ちはよく分かります。

仕事の悩みだけでも重いのに、そこへ親の介護や終活まで一緒に考えようとすると、さらに気持ちが重くなるからです。

でも実際には、キャリアの不安と親の不安は、別々に考えるほど判断を誤りやすくなります。

なぜなら、この二つは別の問題に見えて、実は

同じ時間
同じお金
同じ気力

を取り合う関係にあるからです。

仕事の不安と親の不安は、同じ時期に来やすい

45歳を過ぎると、多くの人にとって仕事の前提が少しずつ変わり始めます。

責任が重くなる。
評価のされ方が変わる。
役職や役割の見通しが気になってくる。
AIや業務変化への対応も必要になる。

将来の収入や老後資金のことも現実味を帯びてきます。

一方で、同じ時期に親も高齢化してきます。

まだ元気に見えていても、通院、物忘れ、転倒、住まいの不安など、少しずつ気になることが増え始めます。

つまり45歳から50代というのは、自分の仕事を守ることと親の今後に備えることが、ちょうど重なりやすい時期なのです。

ここを別々に考えると、どうしても
「仕事のことが落ち着いたら親のことを考えよう」

あるいは
「親のことが起きたら、その時に仕事を考えよう」
となりがちです。

でも現実には、その二つは順番に来るのではなく、重なって来やすいのです。

別々に考えると、どんな誤算が起きるのか

一番起きやすい誤算は、親のことが始まっても、仕事は何とか回せるだろう
と思ってしまうことです。

たしかに、最初は何とかなることもあります。

でも、親の通院付き添い、入院対応、家族調整、書類探し、実家対応が増えてくると、仕事の中で使うはずだった余裕が先に削られていきます。

残業がしにくくなる。
急な出張が難しくなる。
責任の重い仕事を引き受けにくくなる。
新しいことを学ぶ時間が取れなくなる。

この段階で、仕事の不安は急に大きくなります。

つまり、親の問題は親の問題として終わらず、キャリアの不安そのものを増幅するのです。

逆の誤算もあります。

それは、仕事さえ安定していれば、親のことは後から何とかなるだろうと思ってしまうことです。

でも親のことは、起きてから情報を集めようとすると、とても時間がかかります。

どこに何があるのか。
誰が動くのか。
本人はどうしたいのか。

何も整理されていないと、仕事を守るどころではなくなりやすいのです。

問題は、どちらも「同じ財布」と「同じ体力」を使うこと

キャリアの不安と親の不安を一緒に考えるべき理由は、とても現実的です。

この二つは、別々の場所で起きるように見えて、実際には同じ資源を使います。

たとえばお金です。
親の介護費や見守り費用、交通費、実家対応の費用が増えると、その分、自分の老後資金づくりや学び直しに回せる余力は減りやすくなります。

時間も同じです。

本来なら、

仕事の棚卸しをしたい、
新しいツールに慣れたい、
今後の働き方を考えたい、
そういう時間が必要です。

でも親のことで動き始めると、その時間は一気に消えやすい。

そして、いちばん見落とされやすいのが気力です。

仕事の不安と親の不安は、どちらも判断力を使います。

そのため、別々に考えているつもりでも、実際には一つの心身で両方を受け止めることになります。

だから、どちらか片方だけを先に解決しようとしても、うまくいかないことが多いのです。

たとえば、こんなことが起きます

たとえば47歳の長男。
会社では中堅として責任が重くなり、これから先の働き方も気になっている。
一方で、78歳の親はまだ一人暮らしをしていて、大きな介護は始まっていない。

この時、多くの人は「親はまだ元気だから、まずは仕事を頑張ろう」と考えます。

ところがある日、親が転倒して入院する。

そこから、通院先の確認、退院後の生活調整、介護保険、家族連絡、実家の片づけが始まる。

すると本人は、仕事の将来を考える余裕を一気に失います。

本当は異動や学び直しやキャリアの見直しが必要な時期なのに、それどころではなくなる。

この人が苦しくなるのは、
親の介護そのものだけではありません。

仕事の見直しが必要な時期に、それをする余裕まで失うことです。

これが、キャリアの不安と親の不安を別々に考えてはいけない理由です。

だから必要なのは、「一つの人生設計」として見ること

私は、これからの時代は、仕事の計画と親の介護準備を、別々の箱に入れて考えない方がいいと思っています。

仕事の不安があるなら、親のことも一緒に見る。
親のことが気になるなら、自分の仕事や老後のことも一緒に見る。
この視点が大切です。

つまり必要なのは、『キャリア設計』と『介護準備』と『終活準備』を一つの人生設計としてつなげて考えることです。

こう考えると、見え方が変わります。

親の通院先を確認することは、親のためだけではなく、自分の仕事を守る準備にもなる。

会社の制度を確認することは、自分のためだけではなく、親に何かあった時の初動を安定させることにもなる。

自分の収入や働き方を見直すことは、親を支え続ける力を残すことにもなる。

「親70歳・子45歳」で考える意味もここにある

この連載で何度もお伝えしている親70歳・子45歳という考え方は、まさにこのためです。

親がまだ元気なうちなら、話しやすい。
子ども世代も、まだ少し余白がある。

でも5年後には、
親75歳・子50歳。

親の介護リスクも、子ども世代の仕事や家計の重さも、一段上がりやすい時期に入っていきます。

だから、どちらか片方を見ているだけでは間に合いにくい。
親のことと自分のことを、同じタイミングで見始める必要があるのです。

今やっておきたいことは3つ

1.親のことを考える時に、自分の仕事も一緒に見る
親の情報整理だけで終わらせず、
その時に自分の働き方や会社の制度も確認しておくことです。

2.自分の仕事を考える時に、親の初動対応も一緒に見る
転職、異動、学び直し、役割変化を考えるなら、
親に何かあった時に自分がどれだけ動く立場なのかも見ておいた方が安全です。

3.「問題が起きてから考える」をやめる
仕事も介護も、起きてから全部を整えるには重すぎます。
だからこそ、平常時に少しずつつないで考えることが大切です。

まとめ

キャリアの不安と親の不安を、別々に考えてはいけない理由はシンプルです。

この二つは、別の問題のように見えて、実際には

同じ時間
同じお金
同じ気力

を使うからです。

親のことが始まると、仕事の不安は大きくなりやすい。
仕事が不安定になると、親を支える力も弱くなりやすい。
だから、本当は最初から一緒に見ておいた方がいいのです。

これからの時代は、親の介護準備と終活、そして自分の働き方の見直しを、
一つの人生防衛戦略として考える。

この発想が、とても大切になると思います。

第21話では、
親が70歳を過ぎたら最初に見るべき『老いのサイン』
というテーマで、まだ介護ではないけれど見逃したくない変化について、具体的に整理していきます。

まずは、親に何を・どの順番で・どう話せばよいかを一緒に整理してみませんか?

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